凄み・シンバ物語 part 3 | 世界を旅する求犬道人 大真面目だ‼

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世界中「ヨーロッパを中心」の犬を求めて、夢見る真のスーパードックとの出逢いと、育成に、人生の半分を注ぐ我が儘男の生きざまblog

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ドゴアルヘェンティーノ、シンバ立ち直りへの道のり…


大失敗をしてしまった初猪とのコンタクト、安易過ぎた。

何の根拠もなく、大丈夫だろ?と、たかだか生後5ヶ月のシンバに、巨大猪を当ててしまった愚かさと軽率さ、本当にバカの極みであると、強い自責の念に襲われる毎日、

当のシンバは、巨大猪に吹っ飛ばされた事さえなかったかの如く、明るさは変わりなく、日々の運動も、他犬やネコへの反応も変わりなく、元気に過ごしてくれていました。

とにかく、今は、無理の無いように自由に走らせる事に専念するしかない…

今までにも増して、のびのびと、自由に走らせる日々を送り、必要以上に身体作りにも気を使っていた頃、自宅のロットワイラードルフとの争いが激しくなり、ついに、豚みみ、おやつを奪いにいくシンバにドルフが切れ、4ヶ月兄のドルフが勝ると思っていた私でしたが、あっという間にシンバにベランダで押さえ込まれて、あえなく白旗を上げる、

えっ、6ヶ月のドゴにこんな簡単にやられちゃう?

ウソでしょ? ロットワイラー?

本当にショックでした。なぜなら、私は、この時期には、ロットワイラー飼いとしてのキャリアと頭数は2匹や3匹ではなかったのです。また次のタイミングでロットワイラーは書きたいと思います。


そんな折、九州熊本のホワイトサンダーケンネルのNより、電話が入る、

来月の終わり、猪の練習会をやりますので来られませんか?

その電話で、一ヶ月前の巨大猪との事を話すと、あっ~それはダメでしたね!

小さいのから徐々に徐々に自信をつけさせないと、ドゴは潰れてしまいます。

うちに連れて来てしばらく置いておけばよかです。

一ヶ月後、シンバ8ヶ月の声が聞こえる頃、身体もかなり大きくなり、

ついに、熊本へ行く日がやって来ました。

心中、複雑な思いを胸に、初めての飛行機に乗るシンバを連れて、いざ熊本へ…

到着すると、ホワイトサンダーケンネルのNが迎えに来てくれています。

早速、空港から走る事、1時間半、

山深い、ホワイトサンダーケンネルに到着です。

熊本県某市の山里で、ここら一帯が猪の猟野です。との事、なんとも羨ましい環境です。

強い猪猟犬を作るには最高の環境です。

明日、午前10時から練習会やりますので、今日はゆっくりしてくださいと、付近の温泉へ案内接待してもらい、その日は、良い温泉に、美味いご飯に、贅沢を堪能、

明日楽しみですね、と、長い夜が更けていく…

おはようございます。と、N君、おはよう!

昨日はありがとう!!

いいえ、ど田舎ですけど、温泉と、美味い魚だけは有ります。

いやいや、羨ましいよ、とコーヒーを飲みながらの雑談、じゃ、山に行きましょう!

了解、はやる気持ちと、どうなるのか、の不安を抱きながら車で揺られる事30分程、

こんなに遠かったかな? と、思いながらの道中、それもこれも、シンバへの不安からくる胸中が時間を長く感じさせたのでしょう…

ようやく着くと、何人かの地元ハンターさんが来ている、

車から降りると、皆さん、気持ちよく挨拶してくれます。

おはようございます!!

シンバ、立派ですね、と、声を掛けてくれる、

既にシンバは、10頭近いドゴとドゴ雑の中に混じり並んで檻に入っていた。

シンバ、と声をかけながら近付くと、いつもの如く尻尾をふり安心した様子で反応をする

シンバ、今日頑張ってくれよ!!

それから30分後、地元のハンターさんからスタートです

久しぶりに見る、犬と猪の攻防、興奮します。

猪のサイズ、55㎏と75㎏の2頭、先ずは55㎏の小さい方からです。

4頭が終わり、少し猪が弱ったところで、シンバを投入、この時、明らかにシンバの様子がおかしい、自然の山を利用し、180メートルのフェンスで囲まれたグランドの中に入ると、シンバが明らかに、拒否反応を示す

どうしたシンバ、ほら、行こう!!

足取りが重い、シンバ大丈夫、オヤジが傍にいるから…と、声をかけながら進む、

それでもシンバ、動きを止めます。

顔が、二ヶ月前の巨大猪のアクシデント時の様に強張っています。

目も、恐怖を感じているのが分かります。

身体を抱いてやり、シンバ、大丈夫!と大きな声を出して身体をバンバン叩く、いくぶん恐怖の目から、何が起きるのか、何が出て来るのか?と、いった、心構え的な顔、目つきへと変わる、

私の名前を大きな声で呼ぶ、現地の名ハンターであるらしいMさん、シンバを囃し立てながら、先に、奧に進む、

すると、猪を咬み留めるfemale ドゴ、じわじわ動きながら犬を放そうと努力する猪との攻防の最中、そこにシンバを当ててみるが、全く動こうとせず、むしろ後ろへ下がり逃げる、

すると、Mさん、ダメだ、猪を怖がっているから無理に当てない方が良い、少し離れるように指示される

そこに、ホワイトサンダーケンネルのホシ、ケンが、最後を飾る、

すると、ベストタイミングを計っていたMさん、今だ、シンバ連れて来て!!

慌てて嫌がるシンバを連れて行く、すると、Mさん、おもむろに猪の熱い血液をシンバの口元から鼻、顔に塗り付ける、

そして、シンバを猪のケツ側から臭気させる、

すると、今までビビっていたシンバが、いきなり猪のケツを嗅ぎまくる

そして、猪の後ろ脚を揺らすMさん、様子を静観する私、

シンバが明らかに違う、あれよあれよという間に、口先でケツを咬み出した。

Mさんが、そうしている間にもシンバに猪の血液を塗り付ける、

シンバが気色張っていくのが判る

お見事! Mさん!!

Mさん、私に、次は、30㎏位の小さい猪追わせてみましょう、

今日は、これで上出来。この良いタイミングで止めておきましょう!

シンバの猟欲が、初めて出たのがこの日で有りました。

獣に折れた心から、立ち直るきっかけとなった。絶妙のタイミング、あの一瞬のタイミングを見逃さず、また、そのタイミングを作り出したMさんの経験に、脱帽をした私です。

Mさんに、ありがとうございました。

いや~驚きました。あんなタイミングで当てるんですね!

こんなど田舎じゃ、こんな事以外取り柄がありませんから。笑

やっぱり、犬は経験です。

犬の心を作る作業、段階を踏む事の重要性を改めて教えられる1日となった。

それが、シンバ、初飛行機、初九州遠征のこの時だったんですね!


これが、後に、熊本の某地域ハンターから、怪物ドーゴと言われる犬へと成長していくスタートとなることは、

この時は、まだ、知るよしもなかったのです。

続く…