中国人通訳を雇って二ヶ月が経つ。面接をしたときに、内気な印象を受け、採用を見合わせしようとしたが他に適当な人材がいないので受け入れた。
歳は四十になっているのに全くの世間知らず。通訳だけでなく、職務を与えたが、いつも金魚のフンのように人の後ろに付いてくる。トイレまで付いて来るのには閉口する。
子供のころ、実家がある練馬の石神井川の辺りは畑が広がっていた。夏、川で水遊びをして畑のトマトやキュウリをもいで食べたことがある。
畑で見つかるのはこのトロ助タイプ。何をやらせても、動作に機敏さがない。
以前、通勤に女性運転手を使っていたが、経費節約とやらで、現在トロ助が送り迎えしている。女性運転手は空いている道を選んで素早くハンドルを切っていくが、このトロ助、車線変更やカーブでトロトロ曲がるのでヒヤヒヤする。
「そこを曲がれ」と言うが、背筋を伸ばして、混んでいる道を真っ直ぐ進む。
お陰で会社に着くのが以前に比べ15分も遅くなった。
このトロ助、日本語を中国語に翻訳するときは流暢に話すが、中国語を日本語に翻訳して話すときはひどいドモリになる。
恐らく、以前勤めた日系企業であまりにトロいので何度も怒鳴られ、それがトラウマとなって日本語を話すときにドモるようになったのだろう。
かわいそうに、これからじっくりと精神科医になったつもりで矯正するのも面白いかもしれない。
