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ドゴアルヘェンティーノ、世界最強獣猟犬への道のり…
血の臭い、猪という獣臭と猪という山に住む怪物と、二ヶ月前に強烈なパワーで吹っ飛ばされた、あの時のけだものと、同じ臭いがする、という事を悟ったであろう、シンバ…
どうなるか?と、危惧してましたが、4脚動物の本能をなんとか呼び起こす事に成功したというのか、持っていたものなのか、そのへんは分かりませんが、
私の見る限り、シンバの中で、確実に目覚めが起きた事は確かです。
いきなり目が変わったのが分かりました。
嬉しさと、安堵感が私を喜びに導いてくれました。
さぁ、シンバをこの先どうするか?
ホワイトサンダーケンネルのNの父も、
しばらく置いて、完璧に仕上げましょう、と、言ってくれましたが、
預けるのはいかがなものか?
でも、環境下に置く事は大切、あれこれ悩んだ末、結果
しばらく、預ける事にしました。
寂しい気持ちを堪えて、じゃ、宜しくお願いします。と、熊本を後に…
東京へ…
それから、一ヶ月に一度のペースで、熊本へ通う事になりました。
途中、何度か安否で電話を入れたり、掛かって来たり、そんなこんなで、一ヶ月後、熊本へ出発、
今回、35㎏前後の猪と50㎏前後の猪が手に入ったとの事、
楽しみです。
いつもの如く、到着の明くる日朝からの訓練です。
迷わず、小さい猪を放ち、シンバを入れます。
奧に逃げ行った猪の臭いをとり進みます。
先にグランド奧にN 父がスタンバイしています。
N父が、奧からシンバ、シンバと呼びます。
顔上げて、N父に向かい走るシンバ
すると父が指す上に猪がいる
シンバの姿を見た猪が猛スピードで上から下に走る、
姿を捉えたシンバも、触発され走り出す、徐々にスピードが上がり、
猪が方向を変えシンバを捲りに来る、迷わずがっぷり咬みに入るシンバ、
ヨッシャーええど、とN、ほらっいけ!と強い口調で叫ぶ N、
もう放しません。 がっちり、がっぷりと体制を整えながら咬みに入ります。
すると、N 父、これなら50㎏の方も大丈夫やろ!
と、小さい猪を終わらせ、50㎏の方にもシンバを入れる
一番手は、female ドゴ、凄まじいいきっぷりで咬みに入ります。
二番手投入は、シンバ、はい、いけ!
femaleに負けない、いきっぷりでシンバが咬みに入る、femaleが、前肢の上部を咬んでいる、
シンバ、顔の横から耳まで辺りを咬む、
【巨大猪にヤられた事を見事に忘れている】
それでも、動き、鳴かない猪、強かね、この猪と、N 父、さすが山の猪、
結局、シンバに潰すまでやらせます。
猪が死んだ後、シンバの目は見事にイッテます。汗
他の犬が近付くと唸り威嚇、そろそろ良いだろと、Nが、シンバの首輪を持つ、するとものすごい形相で威嚇、
私が、名前を呼んでも唸る
明らかに、私が知るシンバじゃない、
獲物に対する独占欲、まるで野生の生き物かのようなオーラを出す
この時何かが確実に変わった。
しばらく放置、30年以上ドゴアルヘェンティーノを見てきた N父、心臓が止まった猪をいつまでも咬む、血をベロベロするドゴは初めて見た、と言う…
この時私も、完全に目覚めてくれた嬉しさと、目の前で、絶命した猪を口の周りも中も、血だらけにして食べる勢いで咬んでいる姿に、正直、気持ち悪さと、不気味さを感じたものです。
これ、東京に連れて帰ったら、ロットワイラードルフ、一つ間違うと殺されるなぁ、と、不安がよぎった一瞬でもありました。
下に猪を運び、解体作業をする、
頭蓋骨見事に陥没、牙でヤられた穴が何ヵ所もある、やっぱりドゴの咬筋力は強い、と、N父、
シンバ、後一年もしたらそりゃ凄かドゴになりますよ、 と、N父、
お父さん、ありがとうございます。お父さんのお陰です。
この時の写真、和歌山県と兵庫県の某獣医さんがされていたblogに投稿し、嫌がられたのを今でも思い出します。
某先生方、その節は、すいませんでした。汗
それからまた、一ヶ月後に、
体重70㎏、80㎏、に、当てる、
今日は、シンバが切り込み隊長一番手で行ってみましょう!!
と、N父、私 大丈夫ですかね?
いや、そげん心配なかです。もう、シンバ出来上がってますけん、100㎏でも、ライオンでも向かいますよ
と、N父が笑いながら余裕の顔で話します。
なるほど、N父が言うんだからもう心配ないなぁ、と、
さぁ、入れましょう!
70㎏、罠捕りの猪を放つ、ものすごい勢いで箱檻から出て走る
これ、ヤバくない?
なんかいつもと違う (汗)
私達も中に毎回入り、避難台の上に逃げていますが、襲い掛かってくるかの様に避難台目掛けて突進してきます。
こいつ、ジャンプして上がって来そうな勢いだな!!
ヤバいな本当に…
そうこうしている間に、入り口方向から、Nの声が…
ほら、いけ!シン!!
言ってる間に、シンバの姿が…
猪を見るなり弾丸の如く飛んでいく!
ギャラリーから、おっーの声、猪とバチんと当たった!!と、見るや、
既に咬み込んでいる、猪が懸命に捲る、シンバ身体を強く振られ時に足が浮く、でも、放さない、
N、到着、この男、猪を全く怖がらない、
シン、ええぞ!ほら、どんどんいけ!と声をかけまくる、
猪に引きずられ、樹に身体を擦り付ける様に犬を樹と自らの身体をサンドイッチ状態で引き剥がしにかかる猪、
N父、あれ? シンバ斬られとりゃせんか?
よく見ると、首のややした、真ん中、喉より少し下になる位置を縦に7センチ程斬られ、ぱっくり開いている、
が、幸い、血管までには達してない様子、
しかし、N父、心配したのか、傷口が開くかもしれないから、一旦放そう、と言う。
するとN、猪の後ろ脚を捕る、手伝いのハンターの手助けもあり、シンバを何とか放す、
猪、まだまだ元気に逃げる
傷口を見ると、皮膚の上皮が見事に斬られている、
後1㎝深いと死んでいる
私、顔青ざめる
ヤバいね!
他犬三頭を投入、シンバまだやる気は十分です。
N父、今日はもう上げましょうと、言いましたが、いや、お父さん、とことんやらせてやって下さい。
分かりました。
三頭がもつれている中、シンバも再び放つ、
前肢ともをガッツリ咬む、そして、後ろに引きずる様にガツンガツンと引く、
猪、ビィービィーと哭かす、もうこうなると、猪は終わる、
三頭順番に繋ぎ、最後はシンバのみ、三頭がいなくなると、最後は、マズル上から咬む、深く完璧なグリップ、
本当に、お見事な咬みっぷりでした。
絶命まで約5分、ビィーと長い哭きと共に、脚が伸び硬直的な状態に、
*生き物の殺生は、出来る限り速やかに、その為、銃を使用するのが通例です。
しかしながら、その状況やそれが出来ない者は、違法ではない方法でやらせるしかない、出来る限り、犬 対 猪 では、タイマンが理想、人間の手は出来るだけ貸さない…
ただし、通常の猟においては別、あくまでトレーニングでは、タイマンが理想という発想です。
この様にして、心も、実践も、段階を踏ませながら、強くなっていったシンバ、
結局、8ヶ月間預ける事になりました。
最終の猪サイズは、120㎏オーバー、計13頭以上の猪と真っ向勝負、うち、頭蓋骨の陥没砕は、実に半数、
もう、地元ハンターさん達も、シンバは、エグいわ、と、山には他の犬とは入れられん、そう口々に言う、
それは私も同じです。
他犬が近づくと、威嚇するし、独占する、
これじゃ、パックでは使えない、
皆さんの言う通りです。
ですが、私の望みは、単犬で獣と闘い、動きを止める事が出来る犬、そう言う意味では、私の希望に沿ったドゴへと向かってくれている、その確かなドゴへと成長を遂げて行く予感を、
既に、私は、この時、強く感じる事が出来ました。
ただ、山の猪は、やはり怪物です。
単犬では仕留める事など無理です。
かといって銃で仕留めるのは簡単です。
しかし、この時の私は、猪を獲る事が目的ではなく、犬と闘う為の外獣という捉え方で有りました。
単純に、どれくらいのレベルまで犬が通用するのか?
【カットベスト着用条件】
ただ、それを知りたくて、ただ、それを自分の目で確認したい、
これが、シンバというドゴアルヘェンティーノに課せられた、私の身勝手極まりない行動の始まりに繋がって行くのでした。
無知なる人間の、無知なる行動が、犬を不幸にさせていく、
あのときの私は、自分が思うよりも遥かに無知でありました。
懺悔。
続く…