昨年の夏のことになってしまうのだが、北海道へ行った際に、札幌から富良野行きの臨時リゾート特急列車「フラノラベンダーエクスプレス」に乗車する機会があった。車両はキハ183系「ノースレインボーエクスプレス」。展望車付きのリゾート特急だ。

座席は指定席のみだったが、家族で椅子の位置が微妙にずれてしまっていた。すると外国のお客様のグループ(中国系)の方も、グループで座りたかったらしく「席を替わってくれ」と英語で提案があり、受けいれることにした(中国系の観光客は残念ながらマナーが悪い方も多いがこの方は良かった)。それを見ていた車掌さんが、「先頭車の展望車が偶然空いているので、よかったらどうぞ」と言ってくれたので、そちらへ移動することにした。おそらく最初で最後になるかもしれない、この列車の運転席真後ろの展望席最前列だった。



座席は運転席の真後ろ。まさに最前列だった。この列車で、北海道の路線と自然をもっとも楽しめる空間かもしれない。


ひたすら真っ直ぐな函館本線を、札幌から旭川方面にむかって進む。



運転手用の時刻表。通過駅や停車駅がこまかくのっている。正式名称はなにかと調べたら「常務行路表」と言うらしい。



緊急用の赤いボタンが、いかにも「緊急」といった雰囲気でかっこいい!車両の型番はキハ183-5202



真っ直ぐな鉄路



そして列車は、富良野方面に続く根室本線に分岐する滝川駅に到着。ホームには右側にキハ40国鉄色、中央には711系電車が停車していた。



特急が停車した右側に、ちょうど711系電車が停車していた。通称「赤電」。北海道で最初に導入された電車で、最盛期には札幌~旭川間の急行電車として活躍していた。この電車にとって2014年の夏は、まさに最後の夏であり、2015年3月13日をもって全車引退をした。


先頭車のクハ711-213。ということで調べてみたらS-113編成で、クーラーが設置されているために長生きしたようだ。「たきかわ」の駅名とサッポロビールの看板が味わい深い。

鉄道の楽しさの中で、最後の別れも見ることができる、感慨深い旅となった。