電話

私 「もしもし、お母さん? 明日帰るわ」

母 「うん、わかった」

私 「お姉ちゃんは来てるの?」

母 「今日家族全員で来て、夜8時頃帰ったよ」

私 「あっ、そう。じゃ、夜打合わせがあるから日帰りだけど、朝そっち行くから」

母 「わかった、気をつけてね」

私 「うん、じゃ明日」



こないだお母さんが迎え火をたいたそうなので、お父さんの魂と遭遇できるかしら?

ほんとに家に帰ってきてるのかしら?



私のお父さんは、いつもどおり朝早く仕事に出かけていき、職場で心筋梗塞・・・・。

当時高校生だった姉と、中学生だった私が搬送先の病院に着いた時は、

もう白い布をかぶせられていた。



理科の授業中、職員室に行くように言われ、

お母さんからかかってきているという電話に出ると、


母 「お父さんが、交通事故に遭ったから病院に来なさい」

私 「えっ? 誰? お母さん? えっ? ほんとにお母さん?」


内容はそっちのけで、とにかく、電話口の声がお母さんだと分からなかったのです。

まるで別人の声。

なんとか私にショックを与えないように気丈に「嘘」を言ったお母さん。

でも大丈夫だから・・・と。



あれから約21年。。。



わたしは今35歳です。

お父さんにだっこされた時の感触や、秋ヶ瀬公園で遊んだこと、

歌をカセットテープにふきこんで遊んだこと、

書道や図工を教えてくれたこと、竹馬を作ってくれたこと、五目並べをしたこと、

畑での作業や、バドミントン、スケート、釣り、週末にイトーヨーカドーや

忠実屋によく行って、帰りに夕ご飯を食べたこと、

サングラスをかけて、俺っていい男! って言ってたこと、

植木をいじってるとこ、

草書してるとこ、

縫い物をして一緒に自分の指の皮も縫ってたこと、

クリスマスケーキを買って来てくれたこと、

ボーナスの日、上着のポケットからたくさんの1万円札を見せてくれたこと、

北海道旅行に行ったこと、

つくば万博に行ったこと、

居心地悪そうに父親参観に来ていたこと、

池袋に「子猫物語」を見にいったこと、

一緒にゴミを燃やしたこと、

ベランダの蜂の巣を取って蜂の子を料理して食べたこと、

初めて原宿に連れてってくれたこと、

時事放談を見てる時にしゃべりかけると怒られたこと、

サンデーマラソンを布団に入ったまま一緒に見たこと、


ほかにも

いっぱいある思い出をこれからもずっと忘れないように。