ご存じのとおり、『ワンダちゃんNEXT DOORプロジェクト』FILE:04の担当イラストレーターがDANGERDROPさんである旨はすでに世に公表されています。
で、DANGERDROPさんの個人Webサイトを見に行けば、基本的には今回借用掲載させていただくイラストはすべて閲覧することができるのですが、今回の当ブログでは「解説付き」でそれらを紹介させていただき、ぜひともDANGERDROPさんの魅力とその異才っぷりに惚れ込んでいただければ、というのが狙いです。
さて。DANGERDROPさんの特徴と言えばやはり、その度を超した重機への偏愛ぶりでしょう。
そして、その重機愛と女の子とを組み合わせていわゆる“重機少女”をデザインしてしまう抜群のセンスのよさは必見に値すると思うのです。
そもそも「メカ+美少女」というのは“MS少女”の例を挙げるまでもなくこの世界では30年以上にわたって使われまくってきた手法ですが、その「メカ」の部分がSF的なガジェットではなく「重機」であるところがやはりポイントで、よい意味で「明後日の方向に振り切っている」感じが素敵なんですよね。
それとDANGERDROPさんのイラストには「もうひとつの顔」があります。'60年代のシネラマを想起させる、アスペクト比が極端に横長で上下に黒帯を設けたイラスト。これらのイラストの雰囲気がとにかく最高なんです!
そこに醸し出されているひんやりとした空気感と静寂感。決してダイナミックで劇的なストーリーが描かれているわけではないんですが、そのシチュエーションで生じているであろう「なんていうことのないストーリー」がハートに染み入るんですよねえ……。
「なんていうことのない」ぶんだけ、逆にいろいろと妄想が広がるというか。
で、DANGERDROPさんに今回お仕事をお願いすることができることが可能になり、「あまりフィギュア化を意識することなく、まずは自分が描きたいものを好き勝手にラフスケッチとして数点描いてみてください」とお願いしたのが2016年4月27日。いまから1年2ヶ月ほど前の話ですね(毎度のことですが、このプロジェクトは製品が実際に販売される1年半ほど前からこうした作業がスタートするわけです。今回はむしろ若干遅れ気味のスタートで、じつはこの時点ですでに結構焦っていました)。
その結果、DANGERDROPさんから最初に上がってきたのが下に掲載するラフスケッチなのですが……。
この最初のラフスケッチ3案を見て思ったことは、おそらくは多くの人が同様のことを感じたと思うのですが「いつものDANGERDROPさんらしさが全然感じ取れない」というものでした。
確かに「あまりフィギュア化を意識することなく、まずは自分が描きたいものを好き勝手に描いてみてください」とは言ったものの、どうにも「フルスイングしていない感」を覚えてしまったんですね。
さらに言うと「イラスト」というよりは「キャラクターの設定画」風になってしまっていて、いわゆる「フィギュア用の設計図」に見えてしまうと(まあ、普通に直立させて、しかも地味な格好をしているとどうしてもこうなってしまうんでしょうけれど……)。
それゆえに、「思い切って、いつもの重機少女路線で行っちゃいませんか? そのほうがゴールへの近道に繋がると思うんですが……」と連絡したところ、「本当に重機っぽいガジェットしか描けない病なので(SFに寄せ過ぎたり、謎メカみたいなのを求められたりすると難しいです)、本当に“いつもの”という感じになってしまいますが……」という言葉と共に、第2弾のラフスケッチがほぼ一週間後の6月13日にメールで送られてくることになります。
以下、次回に続きます。乞うご期待!