科学技術を考える | WOODS 五十路の戯言

科学技術を考える

 自動車関連の学校教職員として、色々なモノの仕組みや構造が気にかかる。その設計思想や社会への影響力を分析してしまうのもまた、ある意味職業病かのかもしれない。

 昔は「失敗は成功のもと」と言って「失敗を活かす」ための戒めであった言葉は、今では「失敗はして当たり前」「失敗しなければ成功しない」と言わんばかりに、新技術をリスク管理もなしに市場に出す企業も見受けられる。なんの根拠もなしに『アンダーコントロール』と世界に発信する、無責任な輩が国の代表であるのも、国民として嘆かわしいが、少なくともつくる側は、廃棄行程の技術まで考えてから、世に出すべきである。形あるものは、必ず寿命を迎える。そのとき、人様に迷惑にならない準備はしておくべきだ。

 人が考え出した科学技術ほど、あてにならないものはない。科学のちからを鵜呑みにしてはいけない。