◆「つまらない贈り物ですが・・・」


日本の“あいさつ”には、英語表現できないものがいくつかあります。英語圏の文化・習慣にないものは、無理に翻訳する必要はないと思います。誤解が生じる可能性もあるからです。


日本人は手土産などをプレゼントするとき、「つまらない物ですが・・・」と、謙遜した表現を用います。これも英語に翻訳できない日本的な挨拶表現の一つだと思います。


この「つまらない物」を英語で表現するのは、大変むずかしいと思います。



* 「これは、日本からのつまらない贈り物ですが・・・」

* 【おかしな英語】
* ×× This is a worthless gift from Japan for you. 

* 【通じる英語】
* ○○ This is a small present from Japan for you. 
I hope you like it.

Worthless では、まさに「無価値の」という意味になってしまい、欧米人は、“どうして、つまらない物をプレゼントするのか”と、不審に思うからです。


また、expensive では“なぜ、高価な物をプレゼントするのか”と、かえってワイロではないだろうか、と疑われたりする可能性もあります。


そこで、この日本語の趣旨は「ささやかな贈り物」という意味ですから、small、littleなどの言葉を用いてください。また、この文章に続いて、

I hope you’ll like it.(気に入っていただけるとうれしいです)

という気持ちも添えたほうがいいでしょう。


なお、日本語には「粗品」という言葉がありますが、この言葉は相当する英単語はありません。


《重要な関連表現》

 This is a little something for you.
 (これは、ちょっとした贈り物なんですが・・・・・・・)


 I have a small present for you.
 (つまらない物ですが、どうぞ・・・・・・・)

 Please accept this present.
 (どうぞ、お受けとりください)


 Please accept this token of our appreciation.
 (どうぞ、私たちの感謝の印としてお受けとりください)