兄の部屋の椅子の上に
ずっしりとしたピンクの箱があって




あけたら、マグカップの中にこんなチョコが数個入ってた↓


悩んだら俺の嫁にすがるチキンナゲットは私だが。-D1010982.jpg


















よかろう<●><●>








誰かが私に助けを求めているようだ。













マグカップ「なんだなんだ…こりゃどうなってやがる……口に何か詰まって…く、苦しい、息ができない」





気づけば私はマグカップを解放し、駆け出していた。




先程までマグカップの体内を侵食していた“何か”を手に

この禍々しい色の塊を処理しなければなるまいという使命感にかられていた。







階段を駆け上がると、その先で母が待ち受けていた。

どうやら私の足音が不快だったのだろう、米びつ片手にご立腹である。




理不尽な怒りをぶつけられる気はさらさらない。


私は威厳をみせ、“そこをどいてもらおうか?”と訴えようと息を吸い込み

「すみません」


吐くのだった。





私を一瞥し、訝しげに手元の塊を見た米櫃使い(母)は

「あんたそれ…何してんの?」


あろうことか
その塊を奪い取ったのだった。









それをどうするつもりだ、まさかそれをまたマグカップに詰める訳ではなかろう。…ハッ!?何をしている!?やめろ、米だけといていろ!そして炊け!やめろ、マグカップにつめるな、やめろ、やめろおおおうおおお










マグカップ「息の詰まる人生だぜ……」








さよなら
おつかれさマグカップ。




いったい何だというのだろうか。あの正体不明の塊は何を意味していたのか。




(私があげたフォンダンショコラのほうが美味しいもんねたぶん。こんなブラウニーとかそんなんいらんやろ。ボケ)




皆目見当もつかない。







米櫃使いが兄の部屋を離れた時が最後のチャンスである。


もうじき兄が帰宅する時間である。切迫する秒針。


これを逃せば次はない。


なぜなら私は晩餐に参加せねばならないからである。このときの私は実に空腹であった。




アンを秘めしパン男爵でいうところの「顔面濡れたるがゆえの力不足」といった境地である。





米櫃使いがマグカップにトドメをさし、箱に蓋をしている。


さながら棺に最後の挨拶を告げるように彼女は囁いた。










「あんたはもう…あたしのチョコをこんなにして………」



















かーちゃんのかよおお














一気に興味がなくなる妹であった。









↑ていう日記を深夜に書いてて朝はげしく後悔してドタバタゴロゴロだった