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【北京=白石徹、新貝憲弘】日中戦争時に中国から強制連行され、日本国内で厳しい労働を強いられた中国人元労 働者と遺族らが北京市第一中級人民法院(地裁)に損害賠償などを求める訴状を提出していた事案で、地裁は十八日、訴状を受理した。日本政府は一九七二年の 「日中共同声明」によって解決済みとの立場で、中国の裁判所も七二年以降、受理したことはなかった。今回受理したことで、同様の訴訟が中国各地で起こされ るのは確実。日中関係の悪化が懸念される。

 原告側弁護士によると、元労働者と遺族ら約四十人は先月二十六日、北京の地裁に訴状を提出。一人当たり百万元(約千七百万円)の損害賠償と、謝罪広告の掲載を求めている。開廷の期日は未定。

 中国の司法機関は共産党の指導下にあり、事実上、習近平政権の判断により判決が左右される。

 訴えられたのは三菱マテリアルと日本コークス工業(旧三井鉱山)の二社。原告側は戦時中、北海道や九州の炭鉱に連行され、強制的に働かされたと主 張している。今回の原告団は札幌や福岡の裁判所にも提訴したが、日本の最高裁が二〇〇七年、「日中共同声明によって個人の請求権は認められない」と最終的 に判断。このため、原告団は中国内で訴訟を起こす準備を進めてきた。

 中国外務省の華春瑩副報道局長は先月二十六日、強制連行問題について「現在に至るまで解決されていない歴史上の問題」と表明し、「中国内の裁判所が法律によって処理する案件だ」と明言していた。

 原告側の康健弁護士は十八日、記者 会見を開き「(日中共同声明があっても)日本企業は責任を免れることはできない」と述べた。