阿波踊り
1586年(天正14年)ごろに蜂須賀家政によって徳島城が築城された際に、その祝賀行事として城下の人々に無礼講を許した際の踊りが阿波踊りの始まりとされている日本伝統の祭り。
阿波踊りは旧暦7月に行われたとされており、
当時の盆踊りは三日間、昼夜を問わずぶっ通しで踊り明かしていました。
現在の阿波踊りは、本場・徳島市では、毎年8月12日から15日までの間の4日間開催されており、前日の11日には前夜祭も行われています。
徳島で阿波おどり禁止の時代があった
なんと、江戸時代には阿波おどりが年貢の取り立てが厳しかったことから一揆につながるとの理由で踊りが禁止されていた時期もあったそうです。
阿波おどり禁止令を破り、自宅で踊った家老がお家断絶という厳しい処分がくだされたということです。
明治〜大正期には、日本文化全体がモダン化され、阿波踊りにも鳴り物にバイオリンなどの西洋楽器が取り入れられるようになりました。この当時はまだ「徳島盆踊り」と呼ばれており、「阿波おどり」という名称が定着するのは昭和に入ってから。
近世における3つの踊り伝統
こうした原型に、阿波踊りの独自性と形式を与えていったのが、近世を通じて徳島の街で盛んに踊られた3種類の踊りについて。
①基本としての「ぞめき」
②「にわか」
③「組踊り」 「町組」という社会集団が中心となる
これらの踊りが、禁止等はあったものの、 近世を通じて併存してきたことはたいへん興味深い。
男踊り
浴衣か法被(はっぴ)を着て、足袋を履いて踊る。自由に大きく踊るダイナミックな動きが特徴で、基本的には素手で踊るが、時には団扇や提灯を持って踊ることもある。
・女踊り
浴衣を着て編み笠を被り、下駄を履いて踊る。上品にしなやかな動きが特徴で、すり足で前進をしていく。
阿波踊りに欠かせない楽器「鳴り物」
阿波踊り特有の二拍子リズムを奏でるのが、鳴り物と呼ばれる楽器隊だ。お祭りでは、この鳴り物の生演奏を聴くことができることが阿波踊りの魅力のひとつとなっている。鳴り物として使用される楽器には、おもに以下のものがある。
・鉦(かね)
「チリンチリン」というよく響く高い音が特徴。演舞の踊り始めの時や、テンポアップする際の合図などを行い、演舞をリードする楽器となっている。連の中では、連長など阿波踊り熟練者が担当することが多い。
・笛(ふえ)
日本の伝統的な横笛の「篠笛」が多く用いられる。情緒を感じる旋律を奏で、澄んだ音が特徴の楽器。
・三味線(しゃみせん)
笛と同じメロディ楽器で、歯切れの良い音を奏でる。
・大太鼓(おおだいこ)
「ドンドン」と響く大きな豪快な音が特徴で、阿波踊りの躍動感やダイナミックさを演出する役割を担っている。
・締太鼓(しめだいこ)
大太鼓と比べて小ぶりな太鼓で、軽快な音を奏でる。大太鼓と揃って演奏されることが多い。
・鼓(つづみ)
お囃子のアクセントとなる音色を奏でる楽器。鼓で「合いの手」を入れることで、演奏を引き締める効果がある。
阿波踊りを語るのに外せないものがあります。それは「阿波よしこの」と呼ばれる歌です。
現在では大手有名連以外では使われないこともありますが、「阿波よしこの」といえば阿波踊りとなるほど大事なものです。
この「阿波よしこの」の歌詞には調べてみると興味深い歴史、由来が多くあります。
今回はその一部をご紹介します。
【エライヤッチャ、エライヤッチャ、ヨイヨイヨイヨイ】
まずは「エライヤッチャ、エライヤッチャ、ヨイヨイヨイヨイ」という歌詞です。
お祭りらしいこのフレーズですが、このフレーズの意味だけで三つの説があります。
まず一つ目は「大変だ」という意味です。
関西弁で言うところの「えらいこっちゃ」みたいな感じです。
活気付けや、気合いを入れる意味合いがあります。
続いて二つ目、「すごいやつだなぁ」という意味です。
転じて「がんばってるなぁ」という意味で、お互いを認め合い励ます言葉として言います。
また、一説によると江戸時代の阿波踊りは過激で反体制の祭りだったので、権力を挑発する皮肉を込めたニュアンスの意味合いでも使ったのではとも考えられています。
そして最後、三つ目は「世直し」の謳い文句「ええじゃないか」で歌われていたという説です。
ええじゃないかとは、幕末の1867年、民衆の間で突如流行り出した、「ええじゃないか、ええじゃないか」を連発しながら狂喜乱舞して町を練り歩く、奇抜な大衆行動のことです。
「一生を棒に悔いなし阿波おどり」と言う言葉がある。
阿波おどりの魅力に取り憑かれ、没頭する様子を表しています。
その1年、一生をかけたエネルギーのすべてが踊りにぶつけられるのだ。
熱い想いが込められた神の舞、徳島阿波踊りはこれからも無くしてはならない祭りだ。日本の誇りであり、素晴らしい伝統的神事である。