クルジュナポカの宿で会った、ウクライナ住まいのヒデキさん。
ウクライナのことをいろいろ教えてもらった中で、衝撃的なことを知った。
ウクライナは今、ロシアと戦争中なのか。
戦線はウクライナの東側。
まさに今、その戦線で鉄砲バンバンやっていて、毎日のように数名が亡くなっているそうだ。
そのため、ウクライナの人々は西へと移住してる。
ヒデキさんも東側に住んでたけど、そのせいもあって出てきたらしい。
ウクライナの人たちは、日本の北方領土問題のことも知ってるそうだ。
ウクライナと同じ領土問題でしょ、と。
対ロシア、ていう仲間意識があるのかも。
それに対して、日本でウクライナとロシアが戦争中だと知ってる人はどれだけいるんだろう。
申し訳ないことに私は知らなかった。
この旅行中にチェックしてる日本語ニュースサイトでも、見たことない気がする。
この話を聞いて、ウクライナとロシアの戦争について調べてみた。
今まで全然知らなかった話だから、ネットで拾った情報を組み合わせただけの付け焼刃だけど。
何も知らないよりは、たぶんいいはず!
* * *
◆ウクライナの背景
現在のウクライナ国内は、親欧米派(西)と親露派(東)に真っ二つに分かれて対立中。
将来的なことを期待してヨーロッパ連合に加わるか、エネルギーなどを依存しているロシアとの関係を重視するか。
もともと、ウクライナ東部はソ連やロシア帝国時代の関係でロシア人が多く住んでいた。
1991年にウクライナが独立してからは、ウクライナ語やウクライナのアイデンティティを強要されてきたが、それに対して否定的だった。
一方、西側の歴史は旧ポーランド王国時代があり、ユダヤ人やハンガリー人なども含め、他民族な地域。
この、住んでる民族の違いが東西の温度差を変えるような状況を作ってる。
◆ウクライナ東部の戦争
現在戦争をしているのは、
ウクライナ軍と、親露派の承認されていない共和国らによる義勇軍。
発端は2014年2月のユーロマイダン。(詳細は下を参照)
親露派のヤヌコーヴィチ大統領が失脚(亡命)し親欧米派の政府になったことで、
ウクライナ東側の親露派は、ロシア語の使用が禁止されたらどうしよう、とか
自分たちが不利な状況になることを警戒した。
クリミア半島がロシアへ編入された後(詳細は下を参照)、
ウクライナの南東部ドネツィク州とルハンシク州(略してドンバス)は
「ドネツィク人民共和国」「ルハンシク人民共和国」と名を変え
親露派の活動家により武装蜂起、つまり下剋上的なことが起きた。
同年9月には、ベラルーシの首都ミンスクで和平合意。
停戦と捕虜の交換をして、外交的に解決しようと。
したはずが、、、
小競り合いは続き、2015年1月には全面的な武力衝突が再開。
2回目のミンスク和平合意は、1回目と違って各国の首脳が会談に出てきた。
左から、ベラルーシのルカシェンコ大統領、ロシアのプーチン大統領、ウクライナのポロシェンコ大統領、ドイツのメルケル首相、フランスのオランド大統領。(ロイター通信)
ドイツとフランスはウクライナ側の、ロシアは共和国側の履行保証人。
これが世に言う「ノルマンディー4者協議」ってやつ。
これによって2015年2月15日午前0時より停戦となったけど、まだ小競り合いはあるらしい。
これが今も続いてるのね。
現時点では「小競り合い」で済んでいるけど(それでも1日に数人が亡くなっている異常事態)、この、いまいち和平合意が守られてない状況が続けば、いつまた全面戦争になってもおかしくない。
◆ユーロマイダン
ウクライナ東部の戦争のきっかけにもなった、2014年2月のユーロマイダン。
当時の大統領、ヤヌコーヴィチ(親露派)がEUへの協定調印を棚上げしたことへ抗議する大規模デモだ。
首都キエフの独立広場に2万人ものデモ隊が集結し、
対する治安部隊が武器を使って応戦したため、衝突が激化。
80人以上が死亡、1100人以上が負傷するという流血沙汰となった。
この結果、大統領ヤヌコーヴィチは国外へ亡命。
野党のトゥルチノフが大統領代行を務めた。
(野党だし、ティモシェンコ(下のオレンジ革命を参照)と同志なので親欧米派かな?)
マイダンとは、ウクライナ語で広場のこと。
この大規模デモがあって以降、キエフの独立広場は「ユーロマイダン」と呼ばれている。
◆クリミア危機
ウクライナ東部の戦争にも少なからず影響を与えているクリミア危機は、
2014年、ユーロマイダンの後に起きたもの。
ユーロマイダンによる政情不安定の機会に乗じて、
ウクライナ南部、黒海に突き出しているクリミア半島が一方的に独立を宣言したり、
クリミア半島はロシア領だとロシアが主張したり。
今も解決はしていないんだけど、ロシアへの編入ということで落ち着いてるらしい。
クリミア半島と言えば、ナウシカに出てくる腐海のモデルになった、
その名も「腐海(Sivash Lake)」があるところ。
ここ行きたかったんだけど、ロシア領ということはロシアビザが必要ということ。
日本人が海外でロシアビザを申請するには、リトアニアとか行かないと難しいらしい。
ウクライナ領だと思ってたわ、、、悔しい。
てことで今回はあきらめます。
◆オレンジ革命
ユーロマイダンに関連して出てくる「オレンジ革命」。
2004年に起きた、ウクライナのオレンジ革命とは、
親露派が勝った大統領選挙がデモによって再選挙となり、親欧米派が勝利した一連の出来事。
親露派であるヤヌコーヴィチ首相が勝利した大統領選挙に対し、
親欧米派が「不正があった」と批判、ユシチェンコ候補の支持層が大規模なストやデモを行った。
そのデモの中心となった場所が首都キエフの独立広場。
ちなみにこの「オレンジ革命」という名前は、親欧米派のデモ参加者が、オレンジをシンボルカラーにしていたことに由来する。
親露派のヤヌコーヴィチ勢力はロシアからの支持を得ていたものの、
デモを行った親欧米派につくアメリカやヨーロッパからの後押しを受け、結局、再選挙。
その結果、親欧米派であるユシチェンコ氏が勝利し、大統領となった。
=親欧米派の内閣になった。
ユシチェンコは、首相にティモシェンコ(もちろん親欧米派)を任命。
美しすぎる首相として有名な、特徴的な髪型の彼女。
が、話はこれで終わらず。
その後、この首相のティモシェンコと対立したり、内部抗争が続いたために民衆が離れて支持率がた落ち。
2010年の大統領選挙では、
オレンジ革命によって大統領になりそこなったヤヌコーヴィチが勝利、大統領となった。
(ちなみに2位は親欧米派の美女、ティモシェンコ)
なんとも皮肉な結果になりました。
◆ウクライナの歴代大統領(今回の話に関わってる時期のみ)
2004:オレンジ革命
2004~ ユシチェンコ(親欧米派)
↓
2010~ ヤヌコーヴィチ(親露派)
↓
2014~ ポロシェンコ(親欧米派) ←2016年10月現在の大統領
◆参考にしたサイトたち
☆複雑すぎるウクライナ情勢が3分で分かるまとめ -Naver
3分ではわからなかった、、、
☆ミンスク和平合意から2年 -ロシアNOW
これ詳しく載っててとてもわかりやすかった!
☆東ウクライナのルガンスクやドネツク、マリウポリで戦闘激化 -Naver
☆ウクライナ情勢2014~2016 随時更新 -Naver
☆オレンジ革命 -Wikipedia
☆オレンジ革命の主役(前大統領)の政党は議席ゼロかも・・・
☆2014年ウクライナ騒乱 -Wikipedia
☆オレクサンドル・トゥルチノフ -Wikipedia
☆歴史をすっごく簡単にまとめるよ01 クリミア危機に至るまで -Naver
* * *
なんて複雑な歴史と問題を抱えてるんだ、ウクライナ。
欧米とロシアに板挟みの状態で、政治家さんはとても大変そう。
そんでデモを起こしてるのは、毎回欧米派なのね。
何が正解か、その道を見つけるのは本当に大変そう。
いや、正解なんて無いかもしれないけど、国民がみんな安心して暮らせるように、
早く落ち着ける道が見つかるといいな。
今回のことで思ったのは、
「ソビエト連邦の崩壊」てのは、本当に誰もが予想していなかった、大変なことだったんだと。
それがあったからこそクリミア半島の所有権問題があるんだし。
こんな背景を知ったうえで、ウクライナはどんな風に見えるかな。
それにしても、国際問題って本当に難しいな。
各国の思惑が絡まりすぎてて、
なんつーかもっとシンプルにできないものなの?
* * *
◆追記 10.24
現在は、停戦に向けて工程表の作成中。
戦争が終わるだけで、人の地が泣かれなくなるだけでも一歩前進だと思う。
みんな笑顔でwinwin、ていうのは難しくても、うまい落としどころがあるといいな。
☆ウクライナ問題 関係国が停戦に向け行程表作成へ -TV Asahi, 2016/10/20 23:46
ウクライナのことをいろいろ教えてもらった中で、衝撃的なことを知った。
ウクライナは今、ロシアと戦争中なのか。
戦線はウクライナの東側。
まさに今、その戦線で鉄砲バンバンやっていて、毎日のように数名が亡くなっているそうだ。
そのため、ウクライナの人々は西へと移住してる。
ヒデキさんも東側に住んでたけど、そのせいもあって出てきたらしい。
ウクライナの人たちは、日本の北方領土問題のことも知ってるそうだ。
ウクライナと同じ領土問題でしょ、と。
対ロシア、ていう仲間意識があるのかも。
それに対して、日本でウクライナとロシアが戦争中だと知ってる人はどれだけいるんだろう。
申し訳ないことに私は知らなかった。
この旅行中にチェックしてる日本語ニュースサイトでも、見たことない気がする。
この話を聞いて、ウクライナとロシアの戦争について調べてみた。
今まで全然知らなかった話だから、ネットで拾った情報を組み合わせただけの付け焼刃だけど。
何も知らないよりは、たぶんいいはず!
* * *
◆ウクライナの背景
現在のウクライナ国内は、親欧米派(西)と親露派(東)に真っ二つに分かれて対立中。
将来的なことを期待してヨーロッパ連合に加わるか、エネルギーなどを依存しているロシアとの関係を重視するか。
もともと、ウクライナ東部はソ連やロシア帝国時代の関係でロシア人が多く住んでいた。
1991年にウクライナが独立してからは、ウクライナ語やウクライナのアイデンティティを強要されてきたが、それに対して否定的だった。
一方、西側の歴史は旧ポーランド王国時代があり、ユダヤ人やハンガリー人なども含め、他民族な地域。
この、住んでる民族の違いが東西の温度差を変えるような状況を作ってる。
◆ウクライナ東部の戦争
現在戦争をしているのは、
ウクライナ軍と、親露派の承認されていない共和国らによる義勇軍。
発端は2014年2月のユーロマイダン。(詳細は下を参照)
親露派のヤヌコーヴィチ大統領が失脚(亡命)し親欧米派の政府になったことで、
ウクライナ東側の親露派は、ロシア語の使用が禁止されたらどうしよう、とか
自分たちが不利な状況になることを警戒した。
クリミア半島がロシアへ編入された後(詳細は下を参照)、
ウクライナの南東部ドネツィク州とルハンシク州(略してドンバス)は
「ドネツィク人民共和国」「ルハンシク人民共和国」と名を変え
親露派の活動家により武装蜂起、つまり下剋上的なことが起きた。
同年9月には、ベラルーシの首都ミンスクで和平合意。
停戦と捕虜の交換をして、外交的に解決しようと。
したはずが、、、
小競り合いは続き、2015年1月には全面的な武力衝突が再開。
2回目のミンスク和平合意は、1回目と違って各国の首脳が会談に出てきた。
左から、ベラルーシのルカシェンコ大統領、ロシアのプーチン大統領、ウクライナのポロシェンコ大統領、ドイツのメルケル首相、フランスのオランド大統領。(ロイター通信)
ドイツとフランスはウクライナ側の、ロシアは共和国側の履行保証人。
これが世に言う「ノルマンディー4者協議」ってやつ。
これによって2015年2月15日午前0時より停戦となったけど、まだ小競り合いはあるらしい。
これが今も続いてるのね。
現時点では「小競り合い」で済んでいるけど(それでも1日に数人が亡くなっている異常事態)、この、いまいち和平合意が守られてない状況が続けば、いつまた全面戦争になってもおかしくない。
◆ユーロマイダン
ウクライナ東部の戦争のきっかけにもなった、2014年2月のユーロマイダン。
当時の大統領、ヤヌコーヴィチ(親露派)がEUへの協定調印を棚上げしたことへ抗議する大規模デモだ。
首都キエフの独立広場に2万人ものデモ隊が集結し、
対する治安部隊が武器を使って応戦したため、衝突が激化。
80人以上が死亡、1100人以上が負傷するという流血沙汰となった。
この結果、大統領ヤヌコーヴィチは国外へ亡命。
野党のトゥルチノフが大統領代行を務めた。
(野党だし、ティモシェンコ(下のオレンジ革命を参照)と同志なので親欧米派かな?)
マイダンとは、ウクライナ語で広場のこと。
この大規模デモがあって以降、キエフの独立広場は「ユーロマイダン」と呼ばれている。
◆クリミア危機
ウクライナ東部の戦争にも少なからず影響を与えているクリミア危機は、
2014年、ユーロマイダンの後に起きたもの。
ユーロマイダンによる政情不安定の機会に乗じて、
ウクライナ南部、黒海に突き出しているクリミア半島が一方的に独立を宣言したり、
クリミア半島はロシア領だとロシアが主張したり。
今も解決はしていないんだけど、ロシアへの編入ということで落ち着いてるらしい。
クリミア半島と言えば、ナウシカに出てくる腐海のモデルになった、
その名も「腐海(Sivash Lake)」があるところ。
ここ行きたかったんだけど、ロシア領ということはロシアビザが必要ということ。
日本人が海外でロシアビザを申請するには、リトアニアとか行かないと難しいらしい。
ウクライナ領だと思ってたわ、、、悔しい。
てことで今回はあきらめます。
◆オレンジ革命
ユーロマイダンに関連して出てくる「オレンジ革命」。
2004年に起きた、ウクライナのオレンジ革命とは、
親露派が勝った大統領選挙がデモによって再選挙となり、親欧米派が勝利した一連の出来事。
親露派であるヤヌコーヴィチ首相が勝利した大統領選挙に対し、
親欧米派が「不正があった」と批判、ユシチェンコ候補の支持層が大規模なストやデモを行った。
そのデモの中心となった場所が首都キエフの独立広場。
ちなみにこの「オレンジ革命」という名前は、親欧米派のデモ参加者が、オレンジをシンボルカラーにしていたことに由来する。
親露派のヤヌコーヴィチ勢力はロシアからの支持を得ていたものの、
デモを行った親欧米派につくアメリカやヨーロッパからの後押しを受け、結局、再選挙。
その結果、親欧米派であるユシチェンコ氏が勝利し、大統領となった。
=親欧米派の内閣になった。
ユシチェンコは、首相にティモシェンコ(もちろん親欧米派)を任命。
美しすぎる首相として有名な、特徴的な髪型の彼女。
が、話はこれで終わらず。
その後、この首相のティモシェンコと対立したり、内部抗争が続いたために民衆が離れて支持率がた落ち。
2010年の大統領選挙では、
オレンジ革命によって大統領になりそこなったヤヌコーヴィチが勝利、大統領となった。
(ちなみに2位は親欧米派の美女、ティモシェンコ)
なんとも皮肉な結果になりました。
◆ウクライナの歴代大統領(今回の話に関わってる時期のみ)
2004:オレンジ革命
2004~ ユシチェンコ(親欧米派)
↓
2010~ ヤヌコーヴィチ(親露派)
↓
2014~ ポロシェンコ(親欧米派) ←2016年10月現在の大統領
◆参考にしたサイトたち
☆複雑すぎるウクライナ情勢が3分で分かるまとめ -Naver
3分ではわからなかった、、、
☆ミンスク和平合意から2年 -ロシアNOW
これ詳しく載っててとてもわかりやすかった!
☆東ウクライナのルガンスクやドネツク、マリウポリで戦闘激化 -Naver
☆ウクライナ情勢2014~2016 随時更新 -Naver
☆オレンジ革命 -Wikipedia
☆オレンジ革命の主役(前大統領)の政党は議席ゼロかも・・・
☆2014年ウクライナ騒乱 -Wikipedia
☆オレクサンドル・トゥルチノフ -Wikipedia
☆歴史をすっごく簡単にまとめるよ01 クリミア危機に至るまで -Naver
* * *
なんて複雑な歴史と問題を抱えてるんだ、ウクライナ。
欧米とロシアに板挟みの状態で、政治家さんはとても大変そう。
そんでデモを起こしてるのは、毎回欧米派なのね。
何が正解か、その道を見つけるのは本当に大変そう。
いや、正解なんて無いかもしれないけど、国民がみんな安心して暮らせるように、
早く落ち着ける道が見つかるといいな。
今回のことで思ったのは、
「ソビエト連邦の崩壊」てのは、本当に誰もが予想していなかった、大変なことだったんだと。
それがあったからこそクリミア半島の所有権問題があるんだし。
こんな背景を知ったうえで、ウクライナはどんな風に見えるかな。
それにしても、国際問題って本当に難しいな。
各国の思惑が絡まりすぎてて、
なんつーかもっとシンプルにできないものなの?
* * *
◆追記 10.24
現在は、停戦に向けて工程表の作成中。
戦争が終わるだけで、人の地が泣かれなくなるだけでも一歩前進だと思う。
みんな笑顔でwinwin、ていうのは難しくても、うまい落としどころがあるといいな。
☆ウクライナ問題 関係国が停戦に向け行程表作成へ -TV Asahi, 2016/10/20 23:46