ご訪問ありがとうございます。大志と申します。
(3)
自室で宿題をしていると、
「入っていい」
お姉ちゃんの声がしました。
「いいけど」
そうぼくも応えます。
ゆっくりとドアが開き、
お姉ちゃんが入ってきました。
「母さんから聞いたよ」
学校で居残りをしていた話だと思いました。
「ごめん。でもお姉ちゃんは
関係ないじゃない」
「関係ある、ないじゃない。
お母さんに迷惑かけたら駄目じゃない」
「気を付けるよ」
「そう。じゃあ守ってね。
本当はもっと言いたいことあるけど、
言わない」
「ごめん。ありがとう」
途端にお姉ちゃんの表情が、
穏やかになりました。
「宿題、頑張って」
そう言うとお姉ちゃんは、
部屋を出ていきました。
※この物語はフィクションです。