『ガラパゴス最後の日記』 | 新・旅亀の世界一周冒険活劇

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旅亀の冒険・最終章。流れる雲のようにフワフワと。明日の行き先は明日決める。そんな旅をしよう。

足元のベンチをふと覗き込むと、警戒心ゼロで、アシカが気持ち良さそうに寝ていた。

初めてそういうシチュエーションで出くわした時は、多少驚きもしたが、今ではもう動じない。

これがガラパゴス諸島の日常だと、わかっているから。

周りにいる欧米人たちはその様子に驚きながら、また笑みを浮かべながら、写真を撮っていた。

もちろん機種は日本製。

キャ○ンはどこに行ってもあるもんだなと思った。

僕は自分のパソコンを閉じ、その『憩いの場』を後にした。

そして、今度は空を見上げた。

御天道様は、いつものようにギラギラと照っていて、その横で自由気ままに流れる雲は、
まるで海水浴を楽しんでいるアシカのようだった―――。

今日はガラパゴス諸島最後の日。

あと数時間もすれば、TAME航空の飛行機に乗り込み、朝食を抜いていた僕は、
ジュースとコーラを両方注文して、待ってましたと言わんばかりに、
出された機内食を貪るだろう。

だけどそれはまだ未来の話。

今現在はこうして果てしなくお腹を空かせながら、ガラパゴス諸島を目に焼き付けている。

ガラパゴスならではの、潮の香りが全くしない、
アシカ臭さが充満したこの海岸線沿いの道を歩くのも、今日で最後だ。

思えば3泊4日で抜けるつもりが、結局10日間も滞在してしまったガラパゴス。

誰だ?

4日間で満足出来るなんて思ってた奴。→僕です。

とにかく。

長いようで短かった、ガラパゴス諸島気ままな一人旅も、これで終わりだ。
(一人旅はまだ当分続くだろうが)

例の如く、この島々でも、色々とやり残した事はあるのだけれど(無人島含)、
それも踏まえた上で、僕は今回の旅に満足している。

ありがとう、ガラパゴス諸島。











―――散歩から帰った僕は、すぐさまバックパックを抱えて空港に向かった。

サンタクルス島とは違って、村の中心から歩いて行ける距離なので、バスやタクシーを使わなくて良い。

貧乏旅行にとっては、なんとも有難い事だ。

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村から空港へと続く道。

久しぶりにキレイに舗装された道をみた。

ここまで来れば後5分程で空港だ。

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到着するや否や、早々とチェックインを済ませ、飛行機に乗り込んだ。

いよいよ、ガラパゴス諸島とお別れだ。

スチュワーデスが客室の最終チェックを済ませ、自らの席についた。

機内アナウンスが流れる。

勿論、何を言っているのか全くわからない。

暫くして、飛行機は、僕達を乗せ出発した。

滑走路を走るスピードが、どんどん早くなっていく。

そうして、ぐわっとした感覚と共に、機体が浮く。

この感覚は、どれだけ飛行機に乗っても、慣れないもんだと思った。

見る見る内にガラパゴス諸島が小さくなっていく。

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誰かが言っていたね。

『今を、その時を楽しまないと、また来たいと思えない。だから、おもいっきり今を楽しむんだ』

僕は、楽しめたのかな。

うん。きっと楽しめたハズ。

だって、また来たいと思ってるから。

絶対来ようと思ってるから。




―――だから。

さよなら。とは言わないよ。

またね。ガラパゴス。



ガラパゴス諸島編・おしまい・





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