これを恋とは呼ばずに、
なんと呼べばいいのでしょうか。
これは
ご近所に住む、
クレアちゃんとの切ない話です。
ここだけの話にしてね!
クレアちゃんは年上のスコッチテリア。
ホワイトっていうのかな、ベージュっていうのかな。
たまに、お散歩で一緒になる。
ホントたまーにだよ。
普段仲いいのかっていうと、
匂いをかぎあってプイってされるか、
匂いをかぎあって吠えちゃうか。
そんな関係。
でもね、ある夜から急に落ち着かなくなっちゃったんだよね、ボク。お散歩終わってもすぐ外にパトロール行かなくちゃいけない気がしちゃうんだ。しかも外に行って何をするかって、匂いをひたすら探して右往左往。
そう。クレアちゃんの匂いを探してたんだ。
おうちで、パパやママの足に飛びついて、まあいわゆる発情ってやつですけどね、粗相をしてしまっていたわけですよ。悶々としていた一週間でした。でもね、ようやく散歩中にクレアちゃんに会ったんです。そうしたら珍しくクレアちゃんのほうから猛ダッシュして近づいてきたんですよ。
「ごめんね、今アレだから~」
クレアちゃんがアレだからボクがアレなんだね。なんか、アレだね、なんて言ってみんなで笑ってたよ。クレアちゃんも大変だったらしいよ、そわそわして。ボクにあって治ってればいいけど。ってそういうもんでもないのかな?
ボクは、今まで散々、みんなを悩ませたけど、クレアちゃんの匂いをかいだら一発で目が覚めたんだ。元に戻ったんだよ。
クレアちゃんに会っただけで治ったんだ。
だから、それを恋とは呼ばず、なんと呼べばよいのやら。
また、眠れぬ夜がくるのかなぁ・・・。
ま、
生きてりゃいろいろあるさ。ね。