僕らの周辺一帯が闇に包まれてから数分。
僕はある事を思い出した。
“そういえばたかしのヤツ、懐中電灯持ってなかったっけ?”
僕はその事をそのままたかしに告げた。
『YES』と彼は答えた。
『どこにあるん?出してや!!』
この状況を打破できるのはお前のアイテムしかないんだと言わんばかりに、
僕は命令口調でたかしに言った。
すると彼は、こう答えた。
『宿の・・・机の上です』
『え?』
『宿の机の上においてきました』
終わった・・・。
“万事休す”とはまさにこの事を言うんだ。
普段はあまり感情を表に出さないたかしも、
この時ばかりは焦っていた。
二人の脳裏に遭難の2文字が浮かぶ。
どうする!?どうする!?どうする!?
考えろ。何か、何かある筈だ。
既にない知恵を絞っていたのだが、さらに搾り出して考えた。
そして僕は気づく。
・・・あった。
この闇に立ち向かえる方法が!!
僕は後ろを振り向き、彼の姿を確認した。
そして次の瞬間、その打開策を伝えた。
『たかし!!』
『デジカメの液晶や!!』
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―――――――――。
どのくらい経っただろうか。
もはや、今自分がいる場所の検討もつかない。
町に向かって進んでいるのか。
それとも、間違った道を選んでしまったのか。
まるでラビリンスを彷徨っているようだった。
デジカメがあって、本当によかったと思う。
なければ恐らく、一歩も動けないほど、この場所は暗い。
月明かりや星の煌きなどこの森の中には届かないのだ。
僕はたいまつ代わりのデジカメで足元を照らしながら、
時折聞こえる不気味な虫の声と、完全な闇への恐怖と戦いながら、
一歩、また一歩と進んだ。
そんな中。
そのような困難な状況であるにも関わらず、
心の奥底で僕は、こんな事を考えていた。
『あ・・・俺、今冒険してる』
そりゃあ恐怖もあった。
不安もあった。
広がる闇に絶望感を覚えた。
しかしそれとは別に。
ワクワクドキドキしている自分がいたのだ。
ちょっとだけ、悟空の気持ちが分かった気がした。
『こんな絶望的な状況なのによ、
オラ、ワクワクしてんだ』
そう今この瞬間こそ。
大冒険活劇の名に相応しい状況なんじゃないだろうか。
僕はたかしと共にひたすら細い山道を下った。
わずかの光で照らし出される道はまるで、
ダンジョンの中を冒険するかのようだった。
次々と出現する分かれ道。
どの道が正しいか正しくないかより、
自分達の勘を信じて行動した。
暫くしてたかしが足を踏み外した。
『あああ!!』
デジカメを持っていたのはたかしだったので、
悲鳴と共に瞬時に暗くなる一帯。
暗黒の中で離れ離れになってしまってはマズイと、
いやそれよりも下手をすればたかしの命に関わると思い、
無我夢中で彼の足をつかんだ。
旅亀『大丈夫か!?』
草食『大丈夫です!!』
どうやらヤツは九死に一生を得たようだ。
さらに暫くして。
ついには見覚えのある山道に出た。
『亀さん!ああ!!なんかココ、見た事あります!!』
たかしが安堵の声を漏らす。
『ほんまやな!!やった!!戻ってきたで!!』
それに答える俺。
そして次にたかしが空を見上げ、こう呟いた。
『おわ!!亀さん、見てください!!めちゃめちゃ綺麗ですよ!!』
『ほんまや。すっげぇ・・・』
世界を旅してるとこれ以上の空はあるのだが、
過酷な道中の後なのでその素晴らしさは倍増しているのだ。
見たまえ。
この満天の星空が、
今回の冒険のお宝なのだ。
『たかし、写真、写真とろう!!』
『はい!!』
山を降りる事すら忘れ、目の前の星に夢中になる二人。
『俺のデジカメだと、星、撮れへんから、たかしのん貸してな!!』
はい出た!ジャイアン戦法!!
『ここをこうして、こうセットすれば・・・』
『はい次俺のばんな!!』
『たかし、も一回!もう一回撮らせて』
『・・・・!!』
『・・・・・・・・・・・!!!』
・・・・・・・
・・・
その後。
星に満足した僕達は何事もなく、宿に戻る事が出来た。
今回の出来事で、再認識した事がある。
あの、闇に恐怖を感じていた時。
同時に感じたワクワク感。
やっぱり俺は旅にそうゆうのを求めてるのかもしれないなあ・・・と。
まだ、自分自身にも残ってたんだなと。
冒険心ってヤツが。
確かに、もう二度とあんな危険な事はしたくないけど。
またもう一度、
冒険心が擽られる冒険をしたいと思う、
今日この頃なのである。
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