現役日銀マンが語る「日本銀行の金融政策と最近の経済・物価情勢」 | 「書く」を仕事に

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取材・文/有留もと子
お問合せ/moco_moco_moco@hotmail.com

ペーパーAFPの有留です。
どうぞよろしくお願いいたします。

なんですか、この「まあ、少し落ち着きなさいよ」っていう暑さ。
誰に言えばいいのかわかりませんが。

そんな中、昨日は朝からセミナーに行ってきました。
タイトルは「日本銀行の金融政策と最近の経済・物価情勢」。
すごい、これだけの文字数で、ひらがなは3つだけだよー!!

主催は「マネーの会」さん。
ここの企画はいつも行きたくなるのばっかりです。

お話してくれたのは、井手穣治さん。

2013年の4月に日銀の総裁が白川さんから黒田さんにバトンタッチしてから
日銀の金融政策も大きく変わったという話はよく聞きますよね。

彼が実施した量的金融緩和には「異次元的」という形容詞が付くし、
「黒田バズーカ」なんて呼ばれることも。

また、数字を明確に打ち出して明確に説明するようになり、
外国人投資家に日銀の姿勢や“気合”が伝わりやすくなったそうです。

けっこう、気合を見せるのって大事みたい。
「日銀、気合入ってるっぽいから、日本株買っとくか」とか、
インフレ期待への働きかけが高まるとか、実際にそういうことになるらしい。

頭の中で黒田さんがアニマル浜口とオーバーラップしてくるけど……
気にしない!

あと、私が興味深かったのは、今は物価高なのかどうかということ。

みなさん、最近モノの値段が上がったなーと思いますか?
私は思います。

物価を測る指数はいくつかありますが、
・消費者物価指数(CPI)/総務省が毎月公表
・日経・東大日時物価指数
・一橋単価指数
を例に井手さんが説明してくれたところによると……

2013年1月、日銀は
「『物価安定の目標』を消費者物価の前年比上昇率2%と定め、
これをできるだけ早期に実現する」と約束したんだけど

CPIでみると、直近では1%くらい。
でも一橋でみるとすでに2%くらいになっています。

一橋の指数は、スーパーマーケットやドラッグストアなどを中心とした
全国約4000店舗の購買データを元に算出したもの。
より消費者に身近なので、リアルな感覚を反映しているのではないかとのこと。

どの指数が正しいかではなく、全部参考にする、といっていました。

お話しいただいたのは、日銀の業務のほんのさわりの部分だけでしょうが、
想像以上に私たちの日々の暮らしに密着した仕事なんだなと実感。

よく知ってるけど、なんだかよくわからなかった日本銀行が
少し身近に感じられました。


井手さんのご著書(共著)↓↓↓

IMFと世界銀行の最前線―日本人職員がみた国際金融と開発援助の現場(日本評論社)

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