ロタウイルスワクチン | ドクトル・ウッピーの診察室

ロタウイルスワクチン

昨年11月に、ロタウイルスワクチンが日本でも発売されました。すでに多くの方が希望されて接種しました。

接種と言っても注射ではなく、口から飲むワクチンです。生ワクチンですから、飲んでから腸の中でロタウイルスが増えます。
いわば、軽い胃腸炎を起こすわけです。

ロタウイルス胃腸炎は、誰でもかかる病気で、何度もかかります(インフルエンザだって、何度もかかる)。このうち一番最初の感染の時にもっとも強い症状を引き起こします。
激しい嘔吐や何度も水様下痢を起こして脱水症になったり、ロタウイルスによる脳症を起こします。けいれんを起こすこともあります。2度目、3度目と回を重ねると、徐々に症状が強く出なくなります。

このワクチンを飲むのは、練習試合をしておくようなもので、本番の感染の時は症状が強く出ないようにするのです。

生後6週から接種できますが24週(6か月ではない!)までに2回の接種をします。
生ワクチンですから次のワクチンまで4週以上開ける必要があります。

ここで問題になるのはBCGの日程との関連です。
多くの地方自治体では、医療機関ではなく保健所あるいは保健センターでBCGをしています。
また、この場合、多くは月に1回ないし2回の定められた日時に行われます。
つまり、BCGの日は動かしにくい。BCGも生ワクチンなので、次のワクチンまで4週以上開けねばなりません。また、保健センターなどでBCGを受けた当日に、別の医療機関でワクチンを受けることは、同時接種ではなく同日接種とされますが、同日接種自体は認められていません(っておかしな話ですが・・・)。

ロタウイルスワクチンをはじめ、1歳までに接種すべきワクチン(三種混合DPT、ヒブワクチンHib、肺炎球菌PCV7、ポリオ(不活化IPVの場合)をスムースに行うには、なかなか日程を組むのが難しくなってきました。
もっとも良い方法は、次の通りです。

2か月  Hib+PCV7+ロタ
3か月  DPT+Hib+PCV7+ロタ+IPV
4か月  BCG
5か月  DPT+Hib+PCV7+IPV
6か月  DPT
12か月 MR+PCV7
13~17か月 ムンプス、水痘
18か月 DPT+Hib+IPV

これなら、ヒブや肺炎球菌は6か月までに終了できて、BCGが3~6か月までに接種、ロタも2回受けることができます。
ロタを最初の2か月の時にしないと、BCGがあるゆえ、あとのスケジュールがうまくいかず、ロタの2回目が接種できなくなるケースが多いようです。
ロタを受けるなら、Hib+PCV7の1回目に一緒に受けることが要です。
同時接種ではなく、バラバラ接種だと良いスケジュールは組めません。

基本的にうちのクリニックでは、同時接種でワクチンをすすめていきます。バラバラ接種の希望者は、別の医療機関で受けて頂くように、と丁重にお断りしています。