明治23年(1890年)に下野煉瓦製造会社が完成させたレンガをつくるための窯が、百年以上経った今でも栃木県の野木町に現存しているので行ってきたときのこと。「ホフマン輪窯」と呼ばれる円形のレンガを製造する窯が、各区画ごとにレンガを24時間体制で連続製造し、そのレンガは今でも東京駅や、旧信越本線の横川・軽井沢間のトンネルや橋梁などでも使われている。国の重要文化財にも指定されている。

※最初には埼玉県深谷市のホフマン式煉瓦輪窯と書いたが、記憶違いだった。申し訳ない。ホフマン式連用は全国で50基近く存在したが、現存するのは4基のみ。

訪問時には改修工事の真っ最中だった。


窯は工場跡地に作られた乗馬クラブの一角に存在している。



なんとなく誰にも会えないまま来れてしまったので、中を撮影させてもらった。※正式には野木町に見学を申請しなければならないが、現在でも補修工事中とのことで、立ち入ることはできないので注意。

 

周囲の地図



「輪窯」というだけあって、ぐるりとレンガのトンネルが円形に進んでいる。補修工事であちこちが鉄パイプを使い、アーチ状に支えられていた。危険な個所はレンガを積みなおすのだろうか。



安定している箇所は一本で支持。



レンガのトンネルがない箇所もあった。


レンガのトンネルと、上部の屋根は別々の構造体となっている。トラス構造の木組みが、長い年月を経てもしっかりと建物を支え続けた。



中央の煙突は、構造体として建物としっかりつながっていた。レンガを焼く円形トンネルから出る煙を、煙突が排出するわけだが、どうつながっているかは分からなかった。


レンガを製造する16の区画ごとに、この小さな出入り口が点在している。パンフレットによると、投炭口のようだ。