あれは高校2年だったかな。
夏休み前の期末試験中のことだ。

勉強などあまり好きじゃないボクは
例によって一夜漬け。 
深夜放送のラジオを聴きながらノートや教科書とにらめっこをしていた。

時刻はすでに午前3時を回った頃だろうか。
一息入れようと窓を開けてみた。 星空がなんだかとてもキレイで気持ちが良い晩だった。

ふと前をみると1台の自転車がやって来る。
無灯火でフラフラと運転しているし、乗っているオジサンも妙に危なっかしい。

(・・・酔っ払いだな。 こんな時間まで飲んでしょうがないな。 まったく)

そのオジサンはボクの姿をみると イヨッという感じで手を上げて左折して行ってしまった。

のんきなもんだ。試験が無い大人が羨ましいよ。
そんなことを思いながら 再び窓を閉めた。

そこであることに気がついた。 
ボクの部屋は2階にある。
さっきのオジサンの自転車は間違いなくボクと目線の高さが同じだった。
2階と同じ高さで自転車が走るはずがない。

この家に引越してくる前は 平屋だったからボクの部屋は1階だった。
だから違和感を何も感じなかったのだ。

蒸し暑い夜だったが
ちょっぴり寒くなった。 まあよくある話だ。