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5月29日、北朝鮮が日本人拉致被害者について再調査を行うとの発表を行ったことで、マスコミがにわかに活気付いています。一方で、米国人の北朝鮮拉致被害者が存在する事実を知る人は数少ないと思うので、今回はその問題を取り上げます。


2004年8月14日、ユタ州プロビデンス市出身のデイビッド・スネドンは中国南西部の雲南省を旅行中、行方不明になりました。当時24歳の彼はブリガムヤング大学(BYU)に在学中でした。つまり私の後輩ということです。中国からの帰国後はBYUのロースクールに入り弁護士を目指すことが決まっており、自分の意志で失踪したとは考えられません。私は彼のご両親へのインタビューに立ち会い、詳しい話を直接聞いたので、この点は確信があります。


実は、北朝鮮の外国人拉致は8月初旬に多発していました。毎年、平壌で行われる祖国解放記念日(8月15日)の祝典で、故金正日総書記に拉致の成功を報告するためだったと考えられています。そして、スネドンが行方不明になった日はこの祝典の前日です。彼は母国語の英語に加えて、北京語、韓国語も堪能なので、工作員の教育係として最高の人材と思われたことでしょう。


この年の7月9日には、英語教師の元米兵、チャールズ・ジェンキンス氏が、妻である曽我ひとみさんと日本で合流すべく北朝鮮を出国していたので、アメリカ英語を話せる新しい人材が欲しかったとも考えられます。また7月21日には北朝鮮の人権問題に取り組むことを定めた「北朝鮮人権法」を米下院が全会一致で可決しており、これに対して北朝鮮は報復措置を示唆していました。


他にも、様々な客観的状況からスネドンが北朝鮮に拉致されたことは間違いないと私は考えています。したがってオバマ大統領がこの問題について積極的に取り組んでいないことが残念です。写真は議員会館で開かれたこの件に関するシンポジウムで、スネドンのご両親の手紙を私が読み上げる場面です。この事件についてさらに詳しい話を知りたい方は、以下のURLをご参照下さい。 安倍晋三さん(現首相)も出席しています。


議員会館における「ワシントン北朝鮮人権委員会報告書出版シンポジウム」

01 http://youtu.be/mSeZWPtiWpg  (Hiranuma、Cadelo、Matsubara、Iizuka、Yokota、Nishioka、Araki)

02 http://youtu.be/MaGlE_YXOLM   (Downs、Abe)

03 http://youtu.be/D1bpI2DttGY   (Gilbert、Melvin)

04 http://youtu.be/zpTQdjlLXRE   (Kase、Yanase)


ワシントン北朝鮮人権委員会拉致報告書