凄み・シンバ物語 最終章… | 世界を旅する求犬道人 大真面目だ‼

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世界中「ヨーロッパを中心」の犬を求めて、夢見る真のスーパードックとの出逢いと、育成に、人生の半分を注ぐ我が儘男の生きざまblog

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ドゴアルヘェンティーノ、最愛のシンバ逝く…

シンバ、可愛いかったね! 真っ白で、鼻の周り耳の中、足の裏、ピンク色、


真っ直ぐに、見つめる目は、純水無垢で、微塵の汚れもない、これからの幸せな犬生を疑う術すらも知らない純粋な瞳で見上げる、
生後65日の目は、期待と、新しいお父さんとの出会いを素直に喜んでくれるかの如く、天真爛漫に振る舞ってくれた事、今でも私は、この時のお前をはっきりと覚えています。
みるみるうちに逞しく、期待通りに成長していくお前を見ているだけで、私は、犬を飼う喜びを、初めて飼ったミッキーの時の様に、それ以上にハッピーな毎日を送る事が出来る様になった。

毎日毎日、違う表情や、新たな発見をくれるお前に、寝ても覚めてもシンバ、シンバ、
寝るのも一緒、起きるのも一緒、お腹を見せ無邪気に寝る姿、やがて、大きくなるにつれ、残酷な程の強さを求め出していく私に、シンバ、yesの返事しか持てないお前は、見事に応えてくれる子でした。

時に、ハラハラドキドキさせる事を何度もした。

深夜の代々木公園付近で、まだ、生後6ヶ月弱の時、暴走し、車に跳ねられた事もありました。


熊本へ独り残し、8ヶ月もの期間、過酷な闘い、環境下におかれても、見事にお前は、闘い続け、モンスターと呼ばれるまでに成長を遂げてくれました。

高田馬場では、いきなり触りに来た酔っぱらいを咬み、警察ざた、病院送りにした事もありました。


また、茨城で、真夜中の物盗り侵入者を確保した事もありました。


数々の非公式闘犬で、凄まじい闘いを繰り広げ、ことごとく潰していくお前の闘いに、恐怖心さえ感じた事もあります。

深い深夜の山に、獣を求め入る時にでも、お前が側にいるだけで、何も怖くなかった。

本来、頼りになる飼い主であるべきが、犬を頼りにする飼い主になりさがり、その関係は、お前が死ぬまで続きましたね、

私は、お前がいてくれてこそのドックライフだった。

人間の家族すらそっちのけで、お前が生き甲斐になっていたんだろうと、思う、

ある時、私と、家族で散歩に出掛けた時、殆ど人の歩かない暗い夜道で、お前が、私の側じゃなく、7、8㍍程遅れて歩く娘の側から離れずに寄り添う様に歩く姿を見て、なんという犬だ、こいつは、と、お前が想う人間への愛情は、私が想う愛情とは違うんだな、と、強く胸に響くものがありました。

この時に、無償の愛を、犬であるお前から、教えられた様な気がした。

考えてみれば私は、お前から、強い姿、必ず勝つ姿、そんな身勝手な見返りを求めていたんだな、と、つくづく恥じた自分がいたよ!

なのに、お前は、娘の側から離れず目を放さず寄り添い歩き、おやつすらねだる事をしない、ジェントルマンです。

私は、子供に、早く歩け!早く早く、と言う想いやりのなさ、

恥ずかしいね私は、シンバ、お前は、カッコ良すぎるんじゃないのか!

身体を、頭を、なぜられるだけで、喜ぶお前は、本当に強くカッコいい、ドゴアルヘェンティーノだよ!

自宅犬舎では、ちびっこ達の世話をする姿にも、ただただ感服したよ!


離れた所から、ちびっこ達を見つめる姿も、本当に寛い親分だったね!


幾つもの感動とドラマを与え見せてくれたお前は、享年9歳と一ヶ月で、旅立ちました。

決して長い犬生だったとは思えません。
本来の寿命を全うさせてやることが出来なかったのは、全て私の責任です。

最後は、血液が壊れた事による、糖尿等の合併症が原因です。
もがき苦しむ最後だった。
息を引き取る瞬間まで、お前の目はしっかりと私を見据える力強い目をしていた。
オヤジ、苦しい、と、哭く事もなく、命を奪っていく病に、ただただ無言で耐え、シンバ、シンバと呼ぶ私の声に、こんな苦しみもがく時さえも、喜ぶ目をして応えてくれる
手の尽くしようがない、と、病院で言われてから、二度目の来院、先生がもう逝かせてやりましょう、相当苦しい筈です。
完全に血液が壊れ、助ける術がない、逝かせて上げるのが最善です。
この時も、私は、楽にさせてやる決断が、出来なかった。
少し考えさせて下さい。そう言って外に出ました。
ふらふらになりながらも座るシンバに、涙しながら、シン、今日、お父さんとお別れするか?

お父さんは、シン、お前と別れたくないよ、まだ、さよならしたくないよ、後1日で良いから、一緒にいたいよ、

先生が出てこられ、今、シンバは、こういう状態に有ります。詳しく説明してくれました。
そんなに苦しいんですか?

はい、と、先生、

シン、もう助からないし助けようがないんだって!
どうすれば良い? 
力なく崩れるシンバ、その姿に、先生、逝かせてやって下さい。
傍らで、泣くしか出来ない私、ごめんな、ごめんな、いくら後悔しても後悔しきれません。
歩ませて来た、犬生、なんて残酷な事をと、無知な我に怒り狂い、コントロール出来ない感情、

その感情を沈めたのが、⬇️の写真シンバなんです。
逝かせる為に、打った鎮静剤、彼の心臓は、彼の命は、まだ消えなかったんです。
この明くる日、2013年12月17日、享年9歳1ヶ月と7日、でその生涯を閉じました。

2004年11月10日生まれ。

最後の最後命消えるまで、苦しみの中に有っても、私を気遣い見守り、逝く、シンバ、あっぱれでした。
本当にモンスターな子でした。

シンバ、彼は、オヤジを残して簡単には、逝けなかったのでしょう…

だから、鎮静剤注射から、丸1日も生きたのです。

獣医師が、凄い子ですね、生命力も、心臓も強いんでしょうね、私も初めての経験です。
普通は、あの注射で30分も掛からずに、心臓停止するんですけど…

先生、シンバ、十分頑張ってくれました。
ありがとうございました。


闘いを追い求め、強さばかりを求めた人間の欲が、シンバという一匹の犬の犬生を狂わせ、不幸へと、導いたのです。
これは、美化してはいけない私の過ちと、身勝手さが招いた、素晴らしい犬を、素晴らしい犬生で、全うさせる事が出来なかった人間の恥ずべき物語です。


私は、未だに忘れる事はない、星になった。「遺骨」になったお前に、毎日語りかけるのは、シンバ、お前も知っているはず、もう一度、私の元に帰って来いよ!もう一度私の子として生まれて来てくれよ!

叶う事などないかもしれない、私の元はもう一度っきりで良いよ、とお前に言われるかもしれない、
でも、今度は、今度こそは、闘いのない、穏やかで自由な暮らしを約束する、猛省してるよ、だから、オレの元に帰って来てくれ、お願いだから…


こんな身勝手なお願いを未だに彼にやっているわけです。



シンバ、私のことはもういいよ、


今いる犬達、全てを、見守ってやってくれ!
それだけはお願いしておくよ、

私が三途の川を渡る時には、
シンバ、お前が仁王立ちで尻尾を振りながら、迎えに来てくれる姿が、目に浮かぶ

またまた、勝手な妄想だな

最後に、シンバ、ありがとう…そして、本当に、ごめんな…

来世も、お前と会える事を信じて、シンバとの物語を終わります。


*後書き…

喜怒哀楽シリーズから、シンバ物語まで、全part読んで下さり、皆さんありがとうございました。

一人の馬鹿な犬好きと、犬との人生模様ですが、こんな馬鹿もいるんだなと、私は、こんな馬鹿な犬飼いにはならないぞ、そう、思っていただき、犬達の無償の愛に応えて上げてください。

一匹でも、不幸な犬が減ります様にと、心から切に願い、シンバを想いだし書きました。

ドゴアルヘェンティーノ、シンバが私に教えてくれた犬の強さ、私は、この世で、何の犬がどんな犬が強いのか、を、知る数少ない人間の一人であると思っています。


そこには、闘犬として闘う犬達の強さを追い求める人間の性があるのかもしれません。


しかし、本当の犬の強さは、いくら人間が闘犬をさせ追い求めても、答は、100%出ないでしょう…


その答えは、永遠に出る事もないでしょう…