約28分の動画です。是非ご覧下さい。

 

ロサンジェルスドジャースと10年総額7億ドルの超大型の契約を結び2024年開幕に向けて調整を進めている大谷選手。

二刀流として2年連続の二桁勝利二桁本塁打や2度の満票MVPなど歴史的な偉業を成し遂げてきました。そんな大谷選手の野球の実力に注目が集まるのはもちろんの事、それと同時に彼の人格が世界中で大きく称賛されています。

 

ハーバード大学で政治哲学を専門的に教えているマイケル・サンデル教授は成功者の謙虚さという点で大谷選手を高く評価していました。

 

MLBの大谷翔平選手が偉業を成し遂げたのは、自分自身の才能におごらず、野球に謙虚だったからです。

よく『日本人は自己肯定感が低い』と指摘する意見が指摘されますが、それは日本人には『自分の成功は自分自身の力ではなく、周りの人々の支えがあったおかげだ』という認識があるからです。そして、成功者であっても常に謙虚な気持ちを忘れる事はありません。こうした観点から、彼の能力が数年で衰えるとは考えられず、ますます活躍できると確信しています。

 

又、サンデル教授の意見に対して一般社団法人PPP推進支援機構のマネージャー橋詰健さんは次のように解説しています。

 

サンデル教授の考え方として”どれだけ成功したエリートでも全てが自分の実力と言うわけではない”という意識があるんです。例えば必死で努力して有名大学に入って、出世なり起業なりして金持ちになれた成功者がいたとします。その人は”自分の力で勝ち取った”と思うでしょうし、場合によっては貧困層を負け組と見下したりする事もあるでしょう。でも実際は、裕福な家庭は生まれながらにエリートになる為のレールが敷かれていたり、スタートラインそのものが不平等な世の中になってきているんです。こうした生まれながらの不平等は世代が進むにつれ広がっていきます。

 

サンデル教授は、そういった能力主義、学歴重視の社会に警鐘を鳴らしているんです。だからこそ世界的なスターとしてあれだけ成功しても謙虚な姿勢を貫いている大谷選手を”絶好の見本”として絶賛しているのでしょう。

 

大谷選手の持つ日本人らしい精神は、海外でどのように評価されているのでしょうか?

 

そこで今回はサンデル教授が講義で語った大谷選手についての分析をもとに、大谷選手が成功できた理由と、世界の他の成功者との違いについてご紹介します。

 

サンデル教授の講義は全米で話題となり、ハーバード大学は史上初めてテレビによる一般公開に踏み切りました。

 

オンラインの講義は、全世界で数千万人が視聴するほど大人気。

その講義の休憩時間に交わされた、とある議論が話題になりました。

 

サンデル教授は講義の休憩中に「何でも聞いていいですよ」と学生から質問を募りました。

 

一人のメキシコ人留学生が「今、注目しているメジャーリーガーはいますか?」と投げかけます。

 

私はかつて少年野球チームのコーチをしていた事があるくらい野球が大好きなんです。皆さんは、大谷翔平を知っていますか?

今や、知らない人はいない、というほどの大活躍を見せています。私も彼の大ファンです。今一番注目している選手ですね。

 

サンデル教授の答えの受けてメキシコ人留学生は続けて質問しました。

 

もちろん大谷選手の事は知っています。私の国でも野球はとても人気で大谷選手もとても有名です。ただ、彼は体力的にも技術的にも今が絶頂期で、あと1、2年もすれば衰えるのではないかなと思っています。彼は二刀流スタイルで打者としても投手としても突出した成績を収めていますが、これがいつまでも続くとは考えにくいです。教授はどう思いますか?

 

すると、サンデル教授の表情は一変。真剣な顔つきで次のように答えました。

 

休憩中の雑談のつもりだったが、この話題は真面目に話をさせて下さい。

まず、大谷選手について簡単に説明しましょう。

 

大谷選手は、8歳頃に野球を始めましたが、10歳の時にはすでに球速110キロを投げられるようになっていました。

一般的には、10歳だと80キロ程度の球を投げられたら十分エースとして活躍できるほどですから、110キロがどれだけ凄い数字かはよくわかるでしょう。

 

もちろん、メキシコ人留学生も大谷選手の凄さを知っています。それでもサンデル教授の意見に対して疑問をぶつけました。

 

二刀流での活躍をずっと続けるのは、難しいと思いますし、いずれはどちらかに絞る必要があるのではないでしょうか。

 

サンデル教授は、大谷選手の二刀流継続の意思を評価しています。

 

大谷選手は、子供の頃から『投手と打者の両方やりたい』という強い意志を持っていました。

ところが、周囲からは『無理だ』と批判されます。まぁ、当然でしょうね。それでも、大谷選手は実際に試合で二刀流として大活躍して多くの人を驚かせたのです。これは、単に彼に才能があったからというだけでなく、驚異的な努力があって初めて成し遂げられたものです。

 

大谷選手のコメント

周囲から”無理だ”と言われるほど、それを乗り越えた時の自分の価値を高めてくれると思っています。ゲーム自体でも、最後まで諦めずに戦う事でチャンスが生まれるっていうのももちろんそうですけど、僕なんかも結構できないだろうって言われてきたので。でも自分ができると思っているので、周りから見ればできないと思われても仕方ないかなとはもちろん思っていましたし、ただ見てもらえさえすれば、わかってもらえるというか、まぁ、プロなので結果を出せば応援してくれるし、考え方も変えてもらえるのかなと思っていたので自分の成績一つで変えていける。頑張っていきたいなっていう気持ちですよね

 

才能に溺れる事はなく、更にはどれだけ批判されても諦めずに努力を続けてきたことが着実に成功へと繋がっていったのです。

 

大谷選手が二刀流として成功できたのは、たゆまぬ努力があったためです。

 

例えば、大谷選手はオフの期間でも一切お酒を飲まず、甘い物などカロリーが高い食事もとりません。他の選手が外食を楽しんでいる間にも、私達の想像を超えるような厳しいトレーニングを続けているのです。

 

実際に大谷選手は、プロ5年目の23歳の時、このような発言をしていました。

 

遊びたい、飲みたい、色々やりたい。そんなんで優勝できるわけないですからね。勝ちたいんだったら、野球やるしかないんです。先輩に食事に連れて行ってもらってそこで飲むことはありますが、お酒だけの席には行った事はありません。負けた後の気分転換に飲みたいとは思わないし、お酒で変わるとは思っていないので

 

一般的に言えば、23歳は遊びたい年ごろです。しかし、大谷選手は、野球に全てを懸け、ストイックな生活を送っていました。日本ハム時代の栗山監督は、クリスマスの夜にとっていた彼の驚きの行動を紹介しました。

 

クリスマスの夜中1時過ぎに僕にある人からラインでプレゼントが送られてきました。

 

監督、クリスマスプレゼントです。監督が一番喜ぶものです。今の大谷翔平です

 

クリスマスの夜中1時から、一人鎌ケ谷の室内練習場で来年の為に打撃フォームを変えてずっと打ち続けている翔平の映像が送られてきたんですけど、誰もが遊びたい、休みたい時に誰よりも練習している、そういう選手が大谷翔平でした。

 

更に、野球一筋な性格は昔からのようで、大谷選手が小学生時代に所属していた水沢リトルで総監督を務めていた浅利昭治さんは次のようなエピソードを明かしています。

 

合宿で夜のミーテイングの時に”ゲーム持ってる奴は手を挙げろ”と聞いてみたんです。大体みんな手が挙がるんですが、翔平だけ挙げない。”持っていないのか”と聞くと”はい、野球の方が好きですから”と。この子は上手くなるなと思いましたね。

 

中略

 

彼は、食事は楽しみではなくトレーニングの一環と捉えていて、カロリーの高い飲み物やアルコールにも興味がないそうです。

いつも野球の事を考え、正に野球に全てを捧げる生活です。その努力の甲斐があって、早くから日本のプロ野球で成功し、メジャーリーグでも注目を浴びるほどの成果を上げるようになりました。

 

このような成功は、計画的に努力を重ねてきた結果であり一時的なものとは言えないでしょう。そしてこのようなストイックな取り組みは、日本人ならではの特性であると言えると思います。

 

メキシコ人留学生は疑問の声をあげました。

世界には、日本人以外の成功者も沢山いるし、みんな努力しています。何故ストイックに努力できるのが日本人だけだと言えるのですか?

 

日本人は、昔から海外から来た新しい技術を柔軟に受け入れ理解した上で独自に改良を加える事が得意な民族でした

 

例えば、ショベルカーは日本で発明されたものではないけど、狭い場所が多い日本でも使えるように小型化した結果、気が付けば世界中のショベルカーが日本製になっていました。

 

自動車も元は他国で発明されたものですが、現在では日本製の自動車は世界シェア上位を占めています。

 

確かに人種や国籍に関係なく世界には沢山成功している人はいます。しかし、日本人ほど常に努力を重ね、成果を出し続けてきた人々はいないのではないでしょうか?

 

日本は、時に『アジアの小さな島国』と揶揄されながらも、他国の技術を取り入れ続け、常にアップデートを行い、ついには世界を代表する先進国となったのです。そして、この日本人の精神は、大谷選手にもあてはまる部分があると思います。

 

彼は、二刀流でプレーする事を目指し、多くの人から不可能だと言われながらも、自分の意志を貫き、ひたむきに練習を積み重ねました。その努力の成果が現れ、日本球界だけでなく最高峰のMLBでも素晴らしい成績を残し世界的に有名な選手になったのです。

 

MLB移籍1年目の2018年、日本野球との違いに苦しんだ大谷選手は、オープン戦であまり良い結果が出せませんでした。

投手として0勝1敗、防御率27、00、打者では打率125、本塁打0という成績で、現地メディアやファンからも「期待外れ」の声が相次ぎます。

 

しかし、大谷選手は開幕戦からは投打で大活躍!何と大谷選手はオープン戦から開幕戦までの短期間にフォームを変更したのです。右足を振り子のように大きく上げてタイミングをとる一本足打法から、右足を上げる動作を小さくして、右ひざを内側に絞るようにひねりながら右かかとをヒールアップするヒールダウン打法へ。大谷選手はフォームの変更を決めた際、次のように語っていました。

 

ヒールダウン(現在のステップを踏む打法)をやろうかなと思ったのは、プホルス選手を見て最初に決めたので。そういう意味でも凄く影響を受けています。

 

大谷選手は開幕までのスプリングトレーニング中、エンゼルスの先輩プホルス選手のフォームを観察し、それを見事に自分のものにして見せたのです。

 

エリック・ヒンスキー打撃コーチは大谷選手の野球に取り組む姿勢を称えています。

 

彼はスポンジなんだよ。彼は勤勉なんだ。アメリカの流儀を学びたがっている。

 

又、最近ではAIが搭載されたマシンで練習したりドライブラインという最先端施設で練習するなど、最新の技術を取り入れ、常にアップデートを欠かさない大谷選手。

 

去年より後退する事はあり得ないし、してはいけない。まずは去年の成績より前進する事が目標です。良くても悪くてもどんどん変えていくというのはいいところじゃないかなと思います。現状を守りにいかないという性格ではあるので…凄くいい状態の時もそれを維持していこうというよりも、それを超える技術をもう一つ試してみようかなと思います。挑戦してみようかなっていうマインドがあるのは、得なところだと思います。変える事の怖さよりもやってみたいなという、試してみたいなというのが上回るんじゃないですかね。それで失敗する事も多くありますけど、それは間違っていたんだなと思うだけで、又数年してそれがやりたくなって正解になる事ももちろんあるので。

 

そして、サンドル教授は日本人は成功に対して独特の考え方を持っているとも語ります。

 

日本人の「成功」に対する考え方の特異性

 

サンドル教授の意見を受けて、メキシコ人留学生は、大谷選手が日本人らしいストイックさをもって努力してきたことで成功したという考えには納得したようです。それでもこれから先の成長について素朴な疑問が飛び出しました。

 

しかし、大谷選手の場合は、すでに世界に認められていて試合でも常に活躍しています。これ以上新たな目標を持ち努力をする事は難しいのではないですか?

 

その質問に対しでの教授の答えは

 

そこがまさしく、日本人と他の国々の人が違う点だと言えるでしょう。確かに、大谷選手はメジャーリーグで活躍するという夢をすでに叶えています。そして一度大きな目標を達成してしまうと、多くの人は達成感や満足感に浸ってしまうのも事実です。

 

中には、努力を怠り、過去の成功にあぐらをかいてしまう人もいるでしょう。その結果、たった数年で衰えてしまい、表舞台を去る選手も少なくありません。しかし、大谷選手は異なります。彼は偉大なキャリアが自分だけの成果ではない事をよくわかっているのです。

 

彼は、子供の頃から身長も高く体格に恵まれていました。両親も彼の野球への熱意を理解し、意見を尊重して支援し続けてきました。又、日本のプロ野球球団は大谷選手にプロの選手として沢山の経験を積む機会を積極的に与えました。これらの生まれ持った資質や支援の数々が、大谷選手の現在のメジャーでの活躍の土台になっています。彼はその事への感謝の念を常に持ち続けているのです。

 

サンデル教授が語る通り、大谷選手が周囲への感謝を忘れる事はありません。

 

2023年シーズン2年連続となる2桁勝利2桁本塁打の偉業を達成した時の大谷選手のコメントをスポーツメディア『スポーテイング・トリビューン』はこのように伝えています。

 

このスタッツ(MLB史上初の10勝&40本塁打)について聞かれると、大谷翔平は謙虚に同僚を称えた。

 

自分も打席に立ちますけど、援護がないとつかない。そういう意味で勝ち星は大きいかなと思います。

 

エンゼルス時代のチームメイトであるジミー・ハーゲット選手も感謝を忘れない大谷選手の行動に感激したと話していました。

 

又、大谷選手は裏側で選手たちを支えるチームスタッフへの感謝も忘れません。

 

2021年、大谷選手はホームランダービーで得た参加金15万ドル(約1600万)を、日頃の感謝の思いを込めてチームスタッフにふるまいました。受け取ったのは、トレーナーやクラブハウスの広報など約30人。

ホームランダービーでは1回戦で負けたものの、大谷選手自身は結果に関わらず全額寄付する事を決めていたといいます。

 

大谷選手の心意気をカナダメディア「ザ・スコア」のブランドン・ワイル氏は次のように絶賛しました。

 

オオタニを好きになるもう一つの理由だ

 

このように大谷選手はどれだけ素晴らしい成績を残しても決して傲慢にならず、謙虚な姿勢を示し続け、周りの選手やスタッフへの感謝を言動で伝えています。

 

そんな大谷選手を見て、サンデル教授は次のように話しています。

 

よく『日本人は自己肯定感が低い』と指摘する意見がありますが、それは日本人には『自分の成功は自分自身の力ではなく周りの人々の支えがあったおかげだ』という認識があるからです。そして、成功者であっても常に謙虚な気持ちを忘れる事はありません。こうした観点から、彼の能力が数年で衰えるとは考えられず、ますます活躍できると確信しています。

 

常に謙虚である事は向上心の裏返しでもあります。これからもまだまだ成長できると大谷選手自身が信じ、努力を重ねていく事でしょう。その先には、必ず更なる進化が待ち受けているのです。

 

大谷の活躍がアメリカ球界の選手育成を変えていく

 

大谷選手の二刀流成功はアメリカ球界の選手育成にも変革をもたらしています。

 

これまでアメリカでは早くに適性を見極め投打どちらかに専念させる育成方法が一般的でした。

 

実際に、アメリカメディア『オレンジカウンティー・レジスター紙』のジェフ・フレッチャー記者は次のように報じていました。

 

大谷は怪物なのだ。しかも米選手は大学やマイナーリーグで投打どちらかの選択を強いられる場合が多いから二刀流として成長できない。ある選手が大谷の60~70%の能力ならば、二刀流に挑戦する機会さえ与えられない。チームはどちらかで最大限の力を発揮させようとするはずだ。

 

しかし、大谷選手の成功を受けてアメリカでの考え方が変わり始めているのです。

 

ドジャースでチームメイトとなったフレディ・フリーマン選手は次のように話しています。

 

米国にももちろん、高校・大学までなら二刀流選手はいる。ここにいるオールスターの選手なら連中ならみんなそうだったんじゃないかな。俺だってそうだった。でも色んな理由でそれを諦める。俺は怪我をして先が見えない、という事が一番大きい。でも、こうやって大谷がその先にゴールがある事を示してくれた。これで、将来才能のある若い選手が、どっちかに絞らなければいけないと自分で限界を決めなくても済むんじゃないだろうか。もう、どちらかに_という考えは時代遅れかも知れない。

 

「二刀流を極めたその先にゴールがある」

 

フリーマン選手が語るように、この事実は多くの選手たちに希望の光をもたらした事でしょう。

 

大谷選手は、誰もが知らなかった新たなゴールへの道筋を、その強い意志を持って切り開いたのです。

 

野球専門誌『ベースボール・アメリカ』のカイル・グレーザー記者は次のように報じています。

 

大谷は100年に一人の逸材です。どこで育ったとかそんなことは関係ないくらい。日本が大谷の二刀流を育んで成功させたからこそ、メジャー球団もやりたい若い選手には投打の両方をやらせてみようと言い出したんです。

 

そして元メジャーリーガーで現在はASUのコーチを務めるウイリー・ブルームクイスト氏も大谷選手が学生球界に与えている影響について話しています。

 

コーチの選手に対する見方も変わった。(二刀流で)見込みのある子供にはブレーキをかけない。

 

実際に大谷選手が二刀流としての可能性を示したことで、ドラフト会議では二刀流選手が指名されるようになっています。

その傾向がここ2年のドラフト会議に顕著に現れています。

 

アリゾナ州立大学による運営されているニュースサイト『CronKite News』は、その影響を次のように報じました。

 

今年7月のMLBドラフトでは一度のドラフトで最多となる8人の二刀流選手が指名され、過去4回のドラフトで指名された選手の2倍が指名された。この中には、ジャイアンツの1巡目指名で、ドラフト全体23位のプロスペクトとして指名されたブライス・エルドリッジも含まれている。

 

2023年ドラフトで二刀流選手としてジャイアンツに指名され入団したブライス・エルドリッジ選手は大谷選手への感謝を語っています。

 

ショウヘイは球界を完全に変えてくれた。本当に彼がしてくれたことを嬉しく思う。ショウヘイはプロだけじゃなく、高校生やもっと若い世代も変えてくれたんだ。今なら(二刀流を)目指せるし、それを夢見て実現する事ができるんだと彼は証明してくれた。ショウヘイは2年もそれをやり続けているからね。それに新たな二刀流も出てくると思うんだ。彼らだってやり続けるよ。だからやり続ける事は可能だ。もちろん簡単ではないよ。でも、両方をやる事に熱心に取り組む姿勢を保って、巧くやる方法さえ覚えればメジャーで成功するケースは増えていくはずさ。絶対に二刀流は可能だと思うし、僕もやるつもりだ。

 

最後にもう一度、ハーバード大学での議論に話を戻しましょう。

 

サンデル教授から大谷選手の二刀流成功の舞台裏を聞いたメキシコ人留学生は、興奮を隠せず質問しました。

 

このような精神を持てば、他の国の人々でも様々な分野で大谷選手のような活躍が出来るでしょうか?

 

その質問に対してサンデル教授は次のように答えました。

 

日本人と全く同じように振舞う事はとても困難です。彼らは長い時間をかけて、この精神を育んできました。大谷選手も謙虚な気持ちと自分に厳しい姿勢を常に心がけて幼少期から努力を続けています。

 

国民性というものは、長年かけて培われるものであり、容易に変える事はできません。

 

日本人を見習いたいという気持ちと意欲は素晴らしいですが、本当に実践しようとするのであれば、形だけでの模倣ではなく常に不屈の努力を続け、成功に甘んじない謙虚さを持ち続ける事が何よりも大切です。

 

それは決して簡単な事ではない為、同じ日本人として大谷選手には尊敬の念を抱く方も多いでしょう。

開幕を心待ちにしつつ、これからも大谷選手から様々な事を学んでいきたいですね。

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