それは 私がローカル紙の取材を受け 記事として掲載された直後のことだった

「記事を見て 会いたいという人がいますよ」と新聞社から連絡があった

 

聞き覚えのある名前で 以前私がパート勤めしていたときの同僚だった

同僚と言っても 彼は大学生のアルバイトで 

おばさんばかりの職場で 可愛がられ いじられキャラだった

世話焼きおばさんトリオで 彼のアパートに押しかけ掃除をしたこともあった

どうしたのだろう

 

新聞社に承諾の返事をすると すぐに連絡がきた

「助けてください 骨折して動けないのに 頼る人がいなくて・・」

あれから数年 一人で若い男性の家に行くことに抵抗はあったが 

頼ってくれたのを無下にはできず 彼のところへ急いだ

 

足の包帯は痛々しいものの 愛嬌のある やさしい顔立ちの彼は あの頃のままだった

立っているのも危うい様子だったので 肩を貸してソファに向かうと

彼はハグするように軽く抱きつき 「このまま聞いてください」と懇願してきた

 

<大学の同級生と結婚し婿入りしたが 無精子症で子どもができないとわかった

 同居していた義母は 娘である妻に離婚を勧めるようになり 

 段々とそれが露骨になり 嫌になり離婚した

 以前 やさしくしてくれた人がいるこの街に 逃げるように帰ってきた

 失意のなかで 不注意から転落事故に遭い足を骨折してしまった> ということ

 

彼は抱きついたことを詫び 

「ごめんなさい 本当に頼る人がいなくて・・ すぐに駆けつけてくれて 

 すごくうれしかったんです できる範囲でいいので助けてください」

 

帰途の車中 不遇の彼に思いをよせ

私を母親のように 頼ってくれたんだ 手助けしてあげなきゃ  と思いつつ

若い男性にハグされてアソコを濡らしている自分が恥ずかしくなった

 

しかし・・・私はすでに彼の術中にハマっていたのである