星の神子が彼に神々の書の閲覧を許したり、星の神子の寝室から彼の研究室(心の院)へ直接行けたりと二人の間柄はかなり特別なものだったと思われる。

「星の神子さま。私を信じて下さい。」

ウィンダスを滅びから救うには初代の星の神子が詠んだ月詠みの予言(古の契約)を破棄するしかないが、それは月の意志であるフェンリルを殺すことを意味する。だがウィンダスは星月の加護で成り立っている国家である。フェンリルを殺し、加護を失えばその時点で滅びを回避できても結局国が次第に衰退して滅ぶのは目に見えている。
そこでカラハバルハは月詠みを破棄して尚且つ星月の加護を失わない方法を考えた。それはフェンリルを一度殺して同時に月詠みの予言を破棄、その後殺したフェンリルを復活させて星月の力も復活させるものである。そのためにカラハバルハは幾重もの策を用意していた。

カラハバルハの策編
完全召喚編

リミララの月詠みを破棄するにはフェンリルを殺さなければならない。しかし、巨大な力を持つ神獣を殺すなど不可能である。


そこでカラハバルハが用いたのが召喚魔法である。それも力を借りる召喚ではなくフェンリルと精神をリンクし、完全に操る「完全召喚」。完全召喚でフェンリルと精神をリンク、そして自ら死ねば自分とリンクしているフェンリルを殺すことができる。

手の院の禁術編

しかし、フェンリルを殺すことができたとしても、それだけではウィンダスは星月の加護を失ってしまうため、フェンリルを復活させる方策も必要になる。


そこでカラハバルハが目をつけたのが手の院の禁術である。魔法人形の製作者が死ぬとその魔法人形も停止してしまうが、もしその停止した魔法人形を無理やり復活させると魔法人形製作者も蘇るというもの。

もちろんフェンリルが魔法人形を作るはずもないが、カラハバルハが魔法人形を作り、完全召喚を行ってフェンリルとリンクすればカラハバルハと共にフェンリルを復活させることは可能である。

そこでカラハバルハは自らカーディアン「ジョーカー」を作り、完全召喚の後にそれを復活させることで、フェンリルの殺害と復活を行うという一石二鳥の計画を立てた。


カーディアン「ジョーカー」編

だがここで問題が四つ起こる。1つ目は完全召喚と手の院の禁術を併用した場合、正常には復活できないリスクがあること。

通常の禁術であれば術者は生前と同じように復活するが、カラハバルハはフェンリルと精神をリンクしたまま復活するので、精神が混ざり合ったり、不安定になる危険があり、場合によっては復活後の計画の遂行に支障が出てしまう。

この問題に対してカラハバルハが用意した三つ目の策が、フェンリルの意識をジョーカーに宿し、自ら完全復活に向けて活動できるようにすることである。

このためにジョーカーに魔法塔の魔導器の全てを任せている。また、ジョーカーにフェンリルの意識を宿す「ジョーカーのカード」をトライマライ水路に隠し、復活したジョーカーがそれを求めるようにしたのも布石の1つだろう。

後々、蘇ったカラハバルハは不安定な精神を宿した「黒き使者」となってしまったため、この時の布石が生きることになる。


まだ過去ウィンダスのミッションが開発されてない為、この「黒き使者」の登場は「なれの果て…どんな人だったのかな?」と疑問符になっていたが、アルタナの神兵の配信により、その関係性が理解できた。

野良カーディアン編

そして2つ目はそもそも誰かがジョーカーを復活させなければ自分もフェンリルも復活できないこと。ジョーカー復活は国の者に任せることもできるが、その時の情勢や手違い、この策の漏洩などで復活が失敗する恐れがある。よってジョーカー復活は第三者の手によるものが望ましいだろう。

カーディアン製造士・ゾンパジッパ。その後ろのカーディアンがエースカーディアン達。大戦時には西サルタバルタ前戦で活躍するが、ゾンパジッパ自体がカーディアンよりも火力は劣っていた。カーディアンが破壊されるとすぐにカーディアンを製造し、カーディアンは攻撃に廻るが、VUがなされてない時の闇の軍団のヤグード族の侍団の最強範囲技に多くのプレイヤーも抹殺されていた。ただし、VUでカーディアン自体も弱体の要素を加えているようになってしまう。プレイヤーの装備の追加によりヤグード侍の凶悪差は消えてしまっている。しかしすでにアルタナを参加する人は減っている。

これに対する策として当時軍隊用に「主人」の設定をされていたカーディアンたちに目をつけた。カーディアンは「主人」と認識する者の命令に従う。当時戦時中だったウィンダスではカーディアンを軍隊に仕立てるため、それぞれのカーディアンに認識ナンバーの上の者に従うような設定がなされていた。カラハバルハはジョーカーを認識ナンバーの最も高いエース・カーディアンの「主人」に設定したのだ。つまりジョーカーをカーディアンの頂点に据えたことになる。ジョーカーが死ぬとカーディアンたちは「主人を失った」という問題を解決するために主人・ジョーカーを復活させようと動き出す。実はジョーカーを復活させようとウィンダスを離れて活動しているカーディアンたちが野良カーディアンになったのだ。この時点で、カンパニエでゾンパジッパの魔戦士の4体のエースカーディアン達は未来の驚異になり、元々カーディアン製造の天才ゾンパジッパが行方不明となる。


息子のアジドマルジドはゾンパシッパを敵視している。ミッション「死者の人形」を進めていくとボヤーダ樹にゾンパジッパが居る事が判明。カンパニエでゾンパジッパが守っていたサルタバルタの影響か、なぜか「マンドラゴラの村」の牢獄に入れられている。だか主人公達はその「マンドラゴラの村」には一切入ることが出来ない。30数年前、魔法塔の研究をしていたカルハバルハはゾンパジッパに「魔法塔に特別な魔導器を作るために、強くて賢いカーディアンを何体か貸してくれ」と頼んだ。その際ゾンパ・ジッパはエースカーディアンを彼に貸し出した。その時カルハバルハは自らジョーカーという新たなカーディアンを作り出し、エースカーディアン達をジョーカーを王として従うように勝手にプログラムしてしまったのだという。そしてそのまま「魔法塔の魔導器の全てを守る」ようにした。しかしクリスタル大戦でカルハバルハは死に、彼を主として設定されていたジョーカーもまた動きを止めた。

Zonpa-Zippa : 術をかけた主人が死ねば、人形の魔法は解け、カーディアンたちも共に死ぬ。

製作者自体が違う(ゾンパジッパである)エースカーディアン達は「主を失う」というありえない状況に混乱した。「ジョーカーが復活さえすれば、問題が解決する」と信じ、復活させる為にゾンパジッパを捕らえたというわけである。そしてまた、ゾンパジッパの外界に関する知識もここで終わる。すなわちジョーカーが復活したことは知らない。そのことを伝えると、彼は意味深な発言をする。
ボヤーダ樹のゾンパジッパ。なぜかカラハバラハと同じ格好でいた。

Zonpa-Zippa :……。いいか?理解する頭がなくとも、一度言ったら二度と言わぬからよく聞けよ。 無機物に「命」と「意思」を与える魔法には重大なる決まりがある。「魔法をかけた術者が死んだら、その魔法は切れる。」……そして、もうひとつ。「死んだ無機物を生き返らせてはならない。生き返らせたならば死した術者も「死の虚無」から呼び戻される。」答えは自明だな? ジョーカーが生き返ったならば「カラハバルハも生き返っている」はずだぞ。

これをヒントにウィンダスミッションは更に進んでいくことになる。要するにここで登場している「黒き使者」がカルハバルハである。この情報を元にエースカーディアン達は理解したのか、アジドマルジドは皮肉じみた台詞を放ち、妹のアプルルは動揺してしまう。アジドマルジドは過去の時代では子供だったが、現校長代理のコルモルが先生で、アジドマルジドの魔力はとてつもない物と確信する。ゾンパジッパの皮肉じみた台詞にアジドマルジドが怒って、衝突しそうな瞬間にコルモルは世界が崩壊してしまう!!…と止めようとしたが、それを止めれたのはさらに上級者のシャントット様である。

以上がカラハバルハの布石があったことが明確に分かる範囲である。
しかし、カラハバルハの計画を成就させるためには他にもいくつかの要素が働いている。

月詠み編

3つ目の問題は「手の院の禁術で蘇ったものは、人形にこめられた魔力が尽きると再び死んでしまう」ということ。

つまり、復活させただけでは再びフェンリルは死んでしまうのである。ジョーカー=フェンリルは復活を恒久のものとするため、月詠みの儀式で「願いを現実のもの」とし、復活を完全なものとしている。

月詠みの「時」を導くためには、満月の泉に星の神子、復活したカラハバルハ(黒き使者)、ジョーカーを一同に介する必要があった。ジョーカーは直接星の神子に接触し、冒険者とアジドマルジドの力を借りて黒き使者を呼び寄せることでその「時」を導いている。





この「完全召喚」を成功させたのはカラハバラハ、と元師(黒き世界のカラハバラハ)がいたから。この後2人はフェンリルに取り込まれ、オズトロヤ城で主人公達とレコと戦う際に幻影になり、カラハバラハと元師と剣を交える事となる。倒しても止めを刺せない主人子達は、最後の切り札をペリィに託していた。それが「光の弓」である。

そして現代ではフェンリルは召喚魔法として活躍してくれる。属性は何なのか分からないゆえ、アビセアのトリガーボスで活躍するリヴァイアサンやイフリートの様に、自然界ではあまり活躍する機会は少ない。ただし、フェンリル自体は火力は高い。闇属性はディアボロス、オーディン。月属性なら闇かも?