『運命の必然~バンコクで出会った日本人⑬~』 | 新・旅亀の世界一周冒険活劇

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旅亀の冒険・最終章。流れる雲のようにフワフワと。明日の行き先は明日決める。そんな旅をしよう。

『セブンイレブン行って来てん』




どこ行ってたの?と聞いてくるチャネラーに対して、
ヤギが口からデマカセを言った。




嘘をついたのは、
僕らがチャネラーの部屋の前で行っていた行為を彼に知られたくなかったからだ。
それに、『ああ、ジャアを追いかけに行ってた』なんて誰が言えようか。




訝しがりながらコチラを見てくるチャネラーに対し、
僕達はあたかも今、カオサン通りに帰ってきたよう装った。




『あっちの方にセブンイレブンなんてあったっけ・・・?』




なおも疑いの目を向けるチャネラー。




そんな微妙な関係を保ちつつ、僕達は席についた。




















『チャネラー、どうやった?よかった?』




そう尋ねる僕に彼は余裕の表情で




『ああ良かったよ』




そう答えた。




『なんで3時に帰ったん?1ナイトじゃなかったんや?』




その質問に対して、彼は自身の自信について、語り始めた。




『いやぁ、ほんとは1ナイトだったんだけど、
俺がさ、1回目終わった後に2回目やろうかって言ったんだ』




『そしたら彼女びびっちゃって、何回出来るの?って聞いてきたから・・・』











『4回出来るよって言ったんだよね』




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大変満足気味なチャネラー。
本人の希望により、大変美化加工を施しております。




てか・・・。




精力ありすぎだろお前!!(((( ;°Д°))))





彼はなおも続けた。





『もう彼女タジタジで、1000バーツでいいから、2回で許してっていってきたんだよ。
得しちゃった。ハハハハ・・・ハハハハハ・・・・!!!!』




そりゃそんなん聞いたら、彼女(°Д°;≡°Д°;)な顔なるわ!!
はよ逃げ出したくなるわ!!













あかん。



何故かチャネラーが得してたら、モヤっとする・・・。



彼が満足気な表情でいる事に、憤りを感じる。



ばらしたい。幸せ絶頂の彼を落としたい。



いや、ばらさないほうがいい。



いややっぱりばらしたい。



ばらしたらアカン。



ちょっとまて待て。



よおく考えて見ろよ。



この物語の主人公は誰だ?



チャネラーだろう。



だったら・・・



この物語の結末は、主人公の悲劇で幕を閉じなければいけないのだ!!











バラそう。ジャアが男だという事を。








そう思い立った僕は、
向い側に座るチャネラーにこう告げた。




『チャネラー、実は重大な事実があるねん』




『え?』




『チャネラー、お前はその事を聞く勇気があるか!?』




『ちょっと・・・まさかやめて下さいよ・・・』




そう言いながら彼は、その答えを口にした。




『オカマっていうんじゃないでしょうね!!』




『・・・・・・・』



“其の通りだ”



そう言いかけた瞬間、またもやヤギがそれを制した。




『いや、まだわからんよ。その可能性があるってだけで・・・』



ヤギが僕にそっと耳打ちした。



『チャネラーにはほんとの事言ったらアカンって。』

















だがチャネラーはヤギが慌てて訂正した事など、頭になかった。



彼は遠くを見ながら、こういった。




『今・・・人生でどん底です・・・』






一同『・・・・・・・・・・』





『うわー・・・聞かなきゃ良かった・・・今この瞬間の記憶を消し去りたい。
人生の汚点だ・・・。』




チャネラーは頭を抱えながら、深く、深く身体を倒していった。




う・・・や・・・やりすぎたかな・・・。




そう思いながら彼の反応を待っていた。




彼は突っ伏したまま、口を開いた。




『もうこれは人生の汚点です。タイの思い出って考えたら、
この事しか考えられません。』




『・・・・・・・・・・・』




『この思い出をなくす為にも・・・』













『ポセイドン(タイの高級風俗店)行きます。』




『明日のフライト時間までに、風俗行きます!!』




『今度はオカマ引きません!!!』




一同『・・・・・・・・』




彼の瞳は、死んではいなかった。




チャ・・・チャネラー・・・





懲りてないのね。
















その後。




僕達はその日以来、チャネラーに会う事はなかった。




したがって、
チャネラーが翌日、ポセイドンに行ったかどうかは定かではない。




だが僕が思うに。やはり彼は行ったのではないかと思う。




一般にポセイドンには、オカマはいないとはいわれている。




だが、それは本当の事なのか。




ひょっとすれば彼はまた、オカマを引いているかもしれない。




いや、引いていてほしい。




何故ならそれが彼にとって、必然なのだから。




続く。(もうちょっとだけね)





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