ライターの有留です。
いつもお世話になっております。
昨日は月曜日。
通常なら東京都美術館のお休みの日ですが、
ロビーにはこんな看板が。
そうです。
が開かれていたのでした。
(お客様のいない瞬間を狙って撮影しました。)
都美術館の特別展は、常に大人気。
障害をお持ちの方が混雑に気兼ねすることなく、
安心して特別展を鑑賞できるようにと企画されているのが
このイベント。
事前申込制で年に4回開催しています。
毎回楽しみにしていてくださっている方も多く、
昨日もトータルで966人の来館者をお迎えしました。
私はとびラーとして受付を担当したり、トイレやエレベーターの場所をご案内したりしました。
この活動を知ったのは、
『美術館と大学と市民がつくるソーシャルデザインプロジェクト』(青幻舎)
という本を読んだのがきっかけです。
(とびラー選考の二次面接に臨むため、読んでおくことが必須だったのですが)
その中にこんな一文がありました。
「視覚障害があっても、美術館に鑑賞を楽しみに訪れる方は少なくないのだ。白杖を突きながらの方もいれば、盲導犬を連れながら来館される方もいる。作品に直接触れることのできるタッチ・ツアーなどではないにもかかわらずである。彼らは自分の「目」で作品を見に訪れる。」
(P84)
この文章を読んだとき、「絵を見ること」の本質に触れたような気がしました。
絵を見ることは、単に画像を網膜に写すことではない。
作品と向かい合い、自分の心に静かに深く入っていくこと。
それが私にとっての「絵を見ること」なんだ、と。
昨日も、白杖を突いた人、盲導犬を連れた人を
見かけました。
車イスに乗った人もたくさん来ていました。
どなたもとても嬉しそうに、特別展に吸い込まれていきました。
その姿を見て、なんだか胸がいっぱいになって泣きそうでした。
絵を見ることや芸術に触れることが、
こんなにも人を癒し、励まし、元気にするんだなって
わかったからです。
美術館の公器としての役割はここにあります。
とびラーになって本当に良かった。
この前で、たくさんの写真を撮りました。
ご夫婦連れの場合、たいてい奥さんが「撮りましょうよ!」って言って、
旦那さんが「えー、いいよ」みたいな反応です。
でも、写真に写るときは旦那さんは嬉しそうに笑っているんですよね。
ちなみに「クリムト展」の枠には、本物の金箔が貼られているそうです!