大学生の「彼」はある日、夢で幼い少年の 意識に乗り移る。断片的に訪れる光景は、少年が何不自由のない生活を送っていることを表していた。真新しい住居と自分の部屋。優しくて美人な母親。学校でつるむ悪友。そして、幼いころに母と離婚して自分の元を去って行ったはずの父。少年の正体は、父が再婚した相手の間で出来た子供だった。
夢の光景が現実であることに気付いた「彼」は、自身が幼い頃の記憶にはなかった優しい父の姿を垣間見て次第に苦悩していく。一方で夢のスパンは少しずつ増えていく。このままでは自分は完全に少年を乗っ取ってしまうのではないか。また元々の自分は眠ったままになるのではないか。そんな恐れを抱いた「彼」は少年とコンタクトを取ることにするが…