著者初の歴史小説、とあったが、これは歴史小説なのかしらん?

とまれ。

 

以前仕事の関係で、がんくつ王・吉田翁(本作のモデル)について調べたことがある。

再審判決における小林裁判長の「翁と呼ぼう」の部分が再現されていて、胸が熱くなった。

 

横山秀夫 真実を求めてやまない群像劇に胸が熱くなる。フェイクの時代に突き進まんとする今こそ読みたい物語だ。

門井慶喜 こんな話でハラハラしていいのか。罪悪感を抱きつつ読むのをやめられなかった。

乙一 人生とは。人間とは。やるせなさに打ちのめされ、希望に涙した。

月村了衛 この精神を見よ――新たなる〈時代読物〉の誕生である。

薬丸 岳 時代の激動と理不尽な司法に翻弄されながらも、信念を貫き続ける人々の姿に激しく心が揺さぶられる。

芦沢 央 苛烈な光に引き寄せられるようにして次々にページをめくらされる。けれど読み終えたとき最も胸に残ったのは、光のそばで濃くなる闇へと注がれる柔らかなまなざしだった。

今村昌弘 要注意。読んだら最後、「無理」「できない」なんて言えなくなる。

大石 大 岩田の無罪への執念、傑作を生む著者の執念に圧倒されました。

岡崎琢磨 法の正義について問い続けてきた著者の最高到達点。

 

気高き精神が、巌窟に一条の光をもたらした。 死刑判決から50年――過酷な獄中生活を生き抜き、正しい判決を求めて闘った男の壮絶な一生。 昭和史に埋もれた冤罪事件が、令和の日本に正義を鋭く問いかける。

1913年、硝子職人の岩田は、身に覚えのない強盗殺人の罪で突然逮捕された。待っていたのは21年以上に亘る獄中生活。出所後も殺人犯の汚名がつきまとうが、岩田は最後まで希望を捨てなかった――。警察の拷問、不正な裁判。国家によって人生を破壊された男が、たった一人で反旗を翻す。日本司法史上、前代未聞の再審無罪を勝ち取った不屈の魂、その闘いのすべて。

 

作中実に魅力的な人物として印象に残ったのが、結城晴臣検察官(モデルは安倍治夫氏)。

ほかにもいろいろ。

事実としての背景に、緻密な取材に基づくであろう緻密さ。

そのうえに築かれる、物語としての迫力。

 

読んでほしいと思う。

 

 

付記。

本書最後のページに書かれている加藤新一氏は、第六次再審請求にて無罪確定。事件から62年後のことである。

付記2。

日本記者クラブサイトに掲載された取材ノートも参照されたい。

短編集。

「飲鴆止渇」が読みたくて。

あと、タイトルがなんだかとてもいいよね。

 

天から地上へ墜ちてきた“彼”は、麒麟(きりん)の姿を得て漢の皇帝・武帝の相談相手となる──「麒麟の一生」。民主化運動が頂点に達したその国の広場の大集会を、猛毒を持つ伝説の巨鳥が襲った──「飲鴆止渇(いんちんしかつ)」(創元SF短編賞優秀賞受賞作)。耳なし芳一の舞台となった神社の駐車場に放置された自動運転車が体験する不思議な日々──「ほいち」など、伝説の生物に材をとり、遠い神話の時代から遙か未来の宇宙まで、期待の実力派が自在に物語るSF幻想、全六編。

 

【目次】 麒麟(きりん)の一生/飲鴆止渇(いんちんしかつ)/ほいち/デュ先生なら右心房にいる/海闊天空(かいかつてんくう)/では人類、ごきげんよう

 

どの作品もものすごい迫力があって、とても短編とは思えない。

それぞれが長編の重みを持っている、という印象。だって、一日一作品しか読めなかったもの。

 

残念なのが、タイトル作品で。

いや、残念なのは、私のあたまなんだが。

最後がうまく咀嚼できなくて……。でも! 「弊機」というワードには爆笑してしまった。

 

「海闊天空」がすごい。

すごい作品だということはわかるけれども、私の語彙では表現できないや。

とにかく。

言葉を失うすごい短編集だった。

 

 

 

 

連作短編集。

 

なんだか長岡作品を読んでいるかのような錯覚に陥った。

短編集として、出来がいい(上から目線で失礼)ということなんだろうと思う。

 

第173回直木賞候補作

ミステリ・ランキング常連の注目作家による、新境地連作ミステリ。地獄は始まる。あなたの隣の小さな悪意から……。

 

ストーカー化した元パートナー、マタハラと痴漢冤罪、技能実習制度と人種差別、SNSでの誹謗中傷・脅し……。
リタイアした元刑事の平穏な日常に降りかかる事件の数々。
身近な人間の悪意が白日の下に晒された時、捜査権限を失った男・平良正太郎は、事件の向こうに何を見るのか?

 

人間って嘘をつく動物だなと思う。

そこに自分でも意識しない悪意が含まれるというのになんともいえない気持ち悪さを覚える。

自分も含め、人間の身勝手さというものはきっとなくならない。

 

吉羅探偵事務所編の続編も読みたいかな。

平良よりも吉羅のキャラが面白い、と思った。

 

いまさら、と言われるかもしれないが、10年経ってやっと読んでみようかなと思えたのだ。

奥付には平成28(2016)年12月31日発行とある。

SMAP解散の日。

 

ちなみに、あのスキャンダルには一つも触れられていない。

知っていたはずだと思うがね。少なくとも噂レベルでなら。

 

2015年1月、ジャニーズ事務所の“女帝”と言われるメリー喜多川副社長は、「週刊文春」の記者の面前でSMAPの敏腕マネジャー・飯島三智氏を呼びつけた。「派閥を作って対立するなら、SMAPを連れていっても出て行ってもらう――メリー副社長の激しい叱責に、飯島氏は独立を決意した。もちろんSMAPのメンバー5人を連れて……。1年後に日本を揺るがすことになるSMAP解散騒動は、まさにこの瞬間に始まった! 「週刊文春」に掲載された記事を再構成し、さらに大幅に加筆した「SMAP解散」本の決定版!

 

SMAPというグループがなかったかのような振る舞いの日本のエンタメ界。

彼らはたしかにいたのだ。

 

アンドロイドと愛がテーマなら、これは読まずにはいられない。

アンドロイドの物語、大好き。

BLではあるんだけども、SFとして読んでもらいたい作品。

 

アオイと弥凪(やなぎ)は仲睦まじい恋人同士。
ある日、弥凪そっくりのアンドロイド“ヤナギ”が届く。
アンドロイドなんて悪趣味だというアオイ。
しかし弥凪は、病気療養で遠くへ行く自分の代わりに、アンドロイドを置いていきたいと言うのだ。
「抱き心地を確かめてみる?」と誘うが、アオイは乗り気ではない。
やがて目覚めた“ヤナギ”は、アオイにそっと口付け――。
西暦2055年。アンドロイドと人類が共生する切なく愛おしい世界で、弥凪が選んだ“永遠の愛”の形とは。

そして、時は流れ2072年――。
アンドロイドは更なる進化を遂げ、AIが人間を管理する世界が訪れていた。

「2055年」「2072年」「2075年」
愛する人の“幸せ”のため、彼らは進化を続ける。
圧倒的スケールで描く、心震えるSFラブロマンス。

 

想像よりも壮大な物語だった。

最後に描かれる人の思いの強さに驚愕とともに未来への可能性(それがよいのかわるいのか、わからない)が強く伝わってきた。

 

『DOPE 麻薬取締部特捜課』のあいまにはさまる物語。

メンバーそれぞれの事件が最終的にひとつに収束していく。構成が面白い。

 

上記作品の続編なのかなぁと思っていたので、ちょっと肩透かしではあったものの、面白く読んだ。

犯罪者になる者とならない者の差はどこにあるのか――。ドラマ化の話題作!
『私がこの男を、呪い殺して見せましょう』
幽陀恒星と名乗る人物の予言動画通りに麻薬犯罪者が次々殺される事件が発生。
才木と陣内は捜査に乗り出すなかで、麻薬犯罪者による被害に遭った一人の男性にたどり着く。
だが「ヴェノム」と謎の言葉を残し、男は死亡。
そしてそれは、全ての幕開けに過ぎなかった――。
さらに柴原、綿貫が追う事件にも【幽陀の予言】が繋がっていき……!? 

特捜課それぞれの活躍を描いたアナザーストーリー!

 

ジウがやっぱり謎。

犬扱いでくさる柴原がかわいい。

 

本編もドラマも記憶がうすく、でもちゃんと覚えていないのはラストあたりだけなので、これを読む分には問題なし。

(本編とドラマのラストってかなり違ってたよね? というかドラマ最終回はあまりに突飛な以下自粛……)

 

 

続編読みたいなぁ。

せっかくいろいろな能力が設定されているのだし、二作だけなんてもったいない。

 

 

『切断島の殺戮理論』続編。

「殺戮理論」シリーズになるんだろうか。

 

前作の細かいところをすっかり忘れ果てていて、ちょっともったいなかった。

覚えてたら、細部をもっと楽しめたんじゃないかと思うんだけど、どうだろ?(それすら判断できない)

でも、もし前作を未読の方がいらっしゃるなら、ぜひ『切断縞』から読んでいただきたいな。

シリーズであるからこその面白さが絶対にあるはず。

 

帝旺大学人文学部文化人類学科の若き准教授・岩井戸泰巳率いる岩井戸研が赴いたのは、噂として存在が囁かれる地図にない村──網花村。
文科省が隠匿するその村では、双頭の鯢(はんざき)──巨大な大山椒魚の神に生贄を捧げる〈花匣の儀〉を執り行っていた。
捧げた生贄の消失を受け入れている彼らの閉鎖世界で発生する人々の大量消失……これは人間の策謀か、人智を超えた神の仕業か?
尋常の推理は体を成さず、異形の真実が剥き出しにされる──!

 

本格でありトンデモでもある。

ちょっとこれは読んでいただかないとなんとも書きようがないというか。

うん。

やはり前作で世界観を体になじませておいてから本作を読むのをおすすめする。

 

「映画『国宝』の主人公さながら!」にひっかかって手に取ったんだけど。

思った方向の作品じゃなかったな。

 

映画『国宝』の主人公さながら!
稀代の女方役者の半生記。

中学卒業後、一般家庭から歌舞伎の世界へ。
血の壁を越えて、主役の女方として歌舞伎座の舞台に立ち、その後、新派へ転身。
市川春猿として、河合雪之丞として、己の芸を磨き続けた女方役者の静かなる想い。

歌舞伎に取りつかれた少年のもうひとつの『国宝』ストーリー

サブタイトルは「今世では花嫁が男だったけど全然気にしない」

 

将来有望な青年騎士・ケリーは王命を受け、闇神が治める地底界との交流を復活させるため、王都の東北にある闇神の祠へと向かう。長きにわたる断絶。不可能と思われた任務だったが、地底界への扉は開き、ケリーは誘い込まれるように中へと進む。己の宿命が待ち受けているとも思わずに……。八年後、地底界での『ある出来事』から、領地に戻っていたケリーの前に、謎の美青年・ラドネイドが現れる。この世のものとは思えない美貌の持ち主で、王の相談役だという彼は、ケリーに対し惜しみない好意を示す。戸惑いながら交流を深めるケリーだったが、やがて周囲で不審な出来事が起こるようになり――。神の愛は惜しみなく与えられ、奪う。みやしろちうこ完全新作! 堂々刊行!

 

『緑土なす』もまあまあ苦手だったのだけど、あれは双方向性があったからまだしも。

そして灰色たちもキュートだったし。

 

しかしこれはなんというか……神とは畏怖するものであることだけはよくわかる。

 

途中しんどくてしんどくて。

でも、きちんと読まないと、物語が自分の中で完成しない。

しかし、またどえらいことになってたんだね。<謝憐

三郎、ほんとに一途だなぁ。鬼火ちゃん……。

そして、 若邪(ルオイエ)にまであんな物語があったとは。

そして君吾とは……。

 

一途な想いは、溢れて重なる。

奇妙な出来事が連続する銅炉山。目にするもの、耳にするものにおぞましい記憶を呼び起こされ、謝憐(シエ・リェン)の胸に動揺が広がっていく。花城(ホワチョン)はそんな謝憐(シエ・リェン)に寄り添い、はぐれないよう互いの指に赤い糸を結びつける。その決して切れることない糸が、二人の心も繋いでいた。 やがて山頂を目指す途中で雪崩に巻き込まれ、謝憐(シエ・リェン)は無数の神像が祀られた広大な石窟で目を覚ます。すぐに花城(ホワチョン)と合流するものの、どこか彼の様子がおかしい。花城(ホワチョン)が頑なに見せようとしない、顔を隠された神像や壁画が教えてくれたのは、彼の正体と八百年続く謝憐(シエ・リェン)への思慕で――。

 

ラストまで一気読み。

嗚呼引玉。

 

のこすところあと一巻ということらしいが、いつ読めるんだろう。

楽しみ、という言葉はちがう。けどはやく読みたい。

前作でも読んで凌いでるか。

 

 

ところで。

口令の文言、気になるね。明かされるかな?