インスタントラーメンといえばチキンラーメン。
試行錯誤の結果生まれたものだとしても、出来上がりのイメージがないと作りえない作品です。
まず湯で戻すという着想の凄さに本当に驚かされます。
鍋で湯がき続ける通常の調理法からいえば魔法にも等しいです。
ほぼ同時期に生まれたインスタントラーメンはスープが別袋のタイプばかり。
これは同ジャンルといえど、チキンラーメンのフォロワーではなく、生めんを乾燥させた乾麺の延長にあるとも言えるでしょう。。
油で麺を揚げて水分を飛ばし、保存性を高めると同時に、中華スープの要になる油脂成分を纏わせておく合理性。
日清食品の創業者である安藤 百福氏が、夫人が天ぷらを揚げているのを見て着想されたそうですが、これはニュートンがリンゴの落下で万有引力の法則を発見したことに匹敵するのではなかろうか?
ただ油の酸化のしやすさが風味を壊すウィークポイントでもあったわけです。
これがその後のフリーズドライによる乾燥方法へと枝分かれし、別袋に油脂を添付する方法が取られるようになります。
麺の風味を直接味わうメリットが近年の麺のクオリティアップを加速させたのは間違いありません。
同時により新鮮な状態の油脂が香りを強調する役目を与えられます。
正直、沸騰させ続けながら麺を湯がく方が麺の太さを生めんに近づけることができるし、特に冬などは熱々のラーメンを食べることができるわけですし。
ただ麺を戻すために必要な3分という時間が、その後の指標になったのは偶然ではないでしょう。
室温と同じ麺を入れることで熱を奪われてもまだ、湯が麺を戻すだけの温度を保っていられる時間であり、
待たされて不快を感じないでいられる時間。
チキンラーメンを鍋で湯がくと1分でできるということは、多くのインスタントラーメンももっと調理時間を短縮する方向に行ってもおかしくなかったのに、
実際に1分で食べられるインスタントラーメンは何種か生まれましたが、定着することができませんでした。
4分を要するもの(辛ラーメンetc.)なら、そのプラス1分は期待に応えるだけの価値が求められます。
チキンラーメンの麺の製造法が起点となり、董襲する者もあれば、「違う」ことを模索し独自性を打ち出す者もあり。
これはホンダのスーパーカブに似ていると思います。
ホンダが作ったビジネスバイク「スーパーカブ」に続き、ヤマハが「メイト」、スズキは「バーディー」を発表しました。
2ストロークエンジン、または同じ4ストロークエンジンであっても駆動形式がチェーンではなくドライブシャフトと違いはあるのですが、スタイルはほぼ同じ。
コピーというよりそれだけスーパーカブの完成度が高かったということ。
大塚食品のボンカレー、大塚薬品のポカリスェットも同様。
スーパーカブ、ボンカレー、ポカリ。。チキンラーメン、そしてその後のカップヌードルの独自性がフォロワーのスタンダードになってしまった実例ともいえるでしょう。
ああ、まだまだ言いたいことが止まらない!