総花(そうばな:すべての関係者に利益を分け与えること)
読売の社説から です。
政権公約は、厳しい時代を乗り切る戦略でなければならない。総花的な言葉で飾るようでは、有権者からその甘さを見透かされる。
全ての関係者に恩恵が及ぶのなら何も問題ないはずですが、否定的な意味に使われています。メリハリがない、八方時人的な、といった意味合いが込められているのでしょう。
他の使用例を見てみましょう。
素案に書いてあることはすべてもっともなことばかりだが、その総花的方法論がうまく行かないという現実認識から議論をはじめるべき だそうです。全員を満足させるだけで、深みや具体性に欠けるという意味合いです。
しかし、そうした総花的な提言のなかに、ひとつふたつの重要な提言が隠されていることがある。総花的な提言に眩惑されて、その隠し玉を見逃すことのないようにしたい とのことです。いろいろなメンバーが、それぞれの利害を反映した文言を挿入すると、総花的になるということです。やはり、全員を満足させようとして結果として失敗していることを表現しています。
多角化企業では、総合力を発揮するというよりも、単に「総花的」になっているだけの企業が多い 、とのことです。均等・平等を追求した結果、個々にとっては却って悪いものになっている状態です。
ということで、関係者全員に利益を与えることよりも、誰一人満足できない、という意味が中心になっています。 対象を物にすると、関連項目を均一に扱うことで、どれもまともに扱えていない、という意味になります。
例文としては、こんな感じになります。
- 総花的議論は不要ですので、具体的な対策を述べてください。
- 当社の戦略は総花式であり、このままではヒット商品を望むことなど不可能だ。