運慶展~800年前の慈悲のまなざし | 「書く」を仕事に

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取材・文/有留もと子
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ライターの有留です。

いつもお世話になっております。
 
 
 
運慶

2017年9月26日~11月26日
東京国立博物館 平成館

 
 
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昨日は20時までやっているとのことでしたので、
夕方から行ってきました。
 
初めて覚えた彫刻家の名前といえば、
運慶、快慶。
歴史の教科書の「鎌倉時代」には、
必ず「東大寺南大門金剛力士像」
の写真が載っていました。
 
『写実的でダイナミックな作風』。
 
さんざん刷り込んでもらったおかげで暗記してます。
 
この展覧会のいいところは、
空間を贅沢に使って、作品を360度観られること爆  笑
 
運慶らしい、筋骨隆々でダイナミックな≪四天王像≫たちは超迫力。
特に背中の筋肉の盛り上がりがすごいびっくり
眉の筋肉の動きもかなりリアルで
相当表情筋を研究したんだろうなー。
 
しかし、私が一番心打たれたのは、
≪無著菩薩立像≫です。
こぶしを振り上げるでもなく、目を見開いているわけでもなく、
ただただ、そこに立っているだけなのに
圧倒的な存在感。
信仰心のない私ですが、静かに手を合わせたくなります。
 
「私、悪いこといっぱいしてきました。
裏切り続け、嘘もたくさんついたし、傷つけたし、
助けなかった。今も。
でも、私、生きているんですよ……」
 
800年前に彫られた無著さんの前で、どれだけの人が私のように手を合わせ、語り掛けたでしょうか。
無著さんは静かに慈悲の目を持ってその声を聞き続けてきたのです。
 
すごいなあ。
人々の心を救ってきた、慈悲のまなざし。
 
あと、個人的には、四天王に踏んづけられている
ブサイクな邪鬼も大好きです。
運慶の父、康慶が彫った四天王に踏んづけられている邪鬼がキュートで気に入った!
 
運慶の弟子たちの作品もよかった。
康弁が彫った点燈鬼立像、龍燈鬼立像、可愛ゆすラブ
そばにいたお客さんが
「これ彫ってたとき、絶対楽しかったよね!」
と言っていました。私も同感!
 
最後の十二神将立像も必見です。
十二支それぞれの神将を彫ったフィギュアですが、
「子」から始まる最初の方にカッコいいポーズを使い果たしたせいか、
「午」なんて、剣に頬杖ついちゃってるし、
「申」はおどけているし、「酉」は歌っているし。
後半チームの脱力感たるや……
「お前ら神将だろー!」と突っ込みを入れたくなります。
 
でも好き爆  笑
 
 
見どころが多くて、2周しちゃった。
『運慶』、大満足でした。
 
 
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本館の壁に作品がライトアップされていました。
これは≪世親菩薩立像≫ですね。
そして右の空にはきれいな月。