今日は久しぶりの「記憶の中の映画」から!

大好きな70年代の映画の中でも特別思い入れのある一本です

 

★★「記憶の中の映画」★★

 

この映画を観たのは、公開からかなり経った40年近く前に、高校生の時に名画座で観ております。基本的に好きな映画は何度でも観る方ですが、この映画は最近ようやくDVDになったこともあり一度しか観ておりません!ですから、自分の中では今でも「記憶の中の映画」です

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「フレンズ~ポールとミシェル」

1971年/イギリス(101分)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

フランスを舞台にした、15才の少年と14才の少女との出会い、恋愛、出産などを描いた当時としてはセンセーショナルな物語!

 

~~~~~~~~~~~~~~~

<監督>

ルイス・ギルバート

日本を舞台にした「007は二度死ぬ」などの007シリーズの監督として有名!ティモシー・ボトムズの「暁の七人」や、この映画の続編「続・フレンズ」も監督しております

 

<キャスト>

ショーン・バリー/ポール

アニセー・アルヴィナ/ミシェル

 

<音楽>

エルトン・ジョン

~~~~~~~~~~~~~~~

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

冒頭でも書きましたが、実はこの映画は40年近く前に高校生の頃に名画座で一度しか観ておりません!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

その頃、自分は野球に明け暮れる毎日でしたが、ヒマを見つけては東京近郊の名画座を駆け回り、時にはオールナイトで映画を観て、朝学校に行き放課後は野球の練習という、今考えれば超人的な体力なんですが、それ以上に情熱があったんでしょうねえ(笑)

 

当時映画を観る時は、必ず小さいノートを持って暗闇の中、勘で感想を書きなぐり、改めて「映画ノート」に書き直しておりました

 

今回のレビューは、その時の「映画ノート」を基に加筆、修正を加えたもので、目線は当時の「高校生の自分」であります(笑)

その後、この映画は観ておりませんので、今観たら(多分この映画は観ませんが)全然違った感想だろうと思います

 

だから、観ません!(笑)

 

~~~~~~~~~~~~~~~

裕福な家庭ゆえに自分の居場所がない15才の少年ポールと、両親をなくして身寄りのない14才の少女ミシェルが、南仏の自然の中で同棲、出産など厳しい現実に直面しながらも、愛を育むラブストーリー!

友だちがいつか恋人にかわった

・・・小さいパパとママ

陽ざしは風に寄りそい

季節は眠っていたのに・・・

      /映画のキャッチコピーから

 

「ボクは今日という日を忘れない!カマルグの空を忘れない!」

 

この映画を観たあとの第一声!そんな生意気な書き出しで始まっていました(笑)それに、すっかり忘れてましたし(笑)

 

公開当時は話題になった映画ではありますが、ほとんどの人には記憶がないでしょうねえ・・・

 

「ボクは幸せだと思う。ポールとミシェルと同じ時代に生きられたことに、青春を一緒に過ごせたことに」

 

ポールを自分自身と重ね合わせ、腰抜けぶりに舌打ちしながらも、実際はもっとグダグダと書きつらねておりますが、要約するとそんなことが書いてありました。恥ずかしいくらいに青臭い(笑)

 

◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「愛以外、何が必要なんだ?」

 

ポールは御曹司ゆえに多分、働いたことがなかったんでしょうね。

金が尽き食べるモノがなくなっても父の元に帰らず、仕事を求め泥まみれになり奔走する

 

駆け落ちした若い二人が、厳しい現実にぶち当たりながら挫折するのでなく、困難に立ち向かうバイタリティーあふれる作品

 

「美しい自然の風景、野性の馬が走る!こんな美しい映画は見たことがないと思う」

 

当時東京の下町に住んでいましたが、まだ、北海道の大自然の雄大さも沖縄の海の碧さも見たことがなかったのですから、ただただ「美しさ」に感動しておりました

 

 

 

この頃、日本では描写が過激でPTAが上映に反対していたらしい記述があり、ミシェルが出産し授乳するシーンで当時の「ボク」は激怒しております

 

「ミシェルが生まれたばかりの子供にオッパイをあげる美しいシーンに、館内のあちこちから笑い声が聞こえた。おばさんたち!何がおかしい?」

 

アニセー・アルヴィナの可憐な美しさ

恥じらいとあどけなさを漂わせた裸体

 

当時の高校生の自分には、どれも眩しく刺激的で大人の階段を一歩登った気持ちだったろうと思います

 

「青春のもろさと強さを描いた映画で、二人の生活を単にメルヘン的な生活にしなかった監督の手腕が光る」などと、怖ろしくも上から目線の辛口批評は読んでいるだけで恥ずかしい(笑)

 

当時、レンタルなどなかった時代に年間300本程度映画を観ておりましたので「映画ノート」の中では一端の評論家気取りで、すべての映画をこき下ろしておりました。25才で「映画ノート」をやめてから映画に対して素直に向き合えるようになった気がします

 

「ぼく、帰りたくない!」

「わたしも家では邪魔者なの」

 

この二人のセリフだけ、大きくマル印があったのは、たぶん憧れだったんでしょうね

 

 

「ポールが闘牛場で働いていて、観客のみんなが闘牛士に声援送っているが、ミシェルだけはポールが出てきた時に拍手するシーンが微笑ましくも羨ましい!」

 

映画の二人に寄りそいながら応援しながらも、どこかで嫉妬していたんでしょうね

 

 

以前レビューしています

「小さな恋のメロディ」

 

この映画は、同じ時期に公開された*「小さな恋のメロディ」と双璧をなす作品です。70年代の当時の少年少女のハートをワシ掴みにした映画です!

 

ただ、確実にそれらの映画とは一線を画した作品です

 

この数年後に「続・フレンズ」を観ておりますが、その時の「映画ノート」にはひとこと・・・

 

「この映画は見なかったことにする!」

 

とありました(笑)

もちろん覚えはあります。当時の自分の中ではこの映画は決着がついていたんでしょうね

 

 

ラストシーンで、仕事場にいつもの様に向かう二人

 

「グッバイ!ポール」

「グッバイ!ミシェル」

 

結末が理解できるようになった今でもはっきり思い出せます

当時の「映画ノート」のラストにはこう記してありました

 

「なぜだ?なぜだ?なぜだ?」

「どうしていけないんだ!」

「どうしてそっとしておいてくれないんだ!」

 

2Bくらいの濃い鉛筆で力まかせに書いた文字は、涙でにじんでおりました・・・けっこう真面目に青春していたんですねえ(笑)

 

多分・・いや絶対に今観ると後悔すると思うので観ません!

「記憶の中の映画」というより「記憶の中にしまっておきたい映画」です