日本型ワークシェア、政労使合意へ 不協和音も痛み分け | 株式会社ワークシェアリングジャパン

日本型ワークシェア、政労使合意へ 不協和音も痛み分け

仕事を分け合い、雇用を維持する=ワークシェアリング


◎ワークシェアリング

従業員1人当たりの労働時間を短縮したり、賃金を減らすなどして仕事を分かち合い、雇用の維持や創出を目指す取り組み。オランダなど欧州で導入が進んでいる。不況時などに労働時間や賃金を減らす「緊急対応型」や、ライフスタイルの変化に合わせて働き方を見直す「多様就業型」などがある。

「日本型ワークシェア」=休業や残業削減、出向などで雇用維持を図る取り組みと位置付けている。

職業訓練の推進や雇用保険の失業手当をもらえない人への支援強化も盛り込む。

◆雇用調整金で支援

工場の操業停止などで従業員を休業する際の賃金を支援する雇用調整助成金を活用。残業時間を減らして、非正規を含む従業員の雇用を維持した場合、雇用調整金で一定額を支援する。

ワークシェア支援に400億~500億円を計上。
すでに一部の大手企業はワークシェアの導入に踏み切っている。
日産自動車:今月20日を一斉休業日とし、営業や経理といった事務部門を含め、全社規模の休日とした。

三菱電機:2009年度以内という期間限定で、事業所単位に限られていた有給休暇の一斉取得を職場単位でも取れるようにした。
富士通:今年1月から国内工場で労働時間を減らし雇用を維持する。国内工場の約5000人の正社員を対象に副業を容認した。これに伴う賃金減少分を補填(ほてん)するため、例外措置を設けている。

◎大手企業の就業規則には社員の副業を禁じるケースが多いものの、産業界には一時帰休などの動きが広がりつつある。労働時間の短縮化によって賃金が削減されるため、今後、生活水準を維持する配慮から副業禁止を見直す動きが相次ぐ可能性もありそうだ。

◆ワークシェアの導入に向けた政府・与党の支援策は「緊急避難的」な措置

ワークシェアの導入に対し、労組側は「実質的な賃下げだ」(連合の古賀伸明事務局長)と反発。

経営側にも過剰な雇用を抱えることで生産性低下への警戒感も根強い。そうした中、舛添要一厚労相が「避けて通れない問題だ」と労使関係者に議論を促した一方、与党も支援制度を用意したことで合意に向けた動きが加速した格好だ。


 ≪政労使合意案のポイント≫

 政府、日本経団連、連合などによる政労使合意案のポイントは次の通り。

 ▽政労使の三者が雇用安定・創出の実現に向けて、一致協力して取り組むことに合意。

 ▽労使は緊急の雇用維持に最大限の努力。「日本型ワークシェアリング」を強力に進める。

 ▽政府は労使の取り組みを援助するため、雇用調整助成金を拡充。

 ▽大企業の労使は下請け労働者の雇用の維持・確保に最大限の配慮。

 ▽就職困難者の訓練期間中の生活安定確保。

 ▽政府は財政出動、政策減税などあらゆる施策を総動員し、重点分野の雇用創出を図る。