昨日、彼が言った一言が忘れられない | 静かなる時の中で

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ピンポーン

おはようございます

あ!おはようございます
どうぞ~

おはようございます

今、コーヒー淹れてきますね

今年に入ってから
会社のコーヒーメーカーが
ぶっ壊れたので
機嫌を損ねないように扱うのは
なかなか難儀だ
毎日毎日
水の量や粉の量を
微妙にコントロールしなければならないし
昨日はとうとう
電気ポットも
駄々をこねだした
お金持ちなんだから
早く買ってよね

苦労の末淹れたコーヒーを
二人分お盆に乗せて
運ぶ

どうぞ~

わたしは事務所に戻り
ない仕事を作って
計算したり
文字を書いたりする

ある事を思いつき
ファイルを取りに立ち上がり
ふと
振り返ると

えどあげ

いつの間にか
社長がいて
この一言

は?

えどあげ

え?

えどあげないの?

(あ~、えどあげね
  って、ん?)
わたしにはあるかないか
わかりません
副社長に言って下さい

おかあさ~ん!

おかあさん!
どこにいるの~!

◯◯~!(副社長の名前)
◯◯~!

は~い(遠くから)
何?(だんだん近づいてくる)
わたしは忙しいんだから
早く言って!(やっと来た)

えどあげ

だから何?

えどあげないの?

は?
何?

えどあげあったよね
お煎餅

あ~
ちょっと待って
今、持ってくるから






えどあげ

それは
聞いた事のある固有名詞

遠い昔を思い出させる単語

そして
記憶を手繰り寄せると
幼い頃の
一家団欒

茶の間の情景が
蘇ってきた

ああ
なんて懐かしい
愛しい日々よ

あの頃は
ただ
好きなことだけして
一日を過ごしていた

なんにも考えず
ただ生きていた

ほんとうの
しあわせが
そこにあった

なんにもなかったけど
たくさんあった