Bună ziua ブオナシー!
(ルーマニア語の「こんにちは」。ブナ・ジーアよりブオナシーの方が近い発音な気がする)

バスを降りてから、世界遺産になっている最初の木造教会まで歩いて20分ほど。
歩き始めてすぐ、小さな木造教会を見つけた。
ここまでの道のりは、前回の記事を参考に

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なんて可愛らしい、ちっこい教会。
周りにお墓があるだけで、人気も何もない。
教会というより、墓守みたいだな。
これも木造だけど、屋根はトタン?小さいから世界遺産の木造教会群には含まれていないと思う。
名無しの教会。こういうのを見れるのが、散歩の楽しさよね。

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クルジュナポカからのバスでも見かけた、この土塊たちはなんだろう。
藁を積んだだけには見えず、中心にまっすぐ棒が刺さってる、泥の塊みたいな。
ここら一帯の村の特徴かも。

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荷台に乗ってる人や、小さなトラクターやバイクをのんびり運転している人。
ブオナ、と挨拶するとみんなブオナ、と返してくれる。手を振れば振り返してくれる。
こんな空気は久しぶりだ。
最近ようやく、ルーマニア語が出るようになってきた。(挨拶とかありがとうが、思わず出るのが英語じゃなくなってきた)
あと数日で出ちゃうのにー慣れるまで時間かかりすぎw

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民家の間の、静かな道路を歩く。
家の陰に人がいたり、声が聞こえたり、人が全くいないわけではないからちょっと安心。

細い道路に入って、民家との距離が近くなると、急にわんこでにぎやかになった。
みんな鎖に繋がれてるんだけど、「異邦人だー!」とギャンギャン吠えまくり。
すいませんねお邪魔して。危害は加えませんから。
野良がいなくてよかった。

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「シュルデシュティの木造教会」に到着。
木彫りの門に迎えられ、坂を上った先に教会がある。
第一印象は、真っくろ&とんがり具合がはんぱない。
どんだけ細く作りたかったんだってくらい、細く高い塔が作られていた。

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とんがり屋根のせいで高すぎて1枚に収まらないよ!

屋根の瓦は、もちろん木造なんだけど、けっこう細かく作られてる。
何枚の瓦が必要だったんだろう。葺くの大変そうだ。

あとで調べてみたら、この細長い塔は鐘楼で、
建物本体を小さく見せてしまうくらいの大きな屋根と合わせて、
マラムレシュの木造教会の、特徴の一つらしい。
マラムレシュの木造聖堂群 -Wikipedia

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黒いのはたぶん塗られたのではなくて、木の劣化のせいかな。
てっぺんに見える十字架は、この辺りのお墓にも見られる、装飾された十字架。

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この木造教会たちは、17~18世紀、10~14世紀ごろに建てられた聖堂の敷地に建てられた。
当時のヨーロッパ近隣国では、石や煉瓦造りが主流となりつつあったのに、
なぜそんな時代にも木造教会が作られ続けたのか。

その背景には、ハンガリーやオーストリアの統治時代に、
ルーマニア正教会の聖堂は石造り禁止、という理不尽なルールがあり、その差別への反発だそうだ。
墓地に囲まれた世界遺産、ブデシュティの木造教会。

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壁にもたくさんの十字架がかけられていて、
特に大きくナナメになっている十字架は、それにまた彫刻が施されてた。

これらの彫刻が、シンプルで浅い。
今まで見てきた教会の豪華な彫刻とは違って、まだ途中なのかな?てくらいのシンプルさ。
昔の村の人たちが、お金はかけられないけど厚い信仰心で作ったのかな。
金をかけまくったらしい、とにかく豪華に作られた今までの教会たちとは違って、
素朴で温かみのある印象を受けた。

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周囲にはお墓が並んでいる。
比較的新しいものもあったから、今もここのお墓は増えているのか。
世界遺産の教会に入るなんて、信じられないほど高そうだけど、
こんな田舎のシンプルな感じなら、そんなバカ高いお金を取ることもないのかな。
そういう文化も含めての、世界遺産なのかもしれない。

さてこの教会、中に入るには、神父さまか奥さまを探して、鍵を開けてもらう必要がある。
ネットでそれは調べてたけど、彼らの家がどこかわからない。
インフォメは閉まってて人気ないし。
全く言葉の通じない村で、周りにも全然人いないのにどうするんだ。
ちょっと心折れかけたけど、次のチャンスなんて無いんだから、がんばってみるか。
何このRPG感!

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電話があるなら手っ取り早いが、持ってない&ルーマニア語わからない私には無関係。
まずは村人を探せ。
ちょうどよく通りかかったおじさんを捕まえた。
が、やはりルーマニア語まるでわからず。

Primo!(firstの意味)と言われた通りに最初の家を覗くも、
ワンコ2匹にこれでもかと吠えられて、肝心のご主人はおらず。
くそー。(スゴスゴ)

その時、教会から鐘の音。
人がいるなら、開けてくれるかも!
急いで教会へ戻り、そこにいるおじさんたちへ聞くがダメだった。
鐘を鳴らすためだけに来たおじさんたちは、鍵は持ってないようだ。
最初のおじさんと同じく、ここからすぐだというようなことを言ってる。

これでダメならあきらめよう、と
木の門をくぐり、坂を戻って右側の家へ行ってみた。
さっき裏庭で、おばあさんが羊を放牧してたのを見かけたのだ。
レンガの壁に3つの白い十字が描かれた、ものすごくワンコの吠える家。
また吠えられた。だからごめんて。

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ビンゴー!
ここのおばあさんが、鍵の持ち主でした。
ロックロック、と言ったら理解してもらえた。
これで、教会の中に入れます!

おばあさんと共に教会へ戻ると、さっきのおじちゃんたちが鐘を鳴らし終えて帰るところで、
「やったじゃん!」といいねサインをくれた。ありがとう!

ごっつい鍵で扉が開く。
中は撮影禁止とマークがあったので、外から撮った写真のみ。
拝観料(たぶん鍵を開けた料)5レイを、教会内のお皿に置く。
お釣りは無い可能性が高いので、事前に用意しといた方がいいです。
(後でわかったことだが、拝観料を払えば写真を撮ってもいいっぽい)

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木の壁は剥がれてボロボロ。
壁画の色や線は、6割くらいしか残ってないように感じた。
描かれた天使や神様の顔がかわいい。プロの画家さんとかではないんだろうな。

手前の部屋にはベンチが並び、
下に座布団が置かれてるいた。膝をつく用かしら。

真っ黒な外観と違って、壁画や布による装飾でカラフルな内装。
木の温かみを感じられて、今まで入ったどの教会とも違う、独特の雰囲気。
がんばって入ってよかった。

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おばあさんにお礼を言って出てきました。
敷地の外でお昼。
日が陰って寒くなってきた。

お昼を食べてる時に、2組ほど車で観光客がきた。
まだおばあさんは中にいるので、特に大変な思いもせず中を見れた。
おかげで私は勇者レベルが1あがったしずいぶんいい思い出になったよ!

そのうちの一組、男性3人組は、近くの私有地に入り込んで立ちションしてました。
私有地ですよそこ、ひどいな。
マナーの悪い人はどこにでもいるもんだ。

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次は、ここから30分くらいで行けるプロピシュの木造教会。