アイディアと移動距離は比例する~北斎とジャポニスム | 「書く」を仕事に

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取材・文/有留もと子
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ライターの有留です。
いつもお世話になっております。
 
 
北斎とジャポニスム

2017年10月21日~2018年1月28日
東京西洋美術館

 
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19世紀後半、海外に紹介された葛飾北斎の版画が

モネ、ドガ、セザンヌ、ゴーガンといった印象派の

画家たちに衝撃を与えたことはあまりにも有名です。

 

この展覧会は、北斎の作品と

西洋の画家たちの作品を並べて展示し、

西洋の芸術家たちがどのように

北斎にインスパイアされたのかを

明らかにしていくというもの。

 

北斎の版画を見て私がいつも思うのは、

北斎ってひたすら対象に忠実で、

愛とか悲しみとかの感情はなく、

ただ“そのもの”を写しとる。

それだけを徹底してやっているのではないかということ。

 

その結果、北斎の描く作品に
独特の軽さとが生まれた。

 

感情を排して作品を作ることができたから

天才になれた人だと思うのです。


西洋の画家たちは、
北斎の作品を見て相当びっくりしたみたいで、
構図とかポーズとか、かなり勉強しているのが
わかります。

もっと自由でいいんだ!

爆  笑爆  笑爆  笑


……って、北斎の作品を見て思ったんだろうなー。

 

 

 

もうひとつ、全然別のことも考えました。

 

北斎って、引っ越ししすぎた人としても有名で、

生涯で93回も住まいを変えているんです。

(誰が数えたのって話ですが)

 

娘の応為ともども部屋を掃除するのが苦手で、

散らかったら引っ越す、みたいなことを繰り返していたらしい。

 

一方、西洋の画家たちも、ちょいちょい

住まいを変えているんですよね。

 

「アイディアと移動距離は比例する」とは、

ハイパーメディアクリエイターの高城剛さんの言葉で、


「アイディアを思い付きたければ、

どんどん新しい環境に身を置き、
常に自分に刺激を与えまくるとよい」

ということだと、私は解釈しています。

引っ越ししまくったり、旅しまくったりすると
囚われなくなるんでしょうね、
自分がやりやすい方法とかパターン、
世間の定説とかに。

自分の作品に囚われることが
芸術家にとって最も危険なトラップだからなー。