結論から言うと、成立し得ないでしょう。
まず、菅直人が以前から脱原発を言っていたのなら説得力があるのですが、そんな過去はありません。また、本人がブログで言っているのが事実なら(ブログでは、随分と前から自然エネルギーに関心があったとしている)、衆院選マニフェストに、「原発依存度を50%にまで高める」などという文言を入れさせるわけがない。たとえ入れさせるにしても、相当な抵抗をするハズなのだが、そんな形跡もない。(抵抗していたのなら、民主党内からそういう証言が出てくるハズだが、それもない)
また、自民・公明・みんな・たちあがれ日本などもすでに原発依存度を下げるよう、方針を変えている。そんな状況では「脱原発」と声高に叫んだところで、争点とはなり得ない。
一部のマスコミは、小泉純一郎の「郵政解散」と同一視するが、当時の小泉純一郎を取り巻く状況と、現在の菅直人を取り巻く状況はまったくといっていいほど違う。なにより最大の違いは、党内の支持があるかどうかだ。
仮に、菅直人が解散にうってでたとしよう。野党側はなにを争点にするだろうか?脱原発は争点にならない。争点となるのは脱菅直人だ。野党側は民主党議員にこう揺さぶりをかけるだろう。「菅直人を信任するのか」と。そして有権者には「民主党が勝てば、菅直人は間違いなく総理の椅子に居座り続ける。それでよいのか」と。
そうなった場合、一番困るのは民主党議員たちだ。多くの民主党議員は、あきらかに菅直人を支持していない。たとえ支持していなくても、自分は当選したい。ところが、自分たちが当選するということは、皮肉にも菅直人が選挙に勝つことを意味する。勝てば菅直人はどういう行動に出るか?答えは言うまでもないだろうが、間違いなく総理の椅子に居座る。そうさせないためには、民主党が負けなければならない。それは自分たちの議員としての椅子を失うということだ。見事すぎるほどの二律背反である。
そんな状況で、民主党議員は選挙を戦えるのか、大いに見ものである。
