メフィスト賞作品というのは、いつだって興味をそそるもの。

これもご多分に漏れず、だったんだが、なぜかいままで手に取っておらず。

 

二度と戻らない青春時代。教室に響く声は生の証。
夏休みが終わる直前、山田が死んだ。飲酒運転の車に轢かれたらしい。山田は勉強が出来て、面白くて、誰にでも優しい、二年E組の人気者だった。二学期初日の教室。悲しみに沈むクラスを元気づけようと担任の花浦が席替えを提案したタイミングで教室のスピーカーから山田の声が聞こえてきた──。教室は騒然となった。山田の魂はどうやらスピーカーに憑依してしまったらしい。〈俺、二年E組が大好きなんで〉。声だけになった山田と、二Eの仲間たちの不思議な日々がはじまった──。

 

【第65回メフィスト賞】
【本の雑誌が選ぶ2024年度上半期ベスト10第1位】
【第11回山中賞受賞】
【未来屋小説大賞第2位】
【王様のブランチBOOK大賞2024受賞】

 

いろいろな賞があるんだね。それはともかく。

 

 

馬鹿馬鹿しい面白さ(高校生男子ってたいがいおばかなんだろうね)と、心臓が縮まるような切なさが、正味キツイ。

もし山田の立場だったら、と思うと、ほんと苦しい。

和久津もきちんと救われただろうか。

 

ラストに明かされる真実、私も和久津と同時に気づいたよ。

読後、「アフター・ユー」の意味を調べてみた。

(知ってたはずなんだけど、いまひとつ記憶が定かではないという情けなさよ……)

うん。なるほど。

よりいっそう、哀しみが広がるな、と書くとネタばらしになるだろうか。ごめんね。

 

タクシー運転手の青吾が仕事を終えて家に帰ると、帰宅しているはずの恋人・多実がいない。
翌日以降も戻る気配がなく焦りを募らせる青吾のもとに、
<多実が見知らぬ男性と五島列島の遠鹿島で海難事故に遭い、行方不明になった>

というしらせが届く。
謎の多い事故の真実を求めて、男の妻だという沙都子と遠鹿島へ向かう青吾。
多実の人生のかけらを拾い集める旅は、青吾自身の過去をも照らしながら、
思いも寄らぬ場所へとふたりを導く――。

 

導入部をなぜか知っている気がしてならない。

雑誌で読みかけて、単行本になるのを待ってたんだろうか。

こちらも記憶が定かではない。が、たぶん、そうだろうな。

 

「不在」と「喪失」の物語を著者は書きたかったのだという。

いないこと、と、失われること、か。

 

ファンタジックな展開に一瞬どうしようと思ったんだが、あれで、喪失感がいや増す。

弔いの旅は、心に痛いが、彼らには必要なものだったのだろうな。

うーん、うまく書けないや。

シリーズ六作目。

完結!

 

高良が澪の前から姿を消して二年──。
命の期限が迫っている澪は、自らにかけられた呪いを解き、高良とともに生きる道を探すため、多気女王が亡くなった地に狙いを定め、熊野に向かう。
死者の魂がこもる地で久しぶりに逢った高良は、「冬至になったら、帰る」と言い残し、再びどこかへと去っていった。
京都に帰った澪だが、高良の言っていた言葉が忘れられず、冬至の日に、熊野を再訪する。
彼らは巡り逢うことができるのか。そして前世からの宿縁で結ばれている二人を待ち受けている運命とは。

人気の呪術幻想譚シリーズ完結編。

 

なんとなくあっさり終わってしまったような印象。

どろどろしてほしいわけじゃないけれど、案外すんなり……だったような?

 

でも、ほわほわとしあわせな気分で読後感はいい。<番外編効果!

番外編のようなスピンオフをもっと読みたいな。

そう思うのは、きっとそれだけたちの存在感が大きいということ。

つまり、彼ら一人一人についてもっと知りたいということだ。

そのうしろで、高良や澪のその後がわかるともっといい。なんて、ね。

 

いつの間に出てたんだ?

伊吹作品は読み落とさないようにしていたんだけどな。

去年の1月かぁ。むちゃくちゃ忙しかったんだな、あのころ(遠目)。

 

 

さて、本作。

史実に即しつつ、からみ合うフィクション。

裏側が描かれることで、当時の熱量(あるいは熱量のない部分)と実際の2.26事件までがリアルに迫ってくる。

実際の歴史を背景にした作品って、だから面白い。もちろん、料理が上手である必要はあるけれど。

 

昭和10年(1935)8月12日、陸軍省にて相沢三郎歩兵中佐が軍務局長・永田鉄山少将を惨殺する事件が起きる。

そのとき、部屋にはもう一人の人物がいた――。

憲兵大尉・浪越破六【なみこし・ばろく】は、この事件には、語られていない「真実」があると確信する。
そんな折、浪越は渡辺錠太郎陸軍大将から、密命を受ける。そして運命の日に向けてのカウントダウンが始まった。
気鋭のミステリ作家が、2.26事件と同時進行していた「ある事件」を大胆に描き出した本格長編。
昭和史を揺るがす重大事件の謎をめぐる圧巻の歴史ミステリ。

伊吹亜門氏デビュー10周年を飾る勝負作! 

 

著者いわく、 浪越はダークヒーローなのだそうだ。

たしかに!

時代が時代だけに読んでいるあいだには思い浮かばなかったんだが、これって、ハードボイルド小説だよな。

 

このあと浪越は満洲で工作に携わるんだろうか。

ぜひそのあたりも読みたいもの。

 

あと、個人的には鯉城@焔と雪の登場がご褒美だった。うひひ。

 

 

 

アンドロイド大好きっことしては、気づいた以上読むしか!

初読み作家さん。

 

全三巻。

正直言えば、まだまだ読み足りない。

この作品、少なくとも全五巻分くらいの内容が詰まってるよね。

 

一巻のあらすじ。

人間とアンドロイドが主従関係で結ばれる世界。

アンドロイド整備士のマリユスは記憶を失った骨董品のアンドロイド・ミーシャと出逢う。

新たな主を求め、歌を歌い、時に人間の命令を拒絶するミーシャ。

アンドロイドの常識から外れたミーシャに、マリユスが興味を抱いたのは整備士としての性か、それとも…。

特別なアンドロイドを軸に、人間とロボットたちの世界が回り始める──
これは種を超えた、恋のお話。

 

あらすじには恋の物語とあるけれど、それはメインではなく。

やはりアンドロイドものは、ひととアンドロイドの共存は可能か、という問いかけに終始するのだと思う。

 

二巻のあらすじ。

物語はミーシャとイワンが出会った頃へ。イワンがミーシャを“兄弟”と大切に思う理由が明かされる──

攫われたミーシャを取り戻すため、情報を集めるマリユス。

一方でミーシャは、自分の歌がアンドロイドの心を開花させるトリガーだと知る。

心を持ち、人間に近づくというアンドロイドの望みを叶えるため歌うミーシャだったが、そこで待っていたのは…。
これは種を超えた、恋のお話。

 

三巻のあらすじ。

人間とアンドロイド、自分はどちら側なのか分からなくなるミーシャ。

同朋たち、機械を忌み嫌う信徒、アンドロイドを友のように扱う人間…沢山の出会いで、ミーシャの心に変化が訪れる。そんな中、アルファ社に殺されたはずのマリユスの父が生きているとの情報が。

罠かもしれないと分かっていながら取り引きに応じるミーシャたち。

アルファ社の闇は暴けるのか…?
人間とアンドロイドの恋の、最期。

 

最期というのが解せぬ。

やはりもう一度一巻から通して(今回は三巻だけ時間をおいて、になってしまったので)読もう。

はやいなぁ、もう八巻。
一巻が出たのがいつだっけか。←2022年6月だった。
まあまあ定期的に出ているので、ストレスがたまらなくてすむ。ありがたし。
 
さて、今巻のあらすじはというと。
 
「どこでもいいんだ、お前がいれば」アラフォー男二人の翻訳家BL!

塾講師と駆け出しの翻訳家のダブルワークをする吾妻朔太郎は、
共訳作の医療ミステリーの翻訳に取り掛かり始めた。
一方、久慈静は新居探しを続けるが、理想の場所はなかなか見つからない。
熱の余韻が残る夜、二人の時間を破るように編集者の貫田が突然訪れる。
そして、驚きの事実を知る事になり…!?

 

アラフォーになって、人生をあらためて考えるようになった二人。

いや、出会ったからこそ、この先の人生に真剣になったというほうが正解か。

彼らの人生に幸多かれと思いながらいつも読んでいる。

 

 

すこしずつすこしずつ前に向かって進んでいる彼らの姿は、こちらにも勇気を与えてくれる。

はやくつづきが読みたいナー。

 

 

 

連作短編集。
 
保険金をもらったことは何回かあるけれど、調査員との面談は行ったことがない。
もちろん詐欺なんか考えもしなかったけどさ(笑)。
味をしめる感覚はわからいでもない。だって臨時収入ってうれしい。だから。
魔が差す」ってとてもこわい。
 

身近で簡単、小さな詐欺にご注意を。叔父と甥の保険調査員コンビが始動

就活の最終面接の日、青森で漁師をしている父の船が遭難したという連絡が入った。家族と就職先を一度に失った桐ケ谷麻海は、東京で暮らす叔父・響介のもとに転がり込むことに。
居候としてなにか仕事をさせてほしいという麻海に、響介がかけた言葉は「掃除も洗濯も料理も別にやらなくていいから、俺の仕事をちょっと手伝って」。
響介の職業は、保険調査員。保険会社から依頼を受け、保険金を支払うにあたって不正や問題点がないか調べる仕事だ。
麻海は見習い調査員として詐欺が疑われる事案の調査をするなかで、生と死、お金にまつわる様々な家族の思いにふれていく。 

 
麻海がいろいろな経験を上手にこやしにしていけるといい。
いまどきの若い子というの? 覇気のなさとかがすこしずつでもいいから削れていくといい。
 
響介のもつ大人のやさしさが、なにげに心を打つ。ニュースを観て青森に飛んでいくなど。
 
額賀さん的お仕事小説。
できれば続編など希望する。
 

初読み作家さん。

うわ、シリーズ二作目か、失敗したぁ。

 

と思ったら、一作目(『431秒後の殺人』)読んでるし。初読みじゃないし。あほやね。

 

古都・京都の「六角法衣店」にはもう一つの顔がある。店主である六角聡明(ろつかくそうめい)による「失せ物探し」だ。

ある雨の十一月、一人の若い女性が店を訪れる。彼女の依頼は七年前に自動車事故で死んだ妹の遺品である日傘の「本当の持ち主」を探すことだった。
調査を始めた六角とその友人の安見直行(やすみなおゆき)だが、関係者と思われる男に接触を試みたところ相手が不審死を遂げ、続いて密室状況下で起きた殺人事件に巻き込まれる。現場に遺される暗号めいたアルファベット、そして現場周辺に現れる謎めいた白いワンピースの女……全ての断片が組み合わさったとき、驚愕の真実と底知れぬ悪意が浮かび上がる。
ミステリーズ!新人賞受賞者による初長編! 

 

すこしばかりご都合がよいのでは?と感じる部分もあったけど。

ロジックは興味深かった

バディはかみあってないような印象だったんだけど、そうでもない意見も散見されるから、私のこうであるべしな思い込みがいかんのだな、きっと。

 

にしても、あらすじにある「底知れぬ悪意」、まじこわい。

 

 

 

六角法衣店の小上がりで阿闍梨餅とあっついほうじ茶よばれたい。

 

これまではそれぞれの本についてのあらすじなどは紹介してこなかったのだが。

今年からは引用していくことにする。

 

 

さて、今年初の本。

読書会が舞台なので、ふさわしいかなと。

連作短編集。

 

人生は簡単じゃない。でも、後悔できるのは、自分で決断した人だけだ。
古書店で開かれる深夜の読書会で、男女6名の運命が動きだす。
直木賞(2024年上半期)候補、最注目作家が贈る「読書へのラブレター」!
一冊の本が、人生を変える勇気をくれた。珠玉の連作短編集!

大学三年生の吉乃は夏休みのある日、伯父が営む古書店を訪れた。「何か、私に合う一冊を」吉乃のリクエストに伯父は、愛と人生を描いた長編海外小説を薦める。あまりの分厚さに気乗りしない吉乃だったが、試しに読み始めると、抱えている「悩み」に通じるものを感じ、ページをめくる手が止まらず、寝食も忘れて物語に没頭する。そして読了後、「誰かにこの想いを語りたい」と、古書店で深夜に開かれた、不思議な読書会に参加するのだった……。 

 

深海

こんな古書店が近所にあれば、通ってしまうだろうか。

 

それぞれが自分と向き合っていく。

そんなようすが静かに描かれている。

新しい世界に踏み出していく彼らを、私もそっと応援したい。

 

ところで。

「真昼の子」 読みたい!と思った方、多いだろうね。

あけましておめでとうございます。

みなさまにとって素晴らしい一年になりますように。

 

 

昨年こちらのブログに引っ越してきて、それを機にきちんと記録しようと決めたのに。

結局、また下書きだけが増えている事実。

今年こそ、きちんと記録するぞ!な新年にございます。

 

ちなみに、なくなると聞いたから引っ越したのに、旧ブログはまだそのまま存在していて。

引っ越す必要なかったじゃん……とも思ったり。あーあ。

 

 

ここに来られる方はそういらっしゃらないとは思うけど。

どうぞまた一年よろしくお願いいたします。