ワーク@カフェ
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稼ぐための内部管理 (ワーク@カフェ)

2006年のライブドア・ショック後の新興市場の低迷、内部統制監査の導入による管理コストの増加などによって、ベンチャー企業等の活動が萎縮した状態が長らく続いています。2007年5月の三角合併解禁にともなう公開企業における敵対的買収防衛策の導入、スティール・パートナーズなどアクティビスト・ファンドの活動、また、そのような市場環境を回避するための企業の非公開化、さらには、サブプライムローン問題に関わる金融市場全体の混乱も起きています。証券取引法に代わって2007年9月に金融商品取引法が施行され、投資・金融業界に業務上の不透明さが広がっていることも事業活動の足かせになっているようです。


このような環境にあって、食品偽装問題など社会問題も重なって、経済の先行きに対して明るい見通しを持ち難くなっているようです。嘘をつかない、暴力をふるってはいけない、人のものを盗まないなど、当たり前のことを当たり前に行う必要がありますが、なかなか当たり前のことを行い難くなっているようです。 業界や社会全体に不正が蔓延していたり、時代遅れの古い慣行が残っている場合、中途半端な正義感はアダになり、結局、正しいものも、不正の中に取り込まれてしまう傾向は否めないようです。そんな悪循環を断ち切ろうと規制を強化すると、暗い室内から急に明るい戸外に出る時と同じで、戸惑うことになります。暗闇の中で身を守るために身に付けていた鎧を脱ぎ捨てるのもコストになりますし、新しい環境に合った衣服をまとうためにもコストがかかるということのようです。


こんな状況を打開する働き方を見出そうと設けたのが今回のワーク@カフェのテーマです。お集まり頂いたベンチャーキャピタリスト、会計士、企業経営者の皆様とお酒を交えて自由な発想でお話させて頂きました。 今回はゲストとして、公認会計士でITコーディネーターの宮直史さん、フューチャーベンチャーキャピタル投資業務部課長の牧野成将さん、ならびに、第2部のIPO講座でご講義頂いた大和証券SMBCの竹内部長にご参加頂きました。


2007年の株式公開企業数は前年から大きく減少していて、2008年も公開企業数は減ることは間違いないことだと予想されています。新興市場の低迷や内部統制監査のための負担などもあってベンチャー企業の公開意欲も影響を受けているようです。市場環境やルール変更など不透明な中で急いで上場するよりも1-2年、しばらく様子をみたいというのがベンチャー企業等の基本的な姿勢のようです。一方で、内部統制は企業経営において当たり前のことでもあるため、今までそれが十分できていなかったこと、あるいは、一部の心無い企業のために多くの堅実な企業に追加的な負担がかかったことが問題のようです。四半期開示体制の整備や有価証券報告書など開示書類の虚偽記載や不公正取引などに対する罰則が強化されたことで企業活動は萎縮気味です。しかし、良く考えてみると当たり前のことでもあるので、結局のところ大したことではないはずなのに、様子見気運が企業全体に見られるようです。四半期決算で必要なのはショートレビューまでなので、それ程負担にはならない。また、2009年3月期決算時に提出が求められる内部統制報告書も、株式市場における評価は別にして、提出できなければ提出できない(準備ができない)と報告すれば済むことであって、それほど驚くようなことではないとの指摘がありました。


本来、新興市場はベンチャー企業など経済や産業を活性化する企業を支援するために出来たはずなのに、株式公開のためのハードルが改めて高くなっていることは残念です。ジャスダックに新設された最先端・新技術事業を持つ新興企業のための市場NEOの動向には注目したいところです。また、昨年10月に、東京証券取引所(TSE)とロンドン証券取引所(LSE)は新興企業向けの新市場を創設することに合意しています。これはLSEが創設した世界最大の新興企業向けの市場AIM(Alternative Investment Market)市場をモデルとするプロの投資家向けの市場です。詳細はまだ分かりませんが、2008年度中に合弁会社が設立され、市場の運営が始まる見通しです。AIMでは、業績や企業規模など株式公開に値するかどうかを判断するための基準が設けられていません。一方で、企業(発行体)の株式がAIMで取引されるに相応しいかどうかを審査すると共に公開後に取引所の規定を遵守するように助言する指定アドバイザーとの契約が必要になります。基本的にプロの投資家が自己責任で投資をする形になるため監査などは必ずしも必要なく、パチンコ店の公開なども出てくるのではないかとのことでした。


日本にもAIMの指定アドバイザー資格を持つ法人はあるようですが、活動は限定的のようです。海のものとも山のものとも分からないベンチャー企業に対する目利きができるアドバイザーが日本にいるのか、また、上場したベンチャー企業に対して投資をするプロの投資家がいるのかなどが課題のようです。それでも、日本の経済、産業、金融市場の活性化や発展のために期待できる活動です。なお、AIMについての話題の中で、パチン店は違法であるが警察が取り締まらないだけだとの指摘が出ていました。景品と現金の交換やパチンコ台の釘の調整においてパチンコ店はグレーゾーンで事業を展開しているとのことでした。


お酒を交えてのディスカッションを終えて、内部統制の強化によるベンチャー企業等の活動の抑制は限定的で、ハードルを乗り越えれば、明るい未来が期待できる面もあるようです。一方で、日本企業に本当にグローバルで闘えるのか、日本にベンチャー企業は今後も生まれるのかという問いが生まれてきます。


次回は、「日本のベンチャー」をテーマとしてお話できると良いと思います。


★上記は、1月18日開催のワーク@カフェの第三部(ワーク@カフェ)でお酒を交えて話した主な内容まとめたものです。法令に関わるものなどは正確さを一切保証いたしませんのでご注意下さい。

IPO講座 ~2時間でつかむ株式公開のプロセスと資本政策のポイント~

1月のワーク@カフェの第2部では大和証券SMBCの大阪支店法人第三部 竹内直部長(IPOサポート担当)に「2時間でつかむ株式公開のプロセスと資本政策のポイント」というテーマでお話頂きました。前回2007年9月に開催したIPO講座では、株式公開のための実務の全体像(総論)をご解説頂きましたが、今回は株式公開のプロセスと資本政策に絞ってお話頂きました。

2007年の国内IPO市場の概況として、2007年の株式公開企業数が前年の188社から121社に大きく減っています。これは2000年直後のネットバブル崩壊の影響を受けた2003年の数値と並ぶものでした。株式公開企業数減少の背景には新興企業の不祥事とそれに対応した取引所審査や会計監査が厳格化していることがあげられます。また、新興市場自体が低迷していることが公開企業数の減少に拍車をかけています。一方でジャスダックに技術系企業向けに新市場NEOが11月に開設して3社が株式を公開したことはやや明るい話題でした。

IPO審査が厳格化した原因としては、ライブドアショック、メディア・リンクスの循環取引、その他ベンチャー企業の業績下方修正など新興企業の不祥事とカネボウの粉飾決算、西武鉄道の虚偽記載、日興コーディアル証券の決算操作など大手上場企業の不祥事が指摘できます。促成上場への批判、監査意見に対する不信感が高まり金融庁等が証券会社、監査法人、証券取引所に是正を働きかけたことから証券会社における引受審査や監査法人の監査の厳格化しています。また、証券取引所の上場制度の総合的な見直しが行われています。これらの動きにともなって金融商品取引法が施行され、公開企業などに対して内部統制監査が導入されることになっています。

株式公開の意思決定、監査法人の選定やショートレビューなどから実際の株式公開まで2年半から3年かかります。(詳細略)

監査法人の監査の厳格化によって「監査難民問題」が生まれています。会計基準等の高度化・複雑化、訴訟・行政処分リスクの高まりなどによって監査法人は大手企業や安定企業を優先し、監査報酬が上昇していることから未公開企業やベンチャー企業等では監査が受け難くなっています。ベンチャー企業等においては、監査法人がIPO準備を手伝ってくれることに期待しない方が良いと言えます。実際に内部監査体制や開示体制の整備を行うコアな人材がベンチャー企業等の内部に不可欠になっています。

日本証券業協会の規則に盛り込まれたIPO案件における引受審査項目には以下のようなものがあります。

1. 公開適格性: 事業の適法性及び社会性、会社の経営理念及び経営者の法令遵守やリスク管理等に対   する意識など
2. 企業経営の健全性と独立性: 関連当事者との取引の必然性、取引条件の妥当性、親会社等からの独   立性など
3. 事業継続体制: 企業活動における法令遵守の状況及びコンプライアンス体制の整備状況など
4. コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の状況: 会社の機関設計の妥当性など
5. 財政状態及び経営成績: 財政状態の健全性及び資金繰り状況など
6. 業績見通し: 利益計画の策定根拠の妥当性など
7. 調達する資金の使途: 調達する資金の使途の妥当性など
8. 企業内容等の適正な開示: 法定開示制度及び適時開示制度への適応力など
9. その他会員が必要と認める事項



取引所における上場審査の傾向としては、ガバナンス、ディスクロージャー体制、コンプライアンス体制が最も重視されています。最新の取引所審査動向を踏まえた上場準備が必要です。

財務報告に係わる内部統制構築の主なプロセスは、基本的計画及び方針の決定、内部統制の整備状況の把握、重要なプロセスの把握、記録・保存、把握された不備への対応・是正となります。内部統制構築のために文書化が必要な3点セットは、業務記述書(業務手続書)、業務フローチャート、リスクコントロールマトリクスです。文書化等には、多大な労力と時間が必要になると思われますが、内部統制構築プロセスは、上場準備プロセスと全く矛盾しない手続きです。

資本政策とは、株式公開後の資本構成等を念頭に置き、会社の事業計画に沿って資金調達、株式数、株主構成、役員従業員へのインセンティブ付与、上場形式基準の充足などを勘案して策定・実施する、公開前の増資や資本移動といった資本に係わる計画です。

資本政策の目的としては、会社の資金調達、株式公開のための形式基準のクリア、公開前後のオーナーの経営権確保などがあります。資本政策の手段としては、第三者割当増資、株主割当増資、新株予約権、株式分割などがあります。

未公開企業の株価算定方式には、純資産方式(簿価純資産法、時価純資産法)、収益方式(収益還元法、DCF法)、比準法(類似会社比準法、類似業種比準法)、その他の方式(配当還元法、取引事例法、併用法)などがあります。

株主構成を考える上で、株主総会における特別決議、普通決議、特別決議否決などのための持分を考慮する必要があります。

資本政策策手ににあたってのポイントとしては、株主構成の適正、役員・従業員へのインセンティブ、発行済み株式数の適正水準などを考える必要があります。

※次回は、「株式公開審査のポイント」についてご解説頂く予定です。

ベンチャーのための経営戦略

1月18日(金)に大阪の産業創造館においてワーク@カフェを開催いたしました。お酒を交えて話題のテーマについてディスカッション形式で学ぶ交流会やIPO講座などを昨年9月から大阪で開催しております。今回の第1部は私(猪熊)を講師とする「ベンチャーのための経営戦略」を開催いたしました。

お話した内容は私の創業経験、経営研究、自社の運営で学び日々実践しているものばかりです。2005年に発売した「ベンチャーマネジメント」でもご紹介している内容を多く取り上げました。

ベンチャー創造のタイプとして、家族と事業の源泉という2つの基軸で分類した事業継承型、興味発展型、また、社会育成型の起業家とそのような起業家を中心とする経営をご紹介いたしました。また、1人の経営者によって形作られるリーダー型組織と複数のリーダーによって生まれるチーム型組織についてご紹介いたしました。

ベンチャー経営に限らず全ての組織の経営に欠かせないことではありますが、事業を取り巻く競争環境分析の枠組みとしてポーターの5つの力を基に独自に開発した9つの要因による分析をご紹介いたしました。これは供給業者、既存の業他社、新規参入業者、買い手、代替品に、技術革新など4つの要因を加えたモデルです。

また、内部環境分析というか、ベンチャーの運営を分析するために活用できるポーターの価値連鎖という枠組みの応用として供給管理、オペレーション管理、マーケティング管理など5つの活動と全般管理や人事労務管理などを統合したマネジメント(狭義)の体系についてご解説いたしました。

この部分の様子は以下のサイトでご覧頂けます。



さらには、戦略策定において欠かせない差別化と効率化の関係、製品や事業ポートフォリオの管理から経営資源の管理、プロダクトライフサイクルの管理などについてお話いたしました。

最後に、持続成長のための企業価値の最大化というテーマで、どうしたら企業価値は向上するのかについてご解説いたしました。将来のキャッシュフローと中長期的なリスクという2つの要素で企業価値を考える方法をご紹介いたしました。

次回は「ベンチャーためのマーケティング」というテーマでお話したいと思います。

フューチャーベンチャーキャピタル 川分社長の講演 ~起業家としての株式公開と投資哲学~

 ワーク@カフェ第3部は京都を拠点として、設立後間もないアリーステージ企業や地方企業への投資を特徴とするフューチャーベンチャーキャピタルの川分陽二社長に「起業家としての株式公開とベンチャーキャピタリストとしての哲学」というテーマでご講演頂きました。2002年の当社設立後間もない頃、ヘラクレス市場主催の川分社長のご講演を聞かせて頂き、交流会の席でご挨拶させて頂いたことがございました。今年春に参加したイベントでお会いしてお話させて頂いたことをきっかけに、今回のご講演をお引受頂くことができました。当社自体、投資資金を持たない投資ファンドを自負しておりますので、川分社長のお話を大変興味深く聞かせて頂きました。

 川分社長は、住友銀行ご入行され都内の支店や国際部門勤務し、日本アジア投資に入社され投資部長、大阪支店長、審査部長、取締役などをご歴任され1998年にフューチャーベンチャーキャピタルを設立されました。ベンチャーキャピタリストとして10年、銀行でのご経験も入れれば20年以上の経験を持って独立されたにも関わらず、会社設立後に集まった資金は25000万円にとどまったそうです。この資金を約1年間で6社に投資されました。その後増資を行い資本金を21000万円に増やし、資本金からの投資と合わせて10億円のファンドを組成したそうです。この際に国の制度を活用して中小企業基盤整備機構(現在)から5億円の投資を受けたそうです。設立第1期は赤字となりましたが、2期目はファンドの管理報酬などから黒字化を実現することができたそうです。200110月に設立後3年で大証ヘラクレス市場(現在)に株式を公開されていますが、株式公開よりも黒字化の方がうれしかったそうです。資金繰りやファンド資金の調達にご苦労されたこと、人事上の混乱などによる経営危機を乗り越えてこられたことなどのお話が印象的でした。また、事業提携によって15億円のファンドを新たに組成して運営することを計画していたそうです。それを期待して人員を増強したものの提携の話が流れてしまい、社員に給料を支払わなければならないリスクを抱えることになったエピソードなどをご紹介頂きました。結果的に、それが事業拡大のためのきっかけになったと振り返っていらっしゃいました。

 川分社長は株式公開するために必要なこととして2点をご指摘されていらっしゃいました。一つは企業トップの管理能力です。自社の経営管理、顧客管理、そして時間の管理などものごとをコントロールする能力が必要だとおっしゃっていました。また、成長性が重要だとおっしゃっていました。成長性の高い事業や市場を選択することが重要だとのことでした。

 企業経営においては会社をつぶさないこと、そのためにも早く黒字化することが重要だと指摘されていました。また、リスクを取ることが成長のために重要であることや資金繰りの必要性などを強調していらっしゃいました。事業は計画通りにはいかないものであること、人事上の混乱など倒産の危機は必ず来るものと覚悟しておくことが大切だと話されていらっしゃいました。このようなリスクを回避するために人脈の中で最悪の時に資金を出してくれる人を持っておくことが重要だとおっしゃっていました。また、事業を絞れるだけ絞ること、関係する分野を絞ることが重要だと指摘されていました。

 56人の組織では1人の意見で組織が引っ張られてしまうため、自分を尊重してくれる人間を雇うことが創業初期の経営において重要であることや資本政策の重要性についてもお話頂きました。川分社長も創業初期の資本金に対して40%程度の持株比率しかなかったためにワラントによって出資比率の引き上げを図ったそうです。潜在株式を含めて出来れば2/3の株式を持っておきたいこと、少なくても過半数を持っておいた方が良いことなどをご指摘頂きました。初期の内紛時に川分社長と川分社長の支持者で2/3の株式を保有していたことで混乱を乗り切ることができたそうです。その他、自分がやりたいことをする大切さなどもご指摘頂きました。

 ベンチャーキャピタルとしては株式を公開するべきではないと今でも考えていらっしゃるそうです。フューチャーベンチャーキャピタルの場合は、資金需要から仕方なく株式公開したとのことでした。ベンチャーキャピタルとして株式を公開するためには、やはり、管理能力と市場の成長性が重要だとおっしゃっていました。管理能力という面では出来るだけ大手の監査法人から指導を受けることが重要であること、市場の成長性という面では市場の大きい分野を選び、差別化を行い、業種業態を選ぶことが重要であることなどについてお話頂きました。

 

 フューチャーベンチャーキャピタルは上場の際に、主幹事証券が上場時期を1年遅らせることを提案してきたため、別の証券会社に主幹事を変えたそうです。主幹事証券との付き合いでは出来るだけトップと通じていることが大切だとおっしゃっていました。証券取引所との関係においては、昔は主幹事証券と一緒に来て欲しいなどと言われたそうですが、最近ヘラクレス市場などでは早い段階から業種ごとの上場のポイントを教えてくれるので活用した方が良いとのアドバイスを頂きました。

 川分社長の投資の哲学は、金融の本質でもある「お金を必要な人にお金を融通する」ということだそうです。契約条件によってリスクとリターンを合わせることが出来るため大方の投資は可能だとのことでした。

川分社長はベンチャーキャピタル業界は今後急成長するだろうとの見通しをお持ちです。現在、日本のベンチャーキャピタルの市場規模は約1兆円ですが、欧米との経済規模などを考慮すると15倍程度の市場成長が可能ではないかとのことでした。現在、市場環境は欧米並みになっているものの、市場規模が拡大していない理由として業界の構造を指摘していらっしゃいました。ベンチャーキャピタルのトップが証券会社や銀行などから出向してきて、数年でまた去ってしまうためベンチャーキャピタルの経営に必ずしも適していないとのことでした。優秀な若手が入社してきても、トップが頻繁に変わることなどもあって、社員も直ぐにやめてしまうこともあり、本格的なベンチャーキャピタリストもあまり多くは育っていないとのことでした。

 ベンチャー投資においては企業育成に時間を割くということが重要だとのことです。また、ベンチャー投資は分散投資によってリスクを分散することができること、基本的には儲かるビジネスであることを話していらっしゃいました。

 フューチャーベンチャーキャピタルは、JAFCOやNIF-SMBCなど大手ベンチャーキャピタルと同様に年金資金を運用している少数派のベンチャーキャピタルだそうです。今後年金からの投資が増えると予想されるため市場の拡大が見込めるとのことでした。

-6年前に外資系のVCファンドが日本に参入してきましたが、多くが撤退してしまった理由は、日本的な経営や経営者の心理が理解できなかったためであると川分社長は指摘していらっしゃいました。日本では社長が個人保証していることが多く、経営者を簡単に首にできない環境があります。このため社長の権限が高いが、経営者としての能力は必ずしも高くない場合があると言えます。このような問題を理解して投資先と信頼関係を築くことが出来ればベンチャー投資が成功する可能性が高まるとのことでした。

 以上が私が書き留めたメモを基にした川分社長のお話の概要です。約1時間のご講演の後、お酒を交えての質疑応答と交流会に移行しました。ご講演の後も質問が途切れることなく活発に行われていました。川分社長からも率直なご回答を頂きました。参加者の皆様からも高いご評価を頂くなど有意義な学びと交流の機会とすることができました。



IPO講座 ~2時間でつかむ株式公開のための実務の全体像~

 ワーク@カフェの第2部のIPO講座は、2005年3月に東京で初めてご開催頂いて以降、5回のシリーズ講座化して頂き、池袋において2005年6月から2006年4月まで3回ご開催頂いた人気講座です。講師の竹内部長が引受審査部長にご就任されたため業務との関係上、一時IPO講座の開催を中断しておりましが、今年4月に竹内部長が大阪支店の法人第3部の部長にご栄転されたため大阪においてIPO講座を開催することが出来ることになりました。ワーク@カフェの大阪における開催を計画することができた主な要因の一つがIPO講座の再開でした。


 今回は5回シリーズの第1回であもあるイントロダクションを中心に2時間で株式公開のための実務の全体像についてお話頂きました。


 東証、大証の1部、2部市場などの主要市場、マザーズ、ヘラクレス、JASDAQなどの新興市場のご紹介、暦年ベースの株式公開の増減など株式公開市場の概要についてご説明頂きました。2006年は204社が上場した2000年に次ぐ188社が株式を公開していますが、今年上期では前年同期比20社減となり、通年でも前年を大きく下回る見込みとなっています。この背景には、2006年春のライブドアショックを起源とする新興市場の株価の低迷や証券会社における引受審査の厳格化などがあります。


 また、株式公開のプロセスについて、資本政策の立案・実行、内部管理体制の整備などについてお話頂きました。税制適格のストックオプション、公開前規制、株式分割、株主構成など資本政策を考える上でのポイントや組織体制や財務等情報開示体制の整備、役員や株主など特別利害関係者との取引等の整備についてご解説頂きました。


 株式公開審査のプロセスとして、証券会社における審査と証券取引所における審査をご紹介頂きました。時価総額、純資産や利益の額、少数特定者持株数や浮動株の時価総額など、各証券取引所の形式基準、ならびに、上場審査のポイントなどについてご説明頂きました。上場審査においては、企業の継続性や収益性、企業経営の健全性、企業内容等の開示の適正性、その他投資家保護の観点から必要な事項について問われることになります。


 株式公開成功のためのポイントとして、株式公開にメリットとデメリットがある中での公開目的の明確化、事業計画の重要性、主幹事証券や監査法人の役割、公開準備の積極活用などについてお話頂きました。上場準備とは上場審査の合格テクニックではないこと、公開審査は競争試験ではなく、要件さえ揃えば必ず合格するものであることなどについてをご説明頂きました。


 株式公開のプロセスやそのために必要な資本政策や内部管理体制の整備などについての知識は、必ずしも株式を公開する大企業のためのものではないと思います。これらを噛み砕いて、中小企業やこれから会社を作る起業家の方々にもある程度知っておいて頂けると良いだろうと思います。株式公開で問われることは、ビジネスや経営を適切に行うための思考や能力であり、ビジネススクールで教えられ、鍛えられるビジネス知識や経営能力と基本的には全く矛盾しないものだと思います。



IPOのためのマーケティング

 「IPOのためのマーケティング」というテーマで2時間お話させて頂きました。大和証券SMBCの竹内部長によるIPO講座、フューチャーベンチャーキャピタルの川分社長による起業家として、また、ベンチャーキャピタリストとしてのご講演に比べて、私の講座は、自作自演であるので、なかなかお勧めし難いように感じています。映画監督としての北野武氏の心境にも通じるのかも知れません。当社主催であり、私の講座が第1部になっているため私の講座が今回のイベント全体のボトルネック(制約条件)になっていることは、間違いないことでしょう。当社の知名度や信用度、そして、私の実力や評価が今回のイベントが成功するか失敗するかに強い影響を与えているようでした。第2部と第3部だけであれば、2倍の料金を頂いても決して高くはなかっただろうと思います。しかし、せっかくの機会であり、会場の有効利用、少しでも受講者の皆様にご興味・ご関心をお持ち頂き、1名でもご参加頂ければ良い(最悪、IPOのためのマーケティングはキャンセルでも良い)と思い、当日を迎えました。当日参加の方も含めて8名にご参加頂けたことを大変うれしく思います。

参加頂いた方々の多くは財務や経営全般について相当程度の知識をお持ちの方々でした。私のマーケティング論をお聞き頂き、少しでもお役に立つ視点や思考をご提供できなければ価値がないことになります。私が「IPOのためのマーケティング」と言うテーマでお話する内容の基礎になっているのは、途中空白もありますが、約10年間証券業界に所属させて頂いた際の経験、その中で投資家に直接接する営業サイドの仕事を長く担当させて頂いた中で学んだこと、また、2002年に起業する直前にベンチャー企業の審査や増資の支援を担当させて頂き、多くのベンチャー企業との直接的、間接的なお付き合いの中での学習などです。


 証券会社、証券取引所、監査法人による手続きが具体的にどうなっているかに関わらず、IPOの審査や手続きの基本にあるのは「投資家の保護」になるはずですから、「IPOするために企業はこういうマーケティングを行わなければならない」ということは私の立場でも十分言えることだと自負しています。実際、経営者の人柄も含めて、良いと思った企業の多くは株式を公開できていますし、お付き合いしたくないと思った会社の多くは株式を公開できていません。


 IPOのためのマーケティングのポイントは前回のご案内でご紹介したように「絞り込むマーケティングと絞り込まないマーケティング」をいかに実践するかということに尽きると思います。顧客層の細分化、顧客層の選択、顧客の心の中におけるイメージ作りという3つのステップと、そのような典型的なマーケティングの過程を経ずに対象顧客だけでなく、潜在顧客やその集合体である社会といかにお付き合いするのが「絞り込まないマーケティング」になります。意識的か、無意識かに関わらず、顧客の絞込みができなければ、短期的な売上や利益を上げることができません。一方で、絞り込まないマーケティングができなければ中長期的な経営が安定せず、企業成長や企業存続が困難になります。


 このようなCSR(Corporate Social Responsibility)の視点とCRM(Customer Relationship Management & Corporate Relationship Management)の視点が大切だというお話と、製品やサービスの企画・開発における顧客志向と技術志向のバランス、低価格戦略の問題点、ビジネスモデルとしてのチャネルの設計、プロモーションにおける注意点、持続成長のためのブランド構築などについてお話させて頂きました。


 これらのお話は当社のビジネス講座の基礎となっている「ベンチャーマネジメント」のマーケティングの続編と言える内容です。全体を体系的にお話させて頂いたのは今回が初めてですが、ご受講頂いた皆様には2時間休憩なしでご清聴頂きました。



ワーク@カフェを大阪にてオープンいたしました。

 昨日、自由な発想でプロフェッショナルになる!ワーク@カフェを開催いたしました。プロフェッショナルの皆様の学びや交流の機会をご提供することを目指しています。3つのIPO関連の講座からなる午後2時から夜9時までの正味6時間のビジネス・イベントに、各講座約10名の皆様にご参加頂きました。税理士、公認会計士、中小企業診断士など、プロフェッショナルの皆様に多くご参加頂きました。


 朝東京から新幹線で大阪に向かい、会場(大阪産業創造館)の最寄駅(堺筋本町)に午後1時に到着いたしました。お昼を食べていなかったため駅で定食を食べて、会場へ。2004年に初めて大阪におけるビジネス講座を開催した際に使用した会場でした。駅から歩いて直ぐ(駅のとなり)だと思い込んでいたのですが、駅から数分ですが少々歩く必要があり、PCやプロジェクター等の重装備を抱えて、お昼を食べたことをやや後悔しました。それでも、道に迷うことなく、なんとか会場にたどりつきました。


 受付の手順が記憶から抜け落ちていていました。2階のカウンターで受付場所を聞いて、会場使用のための受付場所である13階に向かうことになりました。エレベーターがなかなか来ず、来たエレベータは満員で乗れず、イベントの受付開始時間が迫る中で、再び小パニックに陥りました。それでもスムーズな受付に助けられて、昔使用したことのあるワーク@カフェの会場となる6階の会議室に到着しました。


 PCやプロジェクターの設定を数分で済ませて何とか受講者の皆様をお迎えする体制を作りました。それでも、最初の参加者におこし頂いた際には、まだ、私の講義風景をチェックするためのビデオの設定ができておらず、受付と当日の資料配布の後、数分でビデオ設定を済ませて、なんとか第1部の私の講座を開催できる用意を完了しました。


 ビジネス講座の運営を実質1人で運営して3年になりますので、大分慣れてきたつもりです。それでも、まだ不慣れな大阪における講座開催では、小パニックを起こしながら何とか第1部を予定通り午後2時から開催できる準備ができました。


 あとから遅れていらした方が2名いらっしゃいましたが、参加者の皆様をお迎えして予定の2時には「IPOのためのマーケティング」をスタートできる体制になっていました。必ずしも意図的に計算しているわけではありませんが、分単位、秒単位で活動している自分に気付きます。


 周囲のご理解やご好意にも支えられて、何とか当社のビジネス講座が運営できているのは、ビジネススクールでオペレーション管理を学んだおかげでもあると思います。「ザ・ゴール」という物語風の本を読んだこと意外は、具体的に何を勉強したか忘れていますが、オペレーション管理のコツは、事前に手順を思い描くことやプロセスを整理することに尽きると思います。決して自慢できるようなものではありませんが、オペレーション管理についても将来、ビジネス講座化していけると良いと思います。


IPOのためのマーケティング by Inokuma

 最近、当社ワイルドベアコーポレーションは「20××年に株式を公開する予定です」と友人や知人にお話ししています。2002年の創業から間もない頃は、大人が子供を見守るような温かいまなざしで見守って頂いていた
方々からも、最近はいくぶん現実的な目標として受けとめて頂いていると実感しています。

「IPOを実現するために何をしなければならないか?」

 その答えを私は知っているつもりです。昔、証券マンをしていた頃のお客様に自信を持って投資を勧められる会社を作れば良いのだと考えています。しかも、ワクワクするような会社を作れば良いのだと思います。

 私が考えるIPOのためにあるべきマーケティングとは、そのまま、当社のマーケティング戦略であり、経営戦略になっています。しかし、それではまだまだ説得力がございませんので、マーケティングの世界的権威であるフィリップ・コトラー教授のご説明を紹介したり、私自身が支援させて頂いた株式公開に成功した企業3社と多くの失敗した企業(多くは支援できず)の事例に基づいてIPOのためのマーケティングの知識やノウハウをまとめています。知人が経営に参画する企業が次々と株式公開を実現している中で、少しずつ私の考えは確信に変わっているように思います。

 IPOのためのマーケティングのポイントを一言で表現すれば「絞り込むマーケティングと絞り込まないマーケティングをいかに実現するか」ということになります。

 絞り込むマーケティングとは、セグメンテーション(顧客層の細分化)、ターゲティング(顧客層の選択)、ポジショニング(顧客の心の中のイメージ作り)の3つのステップで表現される典型的なマーケティング・
プロセス(STP)です。これは、適切な顧客層に対して、適切な製品やサービスを適切な方法で提供するということです。

 絞り込まないマーケティングとは、全ての顕在的な顧客と潜在的な顧客(社会)を対象とするものです。非効率だと思われるかも知れませんが、プロダクト・ライフサイクル、あるいは、事業の導入、成長、成熟、衰退の周期を管理するためにも不可欠です。PRやIRも、絞り込まないマーケティング(コミュニケーション)の一つです。企業の社会的責任(CSR)を果たすことは、絞り込まないマーケティングの実践にほかなりません。顧客との関係の管理(CRM)も重要ですが、株主、社員、取引先など全てのステークホルダーとの関係をマネジメントする「企業としての関係の管理」(CRM: Corporate Relationship Management)も重要です。

 こんなお話を9月14日(金)に大阪にてさせて頂きたいと思います。


■ワーク@カフェ 9月14日(金)に大阪にてオープン! 【詳細



ワーク@カフェ 9月14日(金) 大阪にてオープン!

 仕事をオフィスでしなければいけないのは会社の決まりかも知れませんが、必ずしも、そうしなければならないというものではないはずです。お客様である、一般消費者、あるいは、ビジネスパーソンが集まる場所で、学び、考え、プレゼンテーションをまとめる。そんな働き方があっても良いのではないでしょうか?

 ワーク@カフェは、プロフェッショナルが自由な発想で、楽しく、仕事の効率を高めるお手伝いをすることを目的として、定期的にオープンいたします。プロフェッショナルとして必要な知識を学び、充実したビジネスライフをおくるための力を養い、仕事の成功に直結する人脈を築くことができる場を設けることができれば幸いです。

 9月14日(金)オープンのワーク@カフェーのテーマは「IPO~終わりのない成長のための株式公開~」です。大和証券SMBCの竹内部長のIPO講座において「2時間でつかむ株式公開のための実務の全体像」についてご解説頂きます。また、京都を拠点に地方企業やアーリーステージ企業への投資を特徴とするフューチャーベンチャーキャピタルの川分社長にご自身の会社の株式公開のご経験と18年のご実績に基づくベンチャーキャピタリストとしての投資哲学や投資のポイントについてお話頂きます。また、参加者の皆様による交流会も開催します。その他、株式公開のために必要なマーケティングの視点についてもご紹介します。

 投資やIPO支援をおこなうプロフェッショナル、株式公開を目指す成長企業で働くビジネスパーソン、IPOの実務にご関心をお持ちの方々など、多くの皆様のご参加をお待ちしています

■ワーク@カフェは、9月14日(金)に大阪にてオープンいたします。 【詳細