ワタシはけっこうおマセな子供でした。
初恋は3~4歳の時で、すでに将来は大好きな人と結婚する夢を抱いてました。
小学校にあがる前後だったと思いますが、ひとりでコンビニに入って成人向け雑誌を立ち読みしようとし、店員さんがあわてて阻止するようなことも。
どちらかというと、男性や性行為に興味があったというよりは、大人の女性のふくよかな体に憧れていたんですが(^^;;
それが変わったのは、小学校一年の三学期の、終業式の日の事です。
春休みが明けたら二年生の教室に変わるため、ワタシは教室のロッカーに入れたままになっていた、絵の具セットやらピアニカやら、たくさんの荷物を抱えて、ひとり家路を急いでいました。
自宅のあった団地に入り、もうちょっとで家に着く・・・
というところで、一台の車が後ろからすーっと近寄ってきました。
せまい路地の右側に寄って立ち止まり、車をやり過ごそうとしたのですが、思いがけずその車は、ワタシのそばでぴたりと停まりました。
見ると、運転席の窓は開いていて、運転席の男性がニコニコしながらワタシを見ていました。
一瞬知っている人?と思いましたが、その直後にワタシは凍りつきます。
パンチパーマ、痩せ型、サングラス、車は白のセダン。
当時不審人物として学校で注意を促されていた似顔絵と、そっくりそのまま!
びっくりしすぎて固まったワタシに、ニコニコと男性は声を掛けました。
「〇〇さんのおうち、知ってる?」
ワタシは固まりながらもハッキリと、「しりません」 と答えました。
すると男性は車を降りてきたのです。
怖くなって、ワタシはもう一度 「しりません」 と言いましたが、足はすくんだまま。
男性はワタシにぴったりと体を寄せてしゃがみこみ、腰の辺りに手を回してきました。
そして「おじさんの車に乗せてあげようか?」と聞いてきました。
ワタシは男性の顔を見ることはできませんでした。
ただ、腰やお尻や足の間に手を沿わせてくる、男性の手のひらの感覚に耐えながら、必死で助けを探していました。
すると団地の住人がひとり、遠くで何か作業をしているのが見えたのです。
あまり近くはなかったけれど、ワタシは必死で声を張り上げました。
「〇〇さーーーーん!!!
この人が呼んでるよーーーー!!!!!」
その住人は、本当は別の名前だったと思うのですが、大声を聞いて振り向いてくれました。
同時に、ワタシにベタベタ触っていた男性が、弾かれたように離れました。
ワタシはその瞬間、持っていた荷物を振り回して逃げ出すことに成功しました。
そのあとどこをどう走って自宅へ帰ったのか、あの不審者はどうなったのか、どこかで捕まったのか、何一つ、さっぱり思い出せません。
でもワタシはこの出来事を、ずっとずっと長い間、誰にも話すことができませんでした。
自分の身に起きたことはとても良くないことだという確信があり、当時は、周りの大人に話すと叱られると思ったし、状況をうまく伝えられる自信もなかったし、何よりも怖くて怖くて思い出したくもなくて、早く忘れようとしていました。
でも当たり前ですが、ついに忘れることは出来ませんでした。
年齢があがると、あの時の状況が、より鮮明に、意味を持って襲い掛かるようになります。
学校の性教育。
友達のワイ談。
たまに出される地域の不審者情報。
ニュースで報じられる、誘拐事件、婦女暴行事件、強姦殺人事件。
それら全てが、あの時の自分と重なってしまうのです。
あの時あの男性がベタベタとワタシの体に触っていたわけ。
車に乗るように誘ってきたわけ。
もしそのまま車に乗せられていたとしたら・・・
成長するにつけ、あの記憶は過去のこととして薄れるどころか、どんどん暗く重く、心にのしかかるようになっていきました。
誰にも話していないからこそ、それはひとりで抱えるしかなく、解決の糸口も見出せず、ワタシは実に20年以上も苦しむことになるのです。
男性への嫌悪感は年齢を増すごとに強くなりました。
最初は単純に、あの時の男性と同じ特徴のある人を避けるのみでしたが、学年が上がり、周囲のクラスメイトが男の子から男性へと変わっていくのを間近に見ていると、これまで友達と思っていた相手が、やがて恐ろしいモンスターに見えてきました。
「△△君て、マイコちゃんのこと好きなんだって!」
中高生のよくあるウワサ話にも左右され、ウワサの相手を避けるようになりました。
大人になっても、仕事仲間としての男性は普通のお付き合いが出来るのですが、自分を少しでも女性として意識する相手は、徹底的に避けまくりました。
自分が「女性」であるという事実にも、嫌悪感を持ちました。
自分が女性として生まれていなければ、こんな辛い思いをしなくて済んだのに、と考えました。
実際に どうこうされたワケでもないのに 大げさだ
そうおっしゃる方もいるかもしれませんが、感じ方は人それぞれですから、それはそれでいいと思います。
ただ、ワタシにとっては、立派な(?)トラウマとなった出来事でした。
それからいろいろあって、東京の職場で体を壊し、実家に戻って一年間療養したあと、現在の職場にバイトとして入ったワタシは、さらに一年後、後からバイトとして入ってきたオットに出会います。
男性への恐怖心を拭い去り、オットと結婚に至るまでは、また次の機会に書きますね。
あーーーー、
昔のこととはいえ、このトラウマの話をするのは、今でもほんっっっとうに、イヤです!
でも、これがあっての、今のワタシなので、自分と向き合うには絶対欠かせない一部分です。
なので、がんばって書いてみました。
もし同じような悩みを人に言えず、ひとりで抱えてる方がいたら、ツライけど、一度気持ちの整理のためにも文章に起こしてみることをオススメしたいなあ。
きっと、何か見えるハズ!と、思います。
