うちの裏側に、山桜の木がある。
ソメイヨシノ、いわゆる桜の花時より少し遅れて咲く。
花自体もソメイヨシノほどの華やかさはなく、楚々とした雰囲気で、私は結構気に入っている。
楚々とした清純さなど、自分にないものを求めているのかも?
裏の、石がゴロゴロの、決していい土ではないはずの場所で、水やりなどしたことがないにもかかわらず、いつの間にか大きくなった。
道路の方に張り出して迷惑をかけるので、時々、適当に伐る。
剪定の仕方などわからず、バサバサ剪っていたら、ご近所の旦那さまに、
そんなに無闇に切っちゃって大丈夫?
『桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿』
って言うんだよ。
桜はやたらと切っちゃダメだよ〜
と、心配された
何も知らないって、何をしでかすかわからない。
ご近所の旦那さま、ハラハラして言ってくださったんだと思う。
ありがたいことだ。
そんな乱暴な扱いにもめげず、この山桜はスクスクと大きくなり、今や2階の屋根まで枝が届こうかという勢いである。
この山桜、実は植えたものではない。
知らない間に、いつの間にか生えていた。
最初は桜とも気づかず、なんせ放置が得意なので、何が生えているのかもよくわからなかった
ある時、ヒョロヒョロと細い幹、ともまだ言えないような幹を見て、
あ、これ、桜だわ🌸
と気付いた。
それから3〜4年掛かって、やっと花が数輪咲いた。
花が咲くと可愛くなって、(面倒は一切見ないくせに)切ってしまうのが忍びなく、またまた放置している間に大木になってしまった。という次第
植えていないのだから、考えられるのは、鳥が運んできたのだろう。
鳥さんのお腹から種子が蒔かれて、芽が出て育った。
こういうのを実生(みしょう)というそうです。
うちのこの裏側は、なんだか不思議と勝手に生えてくるものが多い。
北側のあまり条件のいい場所でもないのに、そして一切面倒も見ないのに、何故か育つ。
子どもがお友達のところからもらってきたラズベリーも、毎年勝手に実をつける。
私は水もやらないくせに実だけ摘んで、冷凍庫に貯めてジャムにしたりする。
これをいいとこ取りと言います
何かの機会に、知り合いにその話をしたら、
そこ、『サンクチュアリ』だねぇ。
と言われた。
いや、そんないいものではないと思います
問題は、なんでもよく育って、大きくなりすぎることであります。
この冬も雪の積もった南天が、大きく道路にせり出して、通行の車や人に多大なる迷惑をかけた。
伐っちゃうかねぇ?
どうしたものでしょう、、、