俺はガンジスに何度行ったろう。


毎日12時過ぎに起き、3時過ぎに毎晩寝て、


何度も何度も行った。

何度も何度も見つめた。


時には川岸のマッサージ屋の親父にどなりつけ、

時には火葬が終わってからの儀式に出くわし、

時に街で一人ラッシーを飲み、

時には日本人の女の子と街中で夜飯を食い、

時には本を読みながら、子供達を見つめ、


ガンジスには何度行ったことだろう。


チャイを飲み、ボートに乗り、

ガンガーに魅せられた時。


「俺の心」


でも、そこには人がいる。

俺はインドに来る前はほとんど自分一人で行動するようにしていた。


そんなこと言っても人間てものは矛盾しているもので寂しくなり、

一人ではいられなくなる。


いつも、何かが用意されたように俺にメッセージをくれる。


ある日、俺とルーベンはマルタはモナリザカフェに行った。


ガンガーに行く通りには観光客ようの料理屋がたくさんある。来るまではいつも迷路街を通ってくる。

まるで3年前に行ったモッロコのフェズの町並みだった。夜、ゲストハウスに帰る道を幾度も迷ったんだ。


カフェに置いてあるもの、店頭に並んでる旅行客を目をひくようなチョコクロワッサン、

店は外から見えるようになっている、中に入るとインターネットが4台、

テーブルが6席ある。

メニューをみるとパスタ、ピザ、オムライス、ポリッジ、チョコレートパンケーキがあった。


ガンジスの近くでこんなものが食べられるとは思ってもみなかった。


俺はマルタとルーベンとある昼前に行った。

パスタみたいなものを頼んだろう。


あとからジェームスもきた。


4人で席を囲む。


ここで出たのがオーストラリアの話だ。

俺の船旅での仕事の話もした。


マルタとルーベンは去年8ヶ月間、オーストラリアで働いていた。

そして、旅をしていた。


そんな話を俺はなんとなく聞いていた。

この時はこの後まさかオーストラリアに行くとは夢にも思ってなかった。


俺は考え始めていた。

どうやってこの旅を続けるか、タイで睡眠薬を飲まされお金をとられた、カオサン通り。

あいにくにもインド人に取られ、その後インドにきたんだから。持っていたお金は6万円程度だったろう。

もうそろそろお金が尽きる、俺は真剣に考え始めていた。俺の英語力と共に。


そして、興味本位でマルタとルーベンの話を聞き、質問をした。


何の仕事をしていたのか?どんなことをして楽しんでいたのか?聞いた。


マルタは細かく教えてくれた。どこのバッパーが安いか、どんな仕事ができるか、

丁寧に教えてくれた。1つ1つ、白い紙にえんぴつで書いてくれた。


俺は聞いた、


もし、俺が行くとしたらビザのヘルプをして欲しい。


「could you help me for working holiday visa in australia?」


「sure」とマルタは答えてくれた。ルーベンはいつもマルタについてくる感じだ。

そんなルーベンが俺はほんとに好きだ。


朝飯とも昼飯とも言える、ブランチを食べ終えた。

ブランチが終わり、ガンジスに向かった、4人で。


何をする訳でもない、チャイを飲み、スナックを食べた。


ガンジスに染まった。


そうしていると

俺があるチャイ屋に行くといつも寄ってくる、ポストカード売りの少女が俺らのところに来た。

彼女は8歳。姉妹でポストカードをここガンジスで売っている、旅行客相手に。

誰かが座ればそこに近寄って、一枚5ルピーのポストカードを50枚くらいみせてくれる。


これは、シバ神、

これは、ガネーシャ神、

これは、マニカルガート、

これは、ガンジス、

これは、バラナシ、


のポストカードだよって。


何回も何回もみせてくれる。みせにきてくれる。


俺が何度断っても、彼女はあきらめず、ただをこねるように、

俺に買ってー、買ってーって言って来た。


俺が「いらないよ」って強く言ったら

彼女はひねくれたように怒った「why you don`t neet it?」って言ってきた。


その一分後には違う旅行客捕まえて、彼女の生きる姿を俺に見せてくれた。


お母さんはそれを後ろの方でみながら、ガートに座っていた。

結局最後は10枚ほど買った、彼女は笑顔と共に離れて次の場所へと足を動かしていった。


陽がくれてきた。


ここガンジスは陽がくれると共に蚊が溢れかえる。


痒くなってきたと思ったら、目の前でフリスビーと凧揚げをしているインド人の子供達が現れてきた。


凧揚げは昼間からやっている、陽がくれるまで。


俺とルーベンはフリスビーをしていた子供達のところに混ざりに行った。


俺が子供達のフリスビーをとり、俺とルーベンでキャッチしあう、子供達はそれを追いかけてくる。


僕にも僕にも投げさせてって!うちらは一緒に川岸でフリスビーを楽しんだ。


この子達の親はどこにいるのか分からなかったけど、ひたすら投げ合った。


俺は子供を抱っこしたり、フリスビーを彼にパスしたりして、ガンジスの水平線の上にみえる夕陽をみ、凧揚げ姿をみながら思った。


名前も知らない子供達が俺の心を暖めてくれる。

わがままな俺の心を、暖めてくれた。


凧揚げをみつめ、自分の幼き時代を思いだした。

あの時、お米の田んぼで凧揚げをし、

電柱に引っかかった凧を親父が取ってくれた背中を瞳の裏に思い浮かべた。

小さい頃持っていた素直さはどこに行ったのか、

何も考えず、ひたすらひたすら楽しんでいた幼少の心はどこに行ってしまったのか。

こんなにも醜くなってしまったのかと、

俺は誰かのために勇気を与えたいという、

一番は俺に勇気を与える旅だろう、誰かのためと付け加えながら。

それを自分に言い聞かしているんだろう。きっと。

あなたのためにと言い、自分のために進んでいる果てしなき旅路。

己自信の心のために。


夕陽が今日もガンジスに沈んでいった。



遠藤大吾の世界一周。-川岸
ガートに行く、すべてがゴチャ交じりだ
遠藤大吾の世界一周。-川岸
自分の場所がどこなのか
遠藤大吾の世界一周。-川岸
ポストカード売りの少女
遠藤大吾の世界一周。-川岸
凧揚げをするチャイ屋の店員
遠藤大吾の世界一周。-川岸
子供達が無邪気に遊ぶ川岸
遠藤大吾の世界一周。-川岸
抱っこをせがんでくる幼き子
遠藤大吾の世界一周。-川岸
フリスビーのガンジス
遠藤大吾の世界一周。-川岸
夕陽が沈み始め、空高く飛ぶ
遠藤大吾の世界一周。-川岸
穴を埋めるために言ってても仕方がない

平和なんてものは考えてても始まらない

目の前にあるんだから
遠藤大吾の世界一周。-川岸
言葉ではすまない写真がある

言葉ではすまないことがある
遠藤大吾の世界一周。-川岸
彼女はフリスビーで楽しんでるインドの子を

客観的にみては次のお客さんへと