ペイメントプロセッサ大手のBitpayが、ビットコインキャッシュの採用をリリースしました。

これはビットコインキャッシュにとって大きな追い風でもあり、ビットコインキャッシュがどれだけ決済に利用されるのか確かめられる試金石です。

ペイメントプロセッサー大手Bitpayとは?

同社は、2011年に創業されたビットコインのペイメントプロセッサ企業で、このレイヤーでは最もシェアを獲得している企業のひとつです。

株主には、Index VenturesやFoundes Fund、Richard Branson、 Barry Silbert、Roger Verなどが名を連ねます。

米国では、coinbaseとBitpayが主要なビットコインのペイメントプロセッサ企業で、両企業がほとんどのシェアを占めています。

どちらも決済店舗数を公開している資料を見つけられなかったのですが、自分の感覚では、Bitpayのほうがシェアを獲得しているのではないか?という感覚が強いです。

Bitpayを使用している企業は、MicrosoftやTigerDirectなどの大企業から、個人事業主まで多岐にわたります。

ただし、日本から利用する場合は、ドルでの入金となってしまうため、以下のような海外のサービスを利用するメリットはあまりないと思われます。

これらのペイメントプロセッサーのサービスとしての役割は主に以下のようになります。

・ショップはドルで価格を決める

・Bitpayは15分有効なBTC価格を示す

・顧客はBTCでBitpayが指定したアドレスに送金

・ショップはBitpayからドルで受け取る

つまり、店舗は価格変動リスクを避けて、ドルを受け取ることが出来るソリューションを得ています。

日本で同様の事業を行うレイヤーとしてコインチェックや、ビットフライヤーなどがあります。

この度、ビットコイン以外の初の通貨として同社はビットコインキャッシュを採用することを発表しました。

Bitpay社のCEOは、スケーラビリティーの議論で常にビッグブロック派であった人物で、実際に稼働するビッグブロックスケールのビットコインキャッシュが生まれた今、それを同社のプロダクトに採用をすることは自然な流れだと言えます。

同時に、ビットコインは決済で使われるべき、サトシの論文では「P2P electronic cash system」であったということを旗印に立ち上がったビットコインキャッシュが、決済で受け入れられる店舗が広がる出来事となります。

ビットコインキャッシュの利用拡大は、ビッグブロックの課題を顕在化するきっかけにもなる可能性

同社のリリースでは、ビットコインキャッシュの平均手数料(0.021$ fee/kB)がビットコインの平均手数料より遥かに安価であることが、採用理由としています。

実際に、決済レイヤーからみたら、手数料が安いことはサービス拡大に伴い重要な要素であることは間違いありません。

ですが、それならばSegwit対応や、以前からライトコインも採用すべきだったという見方もでき、政治的背景も全く無関係とは言い切れません。

そういった事情もあるもののビットコインキャッシュにとって、とても大きい追い風であることは変わりません。

また、自分自身、手数料が安い暗号通貨が大きく決済で使えるようになったとき、果たしてそれがどれだけ広く使われるだろうか?ということは見たくもあります。

同時にビットコインキャッシュは、現状100-150KB/1ブロックほどで推移していることが多く、大きいブロックサイズが必要になるほどは利用されていません。

つまりブロックサイズが大きくなれば、ブロックの伝播が難しくなるなど以前からの指摘は全く顕在化されないまま、今を迎えています。

実際に使用をされていくにあたって、その問題ももっと議論されるきっかけになるでしょう。

さらに、需要ごとにブロックを大きくし、トランザクション手数料は常に底辺であるのならばマイナーの手数料収入は実は減少するのではないか?という懸念もあります。

これらの問題が顕在化するときは、ビットコインキャッシュの利用度は今より大幅に増加しているときでしょうが、Biftpayでの採用はその第一歩にもなるかも知れません。