高橋幸宏 / ニウロマンティック | 80'sテクノポップ カタログ

80'sテクノポップ カタログ

とりあえず100枚を目指す。
(急にブログタイトル変えましたが気にしない気にしない)
                    (3月31日に変えました)

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。

どうです百点満点の挨拶でしょう?何の捻りもないですが。
よい子のみんな、おとし玉はもらったかな?大せつにつかおうね!
(皆、切、使って小学一年生でも知っているんでしたっけ?)
最近門松をメッキリ見ませんね。カドマツトシキ!!カドマツトシキ!!

ちょっと謝りたいことがあります。ん?シリアスシーンかな?きっと、誰しもが心の底からどうでもいいと思うことでしょうけど、これは私なりの責任感の表れです。ここで前回の記事の序文を引用します。

 

>とにかく、まずい。このままだと、過去最低の更新数となってしまいます。
>なんとしても2014年の6件は超えないと、このブログは終わってしまう。
>あと二つ。いける、多分いける!

 御覧の通り、2016年のブログ更新数は、過去最低になろうとしていました。年末を生きた私は、この時点で最低だった2014年の更新数・6件を超えようとしたのです。では結果を見てみましょう。

 

2016年12月 ( 4 )
2016年01月 ( 1 )

 

 あなたが小学校一年生で習う算数ができるのであれば、自ずと答えを導き出せるでしょう。一つの数字が浮かび上がってくるでしょう。
です

6と5のどちらが大きいかなんて、もう訊くなという程度の問題ですよね。結局、私は12月24日に約束した、「クリスマスイブの約束」を果たすことができなかったのです。情けない……。いや、実はブログに書くネタが出来たとか思っていないですけど、ですけど!!
よしんば投稿日時を2016年に改竄して投稿したらどうだろうかと思いましたが、人生において必要なものは"誠意"です。真正面から、この問題に立ち向かいます。一応、下書きの文章もあったので、下に写しておきますね。読まれる方は、(約束を果たせなかった者の)遺書みたいなものと思ってお読みください。

 

~~~~~~~~~~
 今年もあと僅か……とまたしても書いています。どんだけ年を終わらせたいんだって感じですが。私は、年末年始の雰囲気が好きなのです。早く31日にならないかなーと22日から(具体的)思っているのですが、なかなか来ないものですね。もーいーくつ寝ーるーとーって歌いたくなります。私のような正月が待ちきれないせっかちのために作られたんですね、この曲は。いや、童謡ですから……。なんでもこの曲、曲の著作権は切れているのに、歌詞はキレてないそうです。東くめ(作詞者)が、瀧廉太郎(作曲者)の分まで生きたせいですね。つまり私が瀧に無断で、この曲のメロディを弾いたり口ずさんでも、誰も私を裁けないのです。しかし少しでも歌詞を歌おうものなら天下のジャスラックに八つ裂きの刑です。
 このように、音楽というのは難しい世界なのです。ジャスラックやレコード会社がややこしくしているだけとも言えますが。しかし一筋縄にはいかないんですよ。思いつきのネタが全米チャート入り音楽が文学賞を取るたった五人の男が解散するだけで大騒ぎたった一年で不倫、未成年×飲酒、さらにボーナス交際を果たしたきのこ頭ほとんど音楽関係ないだろ!
しかし今年はすんごい死にましたね。ボウイも、グレン・フライも、ジョージ・マーティンも、キース・エマーソンも、プリンスも、冨田勲も、ピート・バーンズも、さらにはジョージ・マイケルまで!?(今知った) R.I.P.(激寒)
他にも死にまくっていますが、今年は知名度が高い人が立て続けに亡くなっているように思います。しかしこれは序章に過ぎないのかもしれません。多くのミュージシャン達が高齢なんですからね。例えばポール牧が死んだら、って死んだか。それにしてもローリング・ストーンズのメンバーの不死身具合はどういうことなんでしょうね。あいつらちょっとした悪魔ですよ。大勢のミュージシャンが死んでいるのに、ミック・ジャガーは未だに生を授けることができるんですから、精力的に活動しているんですねぇ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ここまでは調子良かったんですけど、これきりでしたね。実はこの時点では、どのアルバムを題材にするか決まっていないのです。実は、これを書いている今も決まっていません。困ったな。


やっぱり迷ったときは、ユキヒロじゃないですか?そんな法則ないですけど。新年一発ですし、そこそこメジャーなのを攻めた方が良いような気がしませんか?

 

高橋幸宏 / Neuromantic ロマン神経症

自分の顔を水彩画にされてデカデカとジャケットにされるって勇気要りますよ。

 

前々回の記事で、ニュー・ミュージックのセカンドアルバム『エニウェア』について書きました。実は今回紹介する『ニウロマンティック』は、その『エニウエア』と密接な関係にあるのです。まず二作の録音・発売時期をまとめます。

 

エニウェア:録音1980年7月~1981年、発売1981年3月6日
ニウロマンティック:録音1981年3月~5月、発売1981年5月24日

 

このように『エニウェア』が完成して間もなく、『ニウロマンティック』の録音が開始されているのです。そして『ニウロマンティック』には、ニュー・ミュージックのリーダー、トニー・マンスフィールドが参加しています。彼はアルバム制作に大きな貢献をしたことが窺えます。そして同時に、高橋幸宏及び、YMOの楽曲制作に強く影響を受けたのでした。……と博識ぶりましたが、実はつい最近まで間違った情報で覚えていたのです。詳しくは『エニウェア』の記事をご覧になれば分かりますが、端的に言うと時系列を間違えていたってことですね。


 あと本作が『エニウェア』のパクリかというとそうではなく、「そういう要素もある」ということです。本作の少し前に発売されたYMOの『BGM』に近いようにも思いますが、これもあくまで"要素"です。

本作には、トニーの他に多くの外国人が参加しているように、ロンドンで録音されました(日本でもしています)。エンジニア、ミックスにスティーブ・ナイ、演奏ではロキシー・ミュージックのアンディ・マッケイ、フィル・マンザネラまで参加しています。なんかコネとか使ったんですかね。ちなみに1981年以降、高橋ユキヒロは高橋幸宏に改名しました。マイナーチェンジもいいとこですが、「ユキヒロ」だとなんか締まりがない気がします。何年か前、東北のサービスエリアのトイレに、「ユキイロ」という雪道情報サイトの広告が掲示されていたのですが、「お?ユキヒロか?」とか思ったものです。これを直球でユキヒロ病といいます。このように、「高橋ユキヒロ」だと誤解されます。どんな誤解だよ。

 

↑ここまでは1月1日制作
↓ここから1月3日

 

曲解説

※あまり本気にならずお読みください。

 

1.Glass (ガラス)
 聴いてのとおり、そんなに明るい曲ではありません。新年一発にこれって大丈夫ですかね、2017年。ちなみに私が新年に最初に聴いたアルバムはフランキー・ヴァリのファースト・アルバムでした。テクノ要素はどこへいった。それはさておき、この「ガラス」という曲はYMOの『BGM』のアウトテイクと言われても信じてしまいそうです。勝手にアウトテイク扱いしちゃっていますけど、立派な本作の一曲目です。それだけ『BGM』の完成度が凄いってことですね。実際イントロで聴こえるドラムのフィルは、『BGM』の「千のナイフ」でも同様のものが聴けます。あ!これパクリだ!(これ見よがし)そういえば、リズムをパクられたから訴訟って聞いたことありませんね。
 そして歌が始まります。これがまた実に淀んだ歌声で(言葉が悪い)、これはビョーキ(死語)ですよ。音程はしっかりあるのに、メロディというには少し違う感じが独特です。何気に六分くらいあることに今気付いて意外でした。

 

2.Grand Espoir (大きなる希望)
作詞:細野晴臣 翻訳:ピーター・バラカン 作曲:細野晴臣
 作詞作曲が細野晴臣というこの曲。最近ようやく知った事実です。言われてみると曲調がコミカルな感じ、しなくもないです。ただ演奏しているのがユキヒロですので、気付きませんでした。個人的には、本作の中でもかなり好きな部類の曲です。やっぱりこれも細野パワーによるものですね。細野パワーってなんだよ。一曲目は最初から最後までテンションが同じなのですが、こちらはサビの展開がやや情熱的な感じ、しません?ただの主観だろと言われたら言い返せません。

 

3.Connection
 爽やかな曲です。炭酸飲料のCMとかにいかがでしょうか。絶対無理。あくまでも比較的明るいってだけですので、誤解したら死にます
 さっきまで歌い方が無機質で、ボーカロイド的な何かに歌わせているんじゃないかと疑うものでした。この時代にボーカロイドなんて無いだろ!この時代はスピーク&スペルに喋らせるだけで喜んでいる時代だっただろ!!この曲では高橋氏の歌い方も明瞭で、メロディらしさがあります。つまりさっきまではメロディでなく、ユキヒロが呻いているだけということになります。
 この曲で聞こえる、シンセサイザーの音色の一つは、トニー・マンスフィールドによるものと思われます。ついでに一部、彼の歌声も聞こえます。彼の歌声は、一見場違いなほどに明るいので、ようくわかります。良い意味でですよ?ちょっと誤解しないでくれるかな!?

 

4.New (Red) Roses (神経質な赤いバラ)
 英語のタイトルを見ると、「Red」が括弧でくくられています。一体何の意味があるというのですか?日本語タイトルには「神経質な」とありますが、英題には神経質なんて言葉は入っていません。これだと日本のレコード会社特有の謎邦題みたいです。しかし公式で「神経質な赤いバラ」とつけられているのでセーフでしょう。
 本作のインスト曲です。ややニューウェイブな曲調ですが、ニューウェイブ界がこんな曲ばかりだったかというとそうでもなく独特です。特にシンセによる旋律は、ビブラートがかかって、冷静に聴くとかなり変な音なのですが、曲に自然に溶け込んでいます。

 

5.Extra-Ordinary (非・凡)
 普通に曲作りをしていて、「非凡」なんていうタイトルを思いつくことって、そう無いと思います。それもただ「非凡」とつけるのではなく、「非凡」と分けているのがポイントです。こういう発想が非凡ですよ(上手い事言ったつもり)。
 いきなりスネアの音から始まるのが格好いいです。いつになっても、ドラムは生でという姿勢はさすがです。つまり非凡。使われているシンセの音色はどれも変わり者ばかりで、不思議な世界観です。まさに非凡。前曲に引き続き、ニューウェイブですが、これもまた独特です。やはり非凡。非凡のごり押しやめろ

 

6.Drip Dry Eyes
 唯一作詞がクリス・モスデルによるもの。「モスデル」だったり「モズデル」だったり表記が安定しない彼です。1981年頃には、彼はYMO人脈からハブられ気味で、役割がピーター・バラカンに取って代わられました。クリスのソロアルバム、YMOの曲「シチズンズ・オブ・サイエンス」間奏の喋りから見ても、イッちゃってる人であることは確かです。多分クリスの、そういう危険なところドン引きした結果なんじゃないかなと思っています。しかしこれは私がてきとうに考えた予想ですので、少しもアテにはなりません
 唯一のクリス作詞と書きましたが、この曲は別に新曲ではありません。初出は1980年で、YMOに馴染みのある、サンディーという歌手のアルバム「イーティン・プレジャー」に収録された曲でした。ユキヒロとクリスは、そのアルバムのために書き下ろしたってわけですね。サンディ・ヴァージョンはアレンジがダブっぽく、親しみのある曲とは言えないでしょう。そしてユキヒロは、翌年に本作のためにリメイクしたのです。するとどうでしょう、サンディーのときの曲調が嘘のように、ロマンティックな仕上がりになりました。もはや別物です。サンディーリスペクト0です。「曲はアレンジ次第でどうにでもなる」の好例ではないでしょうか。果たして、この曲はサンディーの曲ではなく、ユキヒロの曲となりました。しかも本作の中でも、代表曲に位置する曲ですし。ところでこの曲のシンセの音に、トニーが作ったような音があるのですが、実際どうなんでしょうね。

 

7.Curtains
 「ドリップ・ドライ・アイズ」は、大変ロマンある曲でしたが、ここからしばらく様子が変わります。ドライな雰囲気が漂います。作曲は坂本龍一で、和音が凝ってそう(詳しくない)なところが頷けます。
曲を支える音のほとんどが、シンセサイザーにより構築されており、これはかなり興味深いです。シンセだけだと単調なようですが、どことなく情熱的で動的な仕上がりとなっています。

 

8.Charge
 これまたインストです。本作の中で、最も機械的な曲ではないでしょうか。曲の主役はギターで、これもまた情熱的です。しばらくギターの音がなく、短いシーケンスフレーズが繰り返される間奏があるのですが、これが30秒もあります。ただの繰り返しが30秒とか、焦らしプレイか何かですか?当初の予定で、ここに何か入れるつもりが、面倒になって止めたとかですか?これが本当だとすると、一年にちょっとしか更新しない某ブログに似たところありますね。諦めちゃダメって言われなかったんですかね。しかし私はたった今、一つの仮説を思い立ちました。この曲のタイトルは「チャージ」。燃料を入れたり、充電したりする、アレです。つまり、あの単調な長い長い間奏は、チャージ中だったんです!じゃあ何をチャージしてたんだ?

 

9.Something In The Air (予感)
 疑問が解決されないまま、最終曲です。「細かいことは気にするな」と言われたかのようです。終わりよければすべて良しって魂胆ですかしょうがねぇなぁ。
実際この曲は解放感ある曲です。イントロからしてそうです。Aメロが始まってから、ちょっと曇りますけど。その反動で、サビで一気に解き放つ(何を)のですから、うまい構成ですよねこれ。上から目線
この曲のセルフ邦題は「予感」です。ニ曲目で「大いなる希望」というタイトルがありましたが、これ題名を交換した方がしっくりきませんかね。「予感」ってちょっと意味深ですよ。三十年以上も前のアルバムに、うだうだ言ったって無駄


このように、本作は暗さと明るさの混在した作品なのです。
「ロマン神経症」とはうまいこと言ったものです。今だったら中二病的な何かで片づけられそうなものですが、それはそれ、これはこれ
次作以降、「What, Me Worry?」から、ユキヒロは割と前向きになります。ハジメ、沢村満、ビル・ネルソン、ザイン・グリフ、ジャパンとお仲間もできて、心強くなったんでしょうか。