遅ればせながら『WE ARE X』を観てまいりました。

 

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X JAPANのドキュメンタリーって殆ど30代~40代前半位の人たちが見る程度だろうと

 

思っていたのですが、

 

劇場には下は高校生位から上は50代を越えているだろう方までお越しになっていました。

 

小泉純一郎元総理大臣や、HIDEの葬儀の模様は非常に話題になったので、

 

そういう影響もあって、多くのファンが見に来ているのだろうと思い、

 

改めてX JAPANという存在の大きさを上映が始まる前から思い知らされました。

 

 

2014年のマディソン・スクエア・ガーデンでのライブ前日から遡って行くという

 

構成で物語は展開していきます。

 

X JAPAN(当時はX)の結成~現在までをYOSHIKIの視点を中心に語られました。

 

実際はこの数倍は語って、より壮絶だった所もあるのでしょうが、

 

X JAPANを少しでも知る人が楽しめるような作りになっていたと思います。

 

ただ、やっぱりXはYOSHIKIなのか、YOSHIKIの生い立ちからに焦点が当たっていて、

 

WE ARE XというよりはI AM YOSHIKIな感じになってしまっていた所が

 

少し残念ではありました…。

 

解散から復活までの10年間を語るべき人物はYOSHIKIだと思うし当然なんですけどね。

 

全体的な感想としては、

 

よくこんな事があってX JAPANが今この時代に存在しているな

 

と思わされました。

 

編集されてこうやってドキュメンタリーとして見ると、

 

YOSHIKIもいつ居なくなってても不思議はありませんでした。

 

音楽生活の中で既に身体はボロボロで、ライブも殆どドクターストップ寸前の状態。

 

ステージに立って、あんなパフォーマンスが出来る状態ではない。

 

復活ライブの時のセットリストの曲の少なさに驚いたこともあったが、

 

本当にあれが限界だったんだとこれを観て知りました。

 

 

個人的にはラストライブから解散していた時期の10年間の事柄がやっぱり痛かったです。

 

今だから、ToshIが『洗脳されていた』という事をきっちり発表出来るけれど、

 

当時はそれをひたすらに否定していたし、

 

ファンもそれをデタラメだと思っていた。

 

しかし、事実ToshIは既に洗脳されており、非常に危険な状態の中のラストライブだった。

 

「Xは悪だ!」

 

と思わされ続けていた人間が最後の晴れ舞台を台無しにしてしまうかもしれない。

 

それが他ならぬ自分を一番信頼してくれている存在である事を考えると、

 

その時の心境たるや…と思わされました。

 

当時、殆どリハーサルをしないというのが伝説になっていましたけれど、

 

これ、本当は一緒に出来る状態なんかじゃなかったって事なんですよね…。

 

このドキュメンタリーを観てからラストライブの映像を見ると、

 

そんな事は微塵も思えませんでした。

 

 

 

 

このラストライブの映像も5年後の2002年まで映像作品としてリリースはされませんでした。

 

加えて完全版がリリースされたのが2011年。

 

更に9年の歳月を必要とした訳です。

 

当時、ヴィジュアル系バンドブームでもあり、

 

話題のライブの映像は少なくとも半年後にはリリースされているものなのに、

 

この作品は5年の歳月を要しました。

 

リリースまでに5年を要したという事がこれを観て納得できました。

 

 

 

そして、そんな壮絶なラストを迎えた5か月後にHIDEがこの世を去る。

 

この死は皮肉にもX JAPANという存在の大きさを改めて世間に知らしめる事となった。

 

連日、ワイドショーでHIDEの死が報道され、

 

HIDEの人間性をクローズアップするような報道が行われる事により、

 

HIDEとX JAPANがどんどん大きくなって行きました。

 

そして、告別式は生放送され、霊柩車が出て行くときには多くの人間が我を忘れて

 

取り乱す様が映し出されました。

 

50000人もの人間がその場所で嘆き悲しむ所など今後一生見れないだろうと思う。

 

このシーンはいつ観ても涙が溢れて来てしまいます。

 

幼馴染と戦友を同時に失った悲しみは、そりゃ振り返りたくなくなるよね。

 

 

この映画は本当に人によって見る部分が変わってくると思います。

 

一度目のアメリカ進出の失敗の事なんかも非常に興味深かったし、

 

『ART OF LIFE』の秘話なども興味深かった。

 

やっぱり自分自身がリアルタイムで一番多く触れた部分が大きくなってしまいました。

 

これを観てしまうとX JAPANのニューアルバムの事をネタとして

 

イジれなくなってしまいます。

 

もう、リリースしなくてもいいよ。ってなっちゃうから。

 

 

 

 

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