ラオバン(女社長)が去年連れて来たチベット犬はほぼ一歳になる。数年前中国がバブル景気で湧いていた頃チベット犬はセレブのシンボル的存在で一頭数百万円から数千万円もしていた。
だが昨今は政府の奢侈禁止政策で街中で飼うことが禁止されている。それで広州市内に住むラオバンの友人から頼まれて連れて来たそうな。連れてこられた当初は歩くことが出来なかった。恐らく生まれてから狭い檻の中で過ごした所為だろう。最近は工場の社員が面倒を見て散歩に連れて歩いているのでよちよち歩けるようになった。だが身体がデカいせいか工場で飼っている他の二匹はあまり近寄らないずいつもぽつんとしている。
風貌に可愛げがないので工場の社員も近寄らない。とくに女子従業員には人気はなく、むしろ嫌われている。本人(犬)もそれをどうも自覚しているらしく、人にも他の犬にもまだ子犬なのになれなれしくしようとしない。何だか子供時代の「おしん」みたいだな。このチベット犬は成長すると子牛ぐらいの大きさになる。いまのうちから可愛がってやらないと社員たちの禍になるんじゃないかと吾輩は心配している。まあ、その頃になれば吾輩はもうここには居ないが・・・
