(昨年投稿したブログです↓ ↓。 再度アップします)



          < ペット先進国ドイツ事情 >


犬の殺処分ゼロが実現できる理由


今、日本で飼われている犬猫は約2,061万頭 わんわんにゃー


うち1,087万頭が犬である(’13年・一般社団法人ペットフード協会調査)。


こんなに多くの人が犬と暮らしているにもかかわらず、日本人の犬に対する意識は低い。


法律上、犬はモノ扱い で、街中で誰もが簡単に子犬を買える。


そして、年に16万頭(’12年・環境省統計)を超える犬猫が殺処分される。


それにひきかえ「ペット先進国」のドイツは、殺処分が0頭!


街は幸せな犬たちで溢れている。



日本との違いは何か。犬と人が幸せに暮らす秘訣をベルリンで探った目


ベルリンの中心から約10キロ、車を20分ほど走らせると、世界中の動物愛護団体が手本にする


「ティアハイム ベルリン」 (「ティア」は動物、「ハイム」は家の意味)がある。


http://www.dogactually.net/blog/2009/05/post-ceeb.html


http://shigeomorimoto.jp/tierheim-berlin/     



コンクリートのモダンな塀の中に入ると、一面の緑と水。まるで美しい公園。


動物臭はまったくせず、こんなに清潔でのどかな施設に1万頭もの動物がいるとは、


にわかには信じ難い。



睡蓮が咲き乱れるお堀を渡った先には、円形の「犬棟」がいくつも連なっている。


部屋の中は暖房完備の9個の個室(6平方メートル)に分かれていて、


それぞれにテラス(9平方メートル)が。


個室の前に置かれた写真付きカードには、その犬の性格や年齢、特徴などが


事細かに書かれている。


訪れた人は施設内を自由に見学でき、スタッフに頼めば散歩もさせてもらえる。


たくさんの人が見学に訪れている。




なぜ、ここでは「殺処分ゼロ」を実践できるのか。広報のエヴァマリー・ケーニヒさんに話を聞いた。


「まず、ドイツでは動物保護法で動物の殺処分は禁じられています。病気の場合でも、     


医師ほか何人もの専門家が『ほかに方法がない』と証言するまで安楽死もできません。


この施設で殺処分をしているという風評があるそうですが、約1千頭いる犬猫のうち、


病気やけがによる安楽死は1年に1件あるかどうかです。


昨年は1千335頭の犬を引き取り、1千325頭を譲渡しました。


特に問題のある犬は譲渡せず、生涯面倒をみます。


いちばん長い子は、もう7年もここにいますよ」


昨年は、実に99%以上が新たな飼い主に引き取られている。



ちなみにおととし、東京では783頭の犬が施設に引き取られ、


うち160頭が殺処分された(東京都福祉保健局発表)。


ドイツでは約530万頭の犬が飼われているが、これは日本の約半分だ。


入手ルートはブリーダーや知人から譲り受けるか、ティアハイムから引き取るしかない。


一部の特別地区を除き、生体販売は法律で禁じられている。


日本のような、ペットショップがないがゆえに、安易な気持ちで犬を飼


うこと自体が難しい。飼うことを決めてから、さらに何年も待つ人も多いという。



「ドイツには『犬税』(ベルリンは1頭目は120ユーロ/年、2頭目からは1頭につ


き180ユーロ)があります。『犬の法律』では、


飼い犬に散歩や十分な運動をさせる、人や犬とのふれあいを持たせるなど、


飼い主の義務が明記されています。


また『動物保護アドバイザー』がいて、散歩をしないなどの虐待が疑われる


場合、市民が通報します。アドバイザーが訪問指導し、3カ月後にも改善が


見られない場合は、獣医局が犬を保護することも。


ドイツ人は 犬をパートナー だと思っているので、


それに見合った扱いをするんです。



ドイツでは犬の不遇を社会が許さず、多くの飼い主には犬を飼う覚悟がある。


パートナーのためには時間を使うし、できるかぎり一緒に過ごす。


もちろん安易に“買う”こともない。それがベルリンの人がごく当たり前に実践する、


犬と人が幸せに暮らす方法だった。