ホテルの周囲はタウンと呼ばれていますが、れっきとした田舎です。
2階建ての建物は非常に珍しく、
土煉瓦?といいますか、土の壁の家がたくさん集まってます。
そのタウンから、車で移動します。
職場は、土ぼこりをあげて40分ばかり進んだ所にあります。
その周囲に宿泊施設がないため、タウンまで迎えにきてもらっています。
といっても、行く道すがら、たくさんの朋輩を乗せていくので、
私のためだけというわけではありませんが。
中庭といいますか、広い広い庭?畑?
一人は牛や羊を放し飼い、また一人は作物を作っています。
職員のものらしいですが。
私は、羊とヤギが好きです。
草の食べ方が好きです。
力が入れている感じが好きです。
下あごに力を入れて、力任せに引っ張る感じ。
遅い昼食をとった3時過ぎ、昼寝したいけだるい雰囲気の中、
庭でやけに羊が泣いています。
何の気なしに眺めると、面白い光景が広がっていました。
メス羊の手綱がオス羊の手綱と絡まっています。
メス羊は行動範囲が制限されただけですが、
オス羊は前足をメス羊の手綱にぐるりとまかれてしまい、
彼女が動くたびに、足を引っ張られます。
ボエーっと迷惑そうな叫びを発しますが、メスはかまわず草を食んでいます。
しまいに座り込んでしまいました。
こうなると、行動範囲が狭まったメスが黙っていません。
どうやらオスの周りしか動けないことを悟り、
しきりにオスの周りの草を食みますが・・
オスがジャマ・・
今度はメスがボエーっとなきつつ、オスをどかそうとします。
オスはもうテコでも動きません。
二頭ともボエーと泣き続けていると、
飼い主が気づいて、駆け寄ってきました。
「なにやってやがる」とばかりに、オスの解放に取り掛かりました。
そうして手綱をほどこうとしている間に、
やっと動けるようになったオスが走り出し、どう誤ったか、
メスの首に手綱が絡まって、本気の悲痛な叫びになってしまいました。
すぐに飼い主の手によって解放されたので、事なきを得ましたが。
危ういところだった羊たちをしり目に、飼い主だけが笑っていました。
ずっと見つめていた私に、
彼は羊の首が締まっていたことをジェスチャーで示してくれました。
私も彼に見ていたことを伝えました。
「ねえ、見た?」とばかりに私は同じ部屋で働く同僚に目をくれたところ、
黙々と作業に集中していました。
なんだか申し訳なくなり、仕事を再開したのでした。
せっかくなので、ビデオにでも撮ってれば良かったのに、
と後になって思いました。
こっちの生活を楽しんだ午後でした。