・・・のですが。
エンディングは、まだ流れません。
どうやらこの物語の佳境は、これからのようです。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ミニバス見取り図
● ● ●
助手席 黒人 運転手
● ● ●
黒人 黒人 黒人
● ● ●
黒人 黒人 黒人
● ● ● ●
俺 カンダ氏 デヘヘ マエダ氏
さて。
↑どういうわけか、
最後部座席に4人乗りという状況に陥ってしまった僕達。
デヘヘ曰く、『1列4人乗りだ』とかなんとか言ってるけど、
明らかにそうなってるのは僕らの列だけ。
他の席は快適な3人乗りだっていうのに・・・。
彼の思惑は、恐らく、こうだ。
『一つの席に4人乗り』というのは嘘で、
目の前に存在する日本人女性にあれやこれやと、
横●ノック顔負けのセクハラを試みたいわけだ。
(いや、ネタ古すぎやろ)
やれやれ。
厄介な輩に引っかかったもんだ、カンダさんも。
(いや、全て僕の所為か)
フラレているにも関わらず、
その毒牙は威力を増していくんですから。
『デヘヘへへ、デヘヘヘヘ、カンダ、カンダ。
1、2、3、4、カンダ』
教えた日本語の数字を言いながら、彼女に抱きつくデヘヘ。
必死に抵抗するカンダ氏。
その横に座る僕。
眼前10cmという至近距離で繰り広げられるそれはまるで。
コントのようでした。
『ちょ、やめてよ、笑ってる場合じゃないし』
爆笑する僕の右膝を蹴るカンダ氏。
はい、そうです。
僕はなんて最低な男でしょうか。
目の前で被害にあっている女性がいるにも関わらず、
それを見て笑ってしまったのだから。
しかし、勿論笑ってばかりではいません。
コントというものは、幕引きをしなくてはなりませんからね。
『カンダさん、ドントタッチミー!!と強く言ってください。
じゃ恐らく離れられます!!』
まるでライオンに捕らえられた小鹿のようなカンダサンに対して、
僕はそう助言した。
が、今思えば、僕はもう少し彼女の英語力を考慮すべきだったのかもしれない。
そうです。
またもや仕出かしました、彼女。
カンダ氏は身を震わせ、呪文を唱えた。
プルリラリ♪(某RPG呪文の音楽)
『ドント・・・』
(1秒休止)
『・・・タッチミー!タッチミー!!』
もう一度言います。
『ドント・・・』
(1秒休止)
『・・・タッチミー!タッチミー!!』
いや、あんた場合によっちゃそれ、私に触ってと解釈されるぞ・・・。
案の定、デヘヘの猛攻は激しくなった。
『いや、ちょ、やめえ!!』
カンダ氏は渾身の力を込めて、藻掻く。
だが、藻掻けば藻掻く程糸が絡まるのと同じように、デヘヘの力は増す。
カンダ氏の体を一気に引き寄せるデヘヘ。
そしてついに奴の唇が、彼女の頬に奪った!!
その時!!
『シャラアぁアァアアッっプ!!』
右方向から、叫び声が聞こえた。
叫んだのは、マエダさんだった。
今まで静寂を保っていた彼が、見るに見かねて間に入ったのだ。
おお、なんと紳士な人でしょう。
その姿は、姫を助ける勇者のようでしたぞ。
僕とは大違いです、ほんと。
・・・その後。
マエダさんの渇で、小さく静まり返ったデヘヘ。
デヘヘの牙から逃れ、安眠するカンダ氏。
そして、全く役に立たない僕と、眠れる獅子の顔を持つマエダ氏。
そんな僕達4人を載せたミニバスは、夜の南アフリカを滑走した。
目の前には夕日が、すぐ後ろには闇夜が、あった。
それは本当にくっきりと、赤と黒に分かれた空だった。
闇夜が夕日に迫っているように見えた。
そして僕は思った。
その光景はまるで、
今日起こった出来事を描いているようだと・・・。
レソトへの帰り道・FIN
脚本 ありません。なぜならノンフィクションですので。
主演:バブーンカンダ
副主演:デヘヘ
ナイト役:スピンマエダ
道化役:TABIKAME
ナレーター:TABIKAME
レソトへの帰り道・裏に続く。
☆ランキングに参加してます☆
↓携帯電話用クリックはこちら↓
世界一周ランキング
1日1クリックお願いします。
にほんブログ村